第44話 死が二人を分かつまで(エピローグ)
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…大学卒業後、物流会社に入社するも学生時代の舞台俳優という夢を追うために退社。バーテンダーとして副業しながら舞台俳優として日々努力している。物流会社時代の後輩、中野春花と交際している。
多田愛未(まなみ)…あざと系女子。過去に彼氏がいるにも関わらず、星矢と添い寝したり等、距離感がおかしい。現在は星矢と絶縁中。
中野春花(はるか)…星矢の彼女。星矢が忙しくて二ヶ月ほど連絡が取れなかった時に話を聞いて寄り添ってくれた後輩、青木悠馬に一瞬心が動くもすぐに自分でそれを反省。今後はしっかり星矢と向き合うことを決め、話し合いの末、仲直りをした。
春日部博(ひろし)…星矢の元同僚。みんなから好かれる愛されキャラ的存在だがモテはしない。内間の相談にも度々乗っていたがデートに誘ったらすぐに断られた。
内間君恵(きみえ)…星矢の元上司。星矢に告白するもあっさり振られる。その後も星矢を思い続けていたが報われることはなかった。過去にバーテンダー、町田孝之や部下の春日部博からデートに誘われるが自分から好きになった相手以外の誘いは断っている。
青木悠馬(ゆうま)…春花の後輩社員。春花の恋愛相談に乗ったり優しく寄り添っていた。しかし、ハグをした春花が罪悪感を感じ、もうそのような行為はしないと遠回しに振られる。その後は愛未に慰めてもらい、気持ちを落ち着かせた。
堤健司(けんじ)…星矢が副業で働くバーのマスター。オネェ。人生経験豊富故に星矢に様々なアドバイスをくれる人生の先輩的存在。
町田孝之(たかゆき)…バーテンダー。星矢の一つ上。恋愛関係にはかなりチョロく、男の欲望を詰め込んだかのような女性、今西絢音に誘われた際、秒でオッケーしていた。過去に内間をデートに誘うも断られた。
今西絢音(あやね)…アパレル店員をやりつつ、ユーチューバーで大成功する夢を持っている。男の欲望を詰め込んだかのような女性。過去に星矢を誘惑するも失敗した。同時に星矢が舞台俳優を目指すきっかけを与えた人物でもある。
垣内さやか(さやか)…舞台女優。星矢の憧れの存在でもあった。星矢より15歳年上で星矢のお姉さん的存在。星矢が春花と上手くいってない時に相談に乗ってくれた。
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今日は星矢と春花の結婚式。星矢は前の仕事関係の人やバーの人、舞台で共演した人は大体呼んでいたが、愛未のことは呼ばなかった。呼ばれなかった愛未は家に悠馬を呼んでゲームをしていた。
結婚式。
「真鍋星矢。あなたは死が二人を分かつまで中野春花を愛することを誓いますか?」
「誓います」
………絶対にもう寂しい思いはさせない。春花の事を一生愛するよ………
「中野春花。あなたは死が二人を分かつまで真鍋星矢を愛することを誓いますか?」
「誓います」
………星矢さん。夢の舞台俳優、本当に応援してるよ。寂しくなっても、もう絶対軽い行動はしない。ちゃんと話し合える夫婦になるんだ………
誓いのキスした後、会場のみんなから祝福された。星矢はみんなの顔を見ながら心の中で一人一人お礼を言った。
………博。いつも俺の相談に乗ってくれてありがとう。お前のキャラには本当に助けられた。言ってることは的外れな時が多かったけどそのキャラのお陰で悩みを忘れたことも何度もあった。本当に感謝してる………
「博、ありがとう!」
「おう。幸せにな!」
………孝之さん。バーで俺に仕事教えてくれてありがとうございます。新しい世界でやっていけたのは孝之さんが教育係としてついてくれたお陰です。これからも色んな事を教えてください………
「孝之さん!ありがとうございます」
「いいえ!今日の星矢、一段とかっこいいぞ!」
………健司さん。俺に新しい世界に飛び込む勇気をくれてありがとうございます。本当に健司さんは人生の先輩的な存在でした。あの日、健司さんと出会ってなかったら俺は今頃何となく働いて何となく結婚するだけの人生になっていたと思います。人生が充実したのは健司さんがいたからこそです。本当にありがとうございました………
「健司さん!お祝いありがとうございます」
「いいのよ!春花ちゃん、大切にするんだよ?」
………絢音さん。あなたがアパレル店員やりながら夢の有名ユーチューバーの夢を追いかけてる姿を見て俺も舞台俳優の夢をもう一回追いかけようと勇気を貰いました。あなたのお陰で人生が変わりました。きっかけをくれて本当に感謝してます………
「絢音さん。ありがとうございます」
「星矢くん、春花ちゃんのために私の誘惑に引っかからないようにね?」
………さやかさん。まさか俺が憧れてた人と同じ舞台に立てるとは思ってませんでした。一緒に舞台で共演してやっぱり凄い人だったと改めて再認識しました。俺の相談にも乗ってくれてありがとうございます。また、共演する機会あればよろしくお願いします………
「さやかさん!ありがとうございます」
「ううん!星矢くん、似合ってるよ!」
………内間さん。最初は怖い上司だと思ってたけど告白されて一気にイメージが変わりました。ツンデレなだけだったんですね。内間さんがこの前、助言くれなかったら俺と春花は本当に関係が崩壊していたと思います。完全に崩壊する前に助言くれて本当にありがとうございました………
「内間さん!ありがとうございます」
「私の告白断ったんだから幸せにならないと許さないよ?」
そして会場にいない愛未の存在も思い返す。
………愛未。本当にお前のあざとさにはやられたよ。今でもお前に振り回されたの、馬鹿だったと思うし若かったなと思う。けじめとしてもう二度と会うつもりはないし顔も思い出したくないくらいだけど人生経験を積ませてくれたのだけは感謝してる………
最後に春花の方を見て語る。
「春花。俺を信じてここまで一緒に来てくれてありがとう。恋人のフリとかいう訳わからない関係からここまで発展するとは思わなかったよ。でも春花と付き合ってからの期間、全部が宝物みたいな思い出だよ。ギクシャクしたこともあったし、これからもすれ違うことはあるかもしれないけどちゃんと二人で話し合って乗り越えていこうね。そしておじいちゃんおばあちゃんになってもいつまでも一緒にいようね。愛してるよ春花!」
「私も愛してるよ。星矢さん。一緒に幸せになろうね!」
こうして二人は誓いのキスを交わした。
〜完〜
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長かったこの作品も今回の話で完結です。ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
俺と添い寝した後輩には彼氏がいて俺には彼女的存在がいて…? yama @yamu1222
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