第12話 予想外
「ここが父さんが言っていた湖か」
それにしても…すげー、翡翠色の湖なんて初めて見た。魔法ばっかじゃなくて地理も勉強しとかないとな…だが、ここまで幻想的な景色は地球のどこを探し回っても何のではないかといえるほどの絶景だ
一面翡翠色の水で視界の端に木々があるのが見える。湖を見たとき最初は藻が増えすぎたのかと思ったが、魔力視でわかった…これは
「高濃度の魔力、もし常人が触れば運よく生き残っても感覚麻痺の後遺症が残るレベルのやつだ」
やっば、こんなのが近くにあったなんざ知りたくなっかたな、何も知らない子供が迷い込んで湖に入ったら文字通り無事じゃすまない。ダラスのやつ、俺に湖の説明を一切してなかった、いったい何が目的だ。というか感覚麻痺って俺の記憶じゃ脳梗塞とかの後遺症のはず…
「あれは、スライムか」
いかにも小学校の自由研究で作った感がハンパない形状、ネットの掲示板に載せたらスレタイ次第で馬鹿にされそうだ。息子が危険な場所にいるのに父さんは何をしてるのか、さてと…
「魔力探知、範囲設定」
かなり歩いたからな、父さんのいる森の入口ぐらいまでに範囲を広げて…遠視が使えれば、いや、使えても木が邪魔で意味がないか
よし、最初の位置から移動していない。律儀に俺のことを待っているのか…はたまたタイミングを狙っているのか、父さんが息子に対し父としての威厳を示したいならこのまま…誰だあいつ
父さんに近づいて行っている奴がいる…性別は男、年齢は30代後半、身長は175か6…マジで誰だ。これが父さんが俺にぶつけたい人か、いやだったら隠れないはず
そのまま男は父さんに少しづつ距離を詰めていく、確実に一歩ずつ慎重に、気配を消すのがうまいのか父さんもまだ気づいてない、いや、もうとっくに気づいている…さそっているのか
魔力探知に引っかかったやつが3、いや4人、俺の方に向かって来ている
「気づかれたな」
「え、まだターゲットの視界にも入ってないんだぞ、そんなことあり得るわけねーだろ、隊長」
「いや、間違いなく気づかれた、E、F、お前たちは反対側に回れ」
「「は!」」
二人は瞬きをする一瞬のうちに消え移動した
「まったく、うちの大賢者様は慎重すぎるお人だ」
「むこうもうまくいってるといいが…どう思う、隊長」
男はニヤニヤとしながら隊長と呼んでいる男に聞く
「たかが男爵に気に入られている平民一人を殺す程度のことだ、うまくやるだろ」
「私に挑もうとするのはいったいどこの誰なのか、姿を見せたらどうだ」
ダラスは威嚇をするほどの大声で言う、周囲にいる動物や、さっき乗ってきた馬ですら呼吸を止めるほどの威圧、殺意が出ている
「これだから田舎の戦うことしか知らない脳筋が」
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