第34話 春花と付き合って本当に良かった
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。自分の優柔不断な性格を変えるため、副業でバーテンダーという新たな世界へ飛び込む。愛未にもて遊ばれて絶縁してからしばらくして春花に告白。しばらく保留されていたが、ついに春花と結ばれた。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。星矢を誘惑してもて遊んだと思われ、距離を置かれている。現在は会社の上司、内間君恵の恋愛相談に乗っている。
中野春花(はるか)…社会人一年目。ストーカー対策として星矢と恋人のフリをしていた。星矢の告白を保留していたがデートして考えた結果、告白をオッケーした。
春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。愛されキャラだがモテはしない。
内間君恵(きみえ)…星矢の上司。星矢に告白したがあっさり振られてしまった。バーテンダーの孝之にアプローチされていたが自分はまだ星矢が好きと気づいてしまい、孝之のアプローチを断った。その後、星矢と春花のデート場所まで行って二人がキスしているところを見てしまった。
堤健司(けんじ)…星矢が副業で働くバーのマスター。オネェ。人生の先輩的存在。
町田孝之(たかゆき)…星矢のバーでの教育係。星矢の一個上。お客さんで来ていた内間君恵に恋をしていたが告白前に振られてしまった。
今西絢音(あやね)…星矢のバーの常連客。男の欲望を詰め込んだかのような女性。星矢を誘惑するが失敗。
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日曜日。星矢は夜から副業のバーでの仕事が入っていたが昼間は空いていたため、一人で服を買いに来ていた。来週、春花とイクスピアリデートのための服を買いに来たのだ。付き合ってからの初デートということでおNEWの服を着ていきたかったからだ。
新宿の洋服屋に入り、コートを探していると店員さんに声をかけられた。
「何かお探しですか?」
声をかけてきた店員さんは何と前に星矢をバーで誘惑してきた今西絢音だった。
「あ、」
「あら、前に私の誘惑を断った星矢くんじゃない!」
「絢音さん!アパレル店員だったんですね!」
「そうよ!」
星矢は少しびっくりした。完全に偏見だが絢音さんは風俗嬢かデリヘルをやっていると思い込んでいたため、普通にアパレル店員をやってることに衝撃を受けた。
どうやら絢音さんは裏でユーチューブをやりながらアパレル店員としても働いているらしい。将来的にはユーチューバーとして一本で食べていきたいと夢を語っていたが登録者は3000人程でとても有名とは言い難かった。
それでも自分の夢を諦めないで挑戦している絢音さんに星矢は心打たれた。
投稿内容は完全に自分の魅せ方を分かってるって感じの内容だったが。
「今日はどんな服を買いに来たの?」
「来週、彼女と映画デートで。そのための服を」
「え!彼女ってもしかして前言ってた好きな人?付き合ったの!?」
「はい」
「おめでとう!やるじゃん!!」
絢音さんは祝福し、星矢とハイタッチをした。
………この感じ。完全に話しやすい地元のお姉さんって感じだ。前に誘惑されたときと全然雰囲気違うな。エロいのは相変わらずだけど………
「私、流石に彼女持ちは誘わないからさ、安心してね!」
「は、はあ、、」
「じゃ、コーディネートしちゃうよ!とびっきり気合い入れたコーデで行こう!」
そう言って絢音さんは星矢に合う服をコーデしてくれた。大学時代はそこそこファッションに興味あったが社会人になってからあまりファッションに無頓着だったのでアパレル店員がコーデしてくれるのは星矢にとってもありがたかった。コーディネートしてもらったセットアップは星矢自身もかなり気に入ったため、即購入した。絢音さんの接客も押し売りにならない程度に押してきて何だかんだ上手かった。
夜。星矢がバーに仕事に行くと孝之が気分上昇だった。内間さんに振られたが絢音さんと良い感じの雰囲気になってるとのこと。絢音さんには系統は違えど多田愛未のような雰囲気を若干感じている星矢は騙されない方が良いと助言したくなったが、今日のアパレル店員の時の雰囲気を見て人を誘惑してもて遊ぶタイプでは無さそうと感じ取っていたため、特に何も言わなかった。それより来週のイクスピアリデートの方が星矢にとって楽しみだったのでそれどころじゃなかったってのが本音かもしれない。
一週間後。イクスピアリでの映画館デートは星矢と春花にとって凄い良い思い出となった。この頃には春花は星矢に対して敬語とタメが混ざった言葉遣いになっていたが、呼び方は『星矢さん』のままだった。もちろんこの日も沢山キスをした。
その日、春花は星矢とお揃いのコーデが着たいと言い、次のデートでは絢音さんの働いているお店に二人で買いに行った。その後も二人は喧嘩することなく、居酒屋デート、チームラボデート、遊園地デート等を重ねていった。
星矢は春花と付き合ってから毎日毎日が楽しかった。凄く充実していたため、副業のバーにもかなり力を入れることができた。相変わらず本業へのやりがいは全くなかったが。
………春花と付き合って本当に良かった。………
そして付き合って3ヶ月が経過した。暦は2月25日。
この日は付き合ってから初めてのお泊りデートの日だった。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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