第33話 今日もキスしたいです
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。自分の優柔不断な性格を変えるため、副業でバーテンダーという新たな世界へ飛び込む。愛未にもて遊ばれて絶縁してからしばらくして春花に告白。しばらく保留されていたが、ついに春花と結ばれた。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。星矢を誘惑してもて遊んだと思われ、距離を置かれている。現在は会社の上司、内間君恵の恋愛相談に乗っている。
中野春花(はるか)…社会人一年目。ストーカー対策として星矢と恋人のフリをしていた。星矢の告白を保留していたがデートして考えた結果、告白をオッケーした。
春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。愛されキャラだがモテはしない。
内間君恵(きみえ)…星矢の上司。星矢に告白したがあっさり振られてしまった。星矢の事を諦めるために孝之のアプローチに応えていたが自分はまだ星矢の事が好きだと気づいた時には既に星矢と春花は結ばれていた。
堤健司(けんじ)…星矢が副業で働くバーのマスター。オネェ。人生の先輩的存在。
町田孝之(たかゆき)…星矢のバーでの教育係。星矢の一個上。お客さんで来ていた内間君恵に恋をしていたが告白前に振られてしまった。
今西絢音(あやね)…星矢のバーの常連客。男の欲望を詰め込んだかのような女性。星矢を誘惑するが失敗。
_______________________
星矢と春花が付き合った翌日。春花は付き合った事を愛未に報告していた。
「え、まじ?付き合ったん?おめでとう!」
「ありがとう!」
「真鍋星矢をよろしくお願いします!」
茶化すようにそう言った愛未に対して何か思うことがあったのか、春花も愛未に
「そうだね。次は私と星矢さんと愛未の3人で添い寝しようね!」
とブラックジョークで返した。愛未はまさかの返しに戸惑っていた。
内間は少し離れた所でイライラしながら一人でパソコンを操作していた。
「どうかしました?」
博が心配して声をかける。
「アンタ、今日暇?」
「ま、まあ、、」
「私奢るからさ、夜飲み行かない?」
結局、その日の夜は内間と博の二人で飲みに行く事になった。内間は孝之とのデート中に自分がまだ星矢の事が好きであることに気づいて星矢と春花のデート場所まで走ったら二人は既に付き合ってたことを博に話した。さらに春花に助言したことを後悔していることも話した。
「え、何で助言しちゃったんですか!」
「だって。私、もう真鍋くんの事、吹っ切れてるつもりだったし。孝之くんからアプローチされて悪くない気もしてたからさ。新しい道に進むんだって思ってたんだよ。でも無理だったね。」
「星矢の事、そんなに好きだったんですね」
「ね!私も何でアイツにそこまで固執してるのか分かってないんだよ。クソぉ〜。何で助言しちゃったんだ〜」
内間は酒とストレスで口が悪くなっていた。
「まあドンマイっす」
「今日は色々愚痴とか聞いてもらうからね?」
「いいっすよ。いつまでも付き合います」
博はこのまま夜中の3時まで内間の後悔トークに付き合った。
一方、内間君恵にアプローチを断られた町田孝之はバーの厨房でマスター、堤健司に話を聞いてもらっていた。孝之も内間がドタイプだったため口では応援すると言ったものの、後悔を募らせていた。
「まあそういうもんよ。もしまだ諦められないなら諦める必要なんてないわよ?向こうはフリーなんだし」
「そうですよね。でもデート途中で帰られたのはショックでした。自分、そんな魅力ないんですかね」
「そんなことないわよ?ただ向こうの好みと合ってなかっただけじゃないかしら。あなたはあなたなりの魅力が沢山あるわ」
その時、バーに今西絢音が来店した。
「あ、絢音さん」
孝之はすぐに接客モードに入った。絢音は店に着くとすぐに孝之を誘惑した。
「ねぇ。今日、この後ホテルとかどう?」
「は、はい。喜んで」
さっきまでの落ち込みが嘘であるかのように孝之は即答した。そして孝之と絢音はそのまま新宿のラブホテルに消えていった。
そんなドロドロに渦巻いた人間関係の中、昨日誕生した純愛カップル、真鍋星矢と中野春花は仕事終わりに二人で喫茶店に来ていた。付き合うにあたって会う頻度や連絡頻度等を確認していた。二人はその辺はしっかり話して良い関係性を築いていくと決めたのだ。二人は付き合う上での重要事項を話し合って店を出た。次のデートはイクスピアリで映画を観ることになった。
帰り道。二人は手を繋いで歩く。恋愛経験が少ない二人はぎこちない。喫茶店で確認事項を話しきってしまったため、無言の時間が続く。
………気まずい………
星矢はそう思った。何か話さないと。
「せ、星矢さん!」
何か思い出したかのように言葉を発した春花。
「どうした?」
ぎこちない会話が続く。
「今日も、、キスしたいです。ダメですか?」
「良いに決まってるじゃん。」
そんな会話をしながら星矢と春花は3回キスをした。
「ありがとうございます。私、とても幸せです」
「俺も。好きだよ春花」
「イクスピアリ楽しみにしてます!じゃあ、おやすみなさい!」
そう言ってもう一度キスをして二人は別れた。
………何だこれ、かわいすぎるぞ………
星矢は幸せを噛み締めながら一人で家まで歩いた。
_______________________
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます