第32話 内間さんのおかげです
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。自分の優柔不断な性格を変えるため、副業でバーテンダーという新たな世界へ飛び込む。愛未にもて遊ばれて絶縁してからしばらくして春花に告白。しばらく保留されていたが前回の話でついに春花と結ばれた。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。星矢を誘惑してもて遊んだと思われ、距離を置かれている。現在は会社の上司、内間君恵の恋愛相談に乗っている。
中野春花(はるか)…社会人一年目。ストーカー対策として星矢と恋人のフリをしていた。星矢の告白を保留していたがデートして考えた結果、告白をオッケーした。
春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。愛されキャラだがモテはしない。
内間君恵(きみえ)…星矢の上司。星矢に告白したがあっさり振られてしまった。バーテンダーの孝之にアプローチされていたが自分はまだ星矢が好きと気づいてしまい、孝之のアプローチを断った。その後、星矢と春花のデート場所まで行って二人がキスしているところを見てしまった。
堤健司(けんじ)…星矢が副業で働くバーのマスター。オネェ。人生の先輩的存在。
町田孝之(たかゆき)…星矢のバーでの教育係。星矢の一個上。お客さんで来ていた内間君恵に恋をしていたが告白前に振られてしまった。
今西絢音(あやね)…星矢のバーの常連客。男の欲望を詰め込んだかのような女性。星矢を誘惑するが失敗。
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「内間さん。私、星矢さんと付き合うことになりました。内間さんのおかげです。ありがとうございます」
春花は内間さんに電話でお礼の言葉を言った。
〜中野春花の回想〜
これは星矢と春花のデートの3日前のこと。春花は仕事が終わると内間さんに連れられて健司さんがマスターをやっているバーに来た。敢えて星矢がシフトに入っていない日を狙って内間さんは連れてきた。
最初は仕事の話をしていたがカクテルを一杯飲んだ後に内間さんが春花に問いただした。
「アンタ、真鍋の事、どう思ってるの?」
「どうって、、どういう意味ですか?」
「今度デート?遊び?に行くって耳に挟んだんだよね。私ここの常連だからさ、アイツがマスターに話してる事、たまに聞こえちゃうんだよね」
「ま、まあ犬カフェ行こうかなと」
「アンタは真鍋の事、好き?」
「ちょっとー。何でそうなるんですか!!」
「まだお酒足りてないみたいだね。マスター」
「あー、わかりました!!話しますよ!!正直怖いんですよね、男の人と付き合うっていうことが。DVされたり告白を断ったらストーカーされたこともあって。だから慎重になってる部分はあります」
「アンタは真鍋がDVやストーカーすると思ってるの?」
「違いますよ!でも本当によく考えたいんです。真鍋さん、良い人だし話してて楽しいです。でもそれと恋愛ってやっぱ別だと思うんですよね。前の彼氏も人としてはすっごく優しい人だったのに恋愛関係になったら束縛激しくなったりDVしてきたり、、
だから怖いんです。真鍋さん、この前愛未に告白したばかりだし目移りするタイプの可能性もあるなぁとか。色々悪い場合を想定しちゃうようになったんですよね。」
「なるほどね。確かにアイツ、優柔不断な奴だからね〜」
「は、はい」
「でもさ、アイツ、誰とは言わないけど社内の上司の告白断ってるんだよ。だから誰でもいいって訳じゃないんだろうね。好みのタイプとかもあるんだろうし。アンタは今、真鍋に好かれてる。その気持ちは本物だと思うよ?」
内間さんはその上司が自分だということは決して言わなかった。春花もまさかそれが内間さんだとは思ってなかった。
「それにさ、最近はアンタとの事、本当に真剣に考えてるみたいだよ。その証拠にマスターにめっちゃ相談してるし。そうだよね?マスター!」
「そうよぉ。恋人のフリしてた後輩と本当に恋人関係になりたい〜とかデートまで1ヶ月あって待ちきれない〜とかホントうるさいのよね、あの子。」
春花は内間さんやバーのマスター健司さんの話を聞いて星矢に対して抱いていた゛優柔不断で目移りしてしまうかもしれない゛といった部分の不安は解消されていた。
さらにデート前日の夜。春花の元に内間さんからラインが届いた。デート前日といえばエロい女性、今西絢音が星矢を誘惑して断られた日だ。
ラインは2件連続で送られていた。
『今日、めっちゃエロい子がバーに来てさ、真鍋を誘惑したんだけど俺には好きな人がいるんでって断ってたよ。アイツ、そういうとこ、ほんと真面目なんだよな』
『明日デートだろ?少なくともアイツはアンタの事、超真剣に考えてるみたいだからさ、後はアンタ次第だよ。まあ楽しみな!』
と来ていた。
春花は内間さんからのラインのおかげである程度の答えは決めていた。後は明日のデートが盛り上がってこの人となら安心できる!と確信できたら告白を受け入れようと決めた。
〜春花の回想終わり〜
「本当に内間さんの助言に救われました。そしてようやく過去のトラウマから前を向く事ができました。内間さんがいなかったら星矢さんとの事、もっと悩んでいたと思います。本当にありがとうございました!」
「別に。ウジウジしてるのが腹立っただけだよ。幸せになるんだよ?」
内間さんはそう言って電話を切った。
中野春花には言えなかったが内間君恵の心の中には「何であの時、私、アドバイスしてしまったんだ!」という後悔の気持ちがあった。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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