俺と添い寝した後輩には彼氏がいて俺には彼女的存在がいて…？

第40話 恋愛ってタイミングなんですよ

【登場人物紹介】

これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。

真鍋星矢(せいや)…元々つとめていた物流会社をやめ、幼い頃からの夢だった舞台俳優をもう一度志す事に決める。元々、職場が同じだった中野春花と付き合っている。しかし、舞台が忙しく、最近はあまり連絡が取れてない。

多田愛未(まなみ)…あざと系女子。過去に星矢と添い寝する等して星矢を誘惑していたが星矢の告白を断った。それ以降、星矢とは絶縁状態。

中野春花(はるか)…星矢の彼女。星矢の告白を一旦保留にしていたが、その後、無事星矢と結ばれた。しかし連絡があまり取れていないことに少し寂しさを感じ、後輩の青木悠馬に相談するようになる。

春日部博(ひろし)…星矢の元同僚。星矢の良き相談相手でもあった。最近でも連絡は取っている。

内間君恵(きみえ)…星矢の元上司。星矢に告白して振られた後も星矢を思い続けている。

青木悠馬(ゆうま)…新入社員。春花の後輩。春花の相談にも乗っている。

垣内さやか(さやか)…舞台女優。星矢の憧れの存在でもあった。前回の話の最後に星矢の相談に乗るため、二人でラーメン屋に入った。

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〜中野春花の視点〜

　星矢とさやかさんが二人でラーメン屋に入って行く姿を見てしまった春花は訳の分からない衝動に駆られ、走った。男女が二人でラーメン屋に行ったくらいで浮気と思うほど春花は束縛は激しくなかったが、昨日同じようなことで疑ってきた星矢の行動とは思えなかったからだ。しばらく走ると忘れ物をしたことに気づき、会社に戻った。

オフィスに戻ると電気がついていた。

………まだ誰かいる、？………

悠馬だった。一人で残業をしていた。

「あ、青木くん。まだ残ってたんだ」

「ちょっと仕事終わらなくて、、」

「そう」

春花の顔に何かを感じた悠馬は春花に近づいてこう言った。

「何かありました？」

春花は今までの色んな気持ちが混ざり、泣きながら悠馬に全てを話した。悠馬はそれを聞いた瞬間、そっと春花を抱きしめ頭を撫でた。

「大丈夫です。僕がついてますから。中野先輩は悪くないです」

春花は頭を撫でられ、安心したように悠馬に顔をくっつける。そこにたまたま、忘れ物を取りに来た内間がその光景を見てしまった。すぐさま内間は博に『今から会える？』とラインを送った。

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〜内間君恵の視点〜

「はあ。もうイライラする！！」

「何にイライラしてるんですか！」

「自分でもよく分かんないのよ。でもさ、中野と真鍋が上手くいってないの見ると無償にイライラするのよね。それでさっき青木と中野がハグしてるの見ちゃったから余計に」

「自分が星矢諦めたからこそ、星矢と中野が上手くいってないのにイライラしてるんじゃないですか？内間さんはまだ星矢に未練あるって事ですよ」

「でもさ、どうしたらいいのよ。」

「愛未呼びます？愛未ならきっとこういう時の対処法得意ですよ」

結局、博は愛未を呼んだ。

「うーん。星矢さんを奪っちゃえばいいと思います！」

笑顔で話す愛未。どす黒い。

「やっぱアンタならそう言うと思ったよ。でもさ、星矢が会社辞めてから2年経つんだよ？今でもたまに連絡するとはいえ、毎日会ってたあの時ですら無理だったんだから今の私には到底無理だよ」

「恋愛ってタイミングなんですよ。今は星矢さん、色んな事でかなり弱ってます。そんな時に優しくされたらコロっと落ちちゃうものですよ？」

内間は愛未の言葉を聞いて一人で考えた。

………確かに、中野とうまくいってないなら今が本当にチャンスなのかもしれない。新入社員の青木くんと中野は仲良いしそっちをくっつけちゃえば、、その状態で真鍋に手を差し伸べたら、、………

内間の頭にどす黒い考えがよぎった。同時に自己嫌悪に陥った。恋愛でここまで自分が醜くなるなんて考えてもいなかったからだ。

「でもなぁ。ちょっとズルい気がするんだよね」

「何でですか？ズルくていいじゃないですか！それだけ好きなんだから。そこまでして星矢さんを手に入れたいかどうかが大事です！」

内間にとって愛未の考え方は少し自分勝手な気もしたが同時にこういうタイプが実際に幸せになれることも気づいていた。だから愛未の考え方も一意見として取り入れるようになっていた。

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〜真鍋星矢の視点〜

　星矢はラーメンを食べながらさやかさんに話を聞いてもらって大分落ち着いた。

「さやかさん！本当にありがとうございました。さやかさんのお陰でモヤモヤが解消されました。これで明日からも頑張れそうです！」

「いいんだよ。いつでも相談してね。私でよければ」

そう言ってさやかさんは星矢を抱きしめる。さやかさんは距離が近いタイプだったため、このくらい普通だった。それに星矢とは15歳も離れているため、お互いに恋愛対象とは程遠かった。星矢は少し年の離れたお姉さん的な感覚でさやかさんに接していた。

　星矢は気分が晴れ、明日からの本番も頑張ろうと意気込んだ。その裏で春花が星矢に対してかなり不満を募らせている事など気付かずに…。

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ここまで読んでくださり、ありがとうございます！主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。