「書く」ということ

第12話 文章を書きはじめたのは

 文字を覚え、文章を書きはじめたのは、小学校の作文や絵日記あたりからでしょうか。最初は出来事の羅列から、そこへ感じたことや思ったことを加えて書くように、と習いますね。


 子供の頃、文章を書くことで苦労した覚えはありません。

 私は内気で無口で人見知りな子供だったので、人前で話すよりも文章を書く方が楽だったのです。


 小学3年生のとき、担任の先生はたくさん赤ペンで感想を書き込んで、丸をつけてくれて、私の文章をいつも褒めてくださいました。

 きっと最初に書くことの楽しさを教えてくれたのは、その先生だったのだなぁ……。

 先生は1年間で移動になって、私は悲しくてお手紙を書きました。

 多くの先生との出会いがありましたが、年賀状や暑中見舞いを除き、自分の気持ちを書いて手紙で伝えたのは、後にも先にもその先生ひとりだけです。


 「書く」というのは、書きたい気持ちと、伝えたい相手があるということ。誰かに読んでもらうということ。

(書きたくなくても書かなければならない状況というのはありますが、それはさておき…笑)


 ストレス発散法のひとつに、嫌だった出来事を書いてすぐに破って捨てる、というやり方がありますが、それでもそこには、たとえ一瞬であっても自分という読む相手がいます。


 私は文章を書くことが好きです。

 書くことの楽しさを教えて頂いたあのときの先生の励ましに、心から感謝しています。

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