第36話 今の仕事やめようと思ってるんだよね
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。副業でバーテンダーもしている。春花と付き合って3ヶ月が経過した。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。過去に星矢を誘惑していたが縁を切られた。
中野春花(はるか)…社会人一年目。星矢の彼女。かなり純粋な性格だがスキンシップは大胆。
春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。愛されキャラ的存在。
内間君恵(きみえ)…星矢の元上司。星矢に振られた後も星矢を諦められないでいる。
町田孝之(たかゆき)…バーテンダー。星矢の一つ上。内間に振られたがその後、今西絢音と良い雰囲気になる。
堤健司(けんじ)…バーのマスター。オネェ。星矢に色んなアドバイスをくれる人生の先輩。
今西絢音(あやね)…男の欲望を詰め込んだかのような女性。アパレル店員。町田孝之と良い感じだが…?
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行為が終わり、先に春花が寝てしまった。星矢は隣で寝ている春花を見ながら考える。
………誘い方とか愛未に似てたな。もしかして春花も好きな相手にはあざといタイプなのか?そうなると俺はあざとい人に弱いのかもしれない。でも愛未と春花の決定的に違うところは………
………一緒にいて幸せを感じるかどうか………
………というより愛未は俺をもて遊んでた。モテたいという自己承認欲求のために俺を利用していた。一方で春花は俺と本当に恋人のやる行為がしたくて誘ってきてる。そこの違いだ。本当にスキンシップしたくて誘ってきてるのはシンプルに嬉しい。俺はこんな彼女を持って本当に幸せだ。一生大切にしよう………
若い時の一生がどこまで効果があるのかは分からない。しかし、星矢はこの時、改めて春花を大切にすると決めた。
「星矢さん、気持ち良すぎます」
隣で春花が寝言を言う。夢にまで自分との行為を見てくれてるのは星矢にとって本当に嬉しかった。星矢は隣で寝てる春花の頬にキスをした。
翌朝。二人は手を繋いで目覚める。昨日の行為の幸せをお互い噛み締めていた。
「ねえ春花」
「何?」
「この関係、一生続くといいね」
「続くといいじゃなくて続けるんだよ。二人で」
「そうだね」
春花といると安心する。だから星矢は前から考えていたことを春花に伝えることにした。
「俺さ、今の仕事やめようと思ってるんだよね」
春花はびっくりしてなかった。なんとなく感じていたらしい。理由としては今の仕事にやりがいを感じないというシンプルな理由。また、演劇サークル時代のアルバムを見て自分はやっぱり演技が好きと気づいたからだ。就活の時はプロになってお金を稼げないなら意味がない、正社員にならなければならないという固定概念が星矢の中にあったため、夢を諦めてしまったが副業のバーで色んなお客さんと関わるうちに価値観が変わっていった。
そして決め手はバーでたまたま出会い、アパレル店員として働きながら一流のユーチューバーを目指している絢音さんの存在だった。星矢はそんな姿を見て昔の夢をもう一度挑戦してみたいと思うようになったのだ。
星矢はバーでの仕事を副業としながら舞台俳優を目指していくことを春花に伝えた。二人は結婚はまだ考えていなかったが、いずれ考えるとなると収入面の話はしっかり話しておくべきと思っていたからだ。本当なら安定した収入がない彼氏は憚られるかもしれないが春花は星矢の夢を応援してくれた。
1ヶ月後。3月。星矢は最後の出勤日を終え、同じ部署の仲間にお礼を言って退社した。
オフィスを出ると博と内間さんが星矢を待っていた。二人は最後は部署が違ったけど一番仕事でお世話になった人たちだったので最後に送別会を三人で行うことになっていたのだ。
星矢は博と内間さんに今までの感謝を伝え、これからバーテンダーとしてバイトを頑張りながら舞台俳優の夢を追いかけることを誓った。内間さんは孝之のデートを断ったためバーに気まずくて行けないと良い、もうバーで会う機会はないだろうと星矢に伝える。
「ま、もう会わないかもしれないけど頑張りなよ!」
「内間さん!そんなこと言わずに時間あったらまた博と三人で集まりましょうよ!」
「そうだな。近況報告会とか定期的にやっていこうよ!」
「まあ私は行くか分かんないけどね。」
そんな感じで星矢は物流会社を退職し、フリーターとなった。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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