第42話 まだアンタのことが好きだからだよ

【登場人物紹介】

これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。


真鍋星矢(せいや)…元々つとめていた物流会社をやめ、幼い頃からの夢だった舞台俳優をもう一度志す事に決める。元々、職場が同じだった中野春花と付き合っている。しかし、舞台が忙しく、最近はあまり連絡が取れてない。



多田愛未(まなみ)…あざと系女子。過去に星矢と添い寝する等して星矢を誘惑していたが星矢の告白を断った。それ以降、星矢とは絶縁状態。



中野春花(はるか)…星矢の彼女。星矢の告白を一旦保留にしていたが、その後、無事星矢と結ばれた。しかし連絡があまり取れていないことに少し寂しさを感じ、後輩の青木悠馬に相談するようになる。



春日部博(ひろし)…星矢の元同僚。星矢の良き相談相手でもあった。最近でも連絡は取っている。



内間君恵(きみえ)…星矢の元上司。星矢に告白して振られた後も星矢を思い続けている。



青木悠馬(ゆうま)…新入社員。春花の後輩。春花の相談にも乗っている。春花を慰めるためハグをして以来、春花に距離を置かれている。



垣内さやか(さやか)…舞台女優。星矢の憧れの存在でもあった。星矢より15歳年上で星矢のお姉さん的存在。





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 星矢は内間さんから渡された写真を見て唖然とした。春花が後輩の新入社員とハグしてる写真は星矢にとって驚きでしかなかった。少し疑惑は持っていたが春花の事を完全に信用していたため、驚きが隠せなかった。


「これ、多分この時だけなんだけど。私、見ちゃったんだよねこの瞬間。で、写真に撮った」


「何で!?」


「真鍋にこれ見せて関係崩壊させてやろうと思って。それで弱ったところに私が優しくして真鍋を奪おうと思ってた。」


「何で、、」


「好きだからだよ。まだアンタのことが好きだから。関係崩壊させるのもいいなって思った。そのくらい欲しい物に貪欲な方が幸せなんだろうなって。でも私には無理だった」


「え?」


「中野、この時のことすっごく反省してる。アンタと連絡取れないのが寂しくて後輩に相談してその後輩にハグされて一瞬心が動いちゃっただけだと思う。本当に一瞬。でもそのこと、すっごく反省してると思う」


「でもこれって、、」


「元々アンタが舞台忙しくて中野のこと放置してたのが原因でしょ?忙しいのは分かってるけどもう少し話し合ったりする時間も取れたんじゃないの?」


「そうかもしれないけど、、」


「まだ間に合うよ。中野の気持ちが後輩にうつる前にちゃんと話し合えば。まだ間に合うと思う。今、話さなかったらアンタきっと後悔するよ」


内間さんにそう言われ、星矢は走り出した。春花の家に向かって。


 春花の家に到着した星矢はインターホンを鳴らす。何回か鳴らしてようやく春花が出てきた。


「どう、、したの?」


「春花!ちょっと話し合いたい!」


「え?何を話すの?」


「ごめん!最近放ったらかしで。舞台忙しいから仕方ないって思ってたし春花の気持ち何も考えてなかった。受け入れてくれてると勝手に思ってた。甘えてたのかもしれない。不満に全く気づけずにごめん!」


そう言って星矢は春花を抱きしめた。


「ちゃんと話し合おう!これからどうするべきか」


抱きしめながら星矢はそう話す。


 こうして二人はお互いの不満をぶつけ合った。春花はもっと連絡を取りたいこと、スキンシップをもう少し増やしたいこと、忙しくても10分とかでいいから会いたいことを話した。さらに後輩社員に相談してて、その流れでハグされたときに一瞬心が動いてしまったことも正直に話した。泣きながらもうこのようなことは絶対にしないと誓った。星矢もお金がギリギリなこと、それでも舞台を続けたいことを伝えた。それでも春花のことは本気で大切に思ってるから少ない時間でもちゃんと時間作って会うようにすることを伝えた。二人は次第に泣き始め、ハグをした。


「寂しい思いさせてごめんね。春花」


「こっちこそ星矢さん忙しいの知ってるのにわがまま言ってごめん」


そのまま二人は身体を重ねた。二ヶ月会えなかった分、思う存分に熱い夜を過ごした。





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〜青木悠馬の視点〜


 星矢が春花と気まずい関係を打破し、熱い夜を過ごしている頃、青木悠馬は愛未と添い寝をしていた。ゲームして相談するだけだと思ってたら結局、二人は添い寝をすることになってしまった。


「分かってると思うけど寝るだけだからね?」


「もちろんです」


「私、この瞬間が一番幸せ!」


悠馬と愛未はそのまま手を繋ぎながら寝落ちした。


 翌朝。悠馬の元に春花からラインメッセージが届いていた。











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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。



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