第21話 その程度の気持ちだったんですね
「また恋人のフリできない?」
星矢からの提案。春花はびっくりしていた。
「え、何故ですか」
「ちょっと愛未のあざとさとモテアピールにイライラしてきちゃってさ。たしかに告白したのは俺なんだけど何かあざとく誘惑された気がするんだよね。告白するように仕向けられたような気が。だからもう騙されないぞって意味をこめて愛未に彼女できたって言ってやりたいんだ」
「でもそんなことしたら私と真鍋さんが付き合ってるって噂広まっちゃいません?」
「迷惑、、かな?」
「迷惑じゃないですけど。真鍋さんは仕事やりづらくなりません?」
「俺は全然!だから春花、いや中野が気にしないならお願いしたいんだけど」
「わかりました。じゃあ今日から恋人のフリ再開しましょう!そしてとりあえず愛未に付き合ってるって伝えましょう!ある程度時間が経ったらまた関係解消って形で良いですか?」
「うん!本当にありがとう!」
………よし!とりあえず恋人のフリの関係再び!これはなくなって寂しかったからありがたい………
星矢の中ではこの恋人のフリをする期間中に春花の内面を深く知って本当に恋人になろうという作戦もあった。やはり星矢もなかなかにあざとい。
仕事終わり星矢は愛未に春花と付き合ってる事を伝え、この前の告白は愛未の誘惑に引っかかっただけと遠回しに伝えた。すると愛未は少し涙目になって上目遣いでこう答えた。
「星矢さん、嘘つきですね。私の全部受け入れるって言って受け入れてないじゃないですか」
「いや、だって愛未は俺が告白したこと社内で言いふらしたよね?自分から誘惑したくせに。誰にも言わないって約束したのに破ったよね?信用できるわけないよね?」
「誰にも言わないって約束したのは泊まった事じゃないですか。それは言ってません。でも告白されたのは言っちゃいました。嬉しかったんで」
「結局、モテてる自分を周りにアピールしたいだけなんでしょ?」
「そんな私を受け入れてくれるんじゃないんですか?」
………確かにな。そこまで受け入れてまで好きなら受け入れるのかもしれない。ただ俺には受け入れる器がなかったな………
「ごめん。ここまでとは思ってなかった。結局、俺はモテアピールに利用されただけ?」
「私の事好きならそれすらも受け入れますよね?結局、口だけじゃないですか。」
………何で逆ギレ?キレたいのこっちなんだけど!!………
「とにかく!俺は春花と付き合ってるの!」
「じゃあ周りにその事言っていいですか?星矢さんは私に告った数日後にすぐ春花と付き合ったって!そのくらい誰でもいい人なんだって!」
「それはやめて。」
「本当は春花と付き合ってなんかいないんじゃないですか?私へのあてつけですか?」
………何なんだこの女!もうムカつく!!でもこれに騙されてた俺も単純で馬鹿なんだけど………
「私へのあてつけなんですよね。星矢さん、やっぱりその程度の気持ちだったんですね」
「もしかして試してた?」
「だったらどうします?もう私の事好きじゃなくなります?」
………あざとい。既に相手のペースだ………
「じゃあこれだけ答えてください。もしここで私が星矢さんに付き合ってくださいと言ったらどうしますか?」
魔性の質問。いつも優柔不断な星矢だったが、これに対する答えはもう決まっていた。
「ごめん、もう二度と愛未の事を好きになることはない。どんな事があっても」
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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