第7話 月草の毒

「私、カリス帝国第五王女ライア・ド・カリスは、この決闘において絶対的な公正と公平を保つことを宣言する。」


「俺、カリス帝国騎士団長フェイス・ラッターは、この決闘において絶対的な公正と公平を保つことを宣言する。」


宣言の後、両者は決闘の敬礼を交わした。


立派な剣を見せた後、決闘場にいた市民たちは驚きの声を上げた。


「聖剣ではない。」「本当に聖剣で殺せるのか? 」「決闘で聖剣を使わなければ、建国の父を見下すことになる......」 「どんな勇者だ?」


黙れ、とライアは手首を返し、軽蔑したように目を丸くした。


「諦めるのはそれからでも遅くない、フェイス卿。」 手にした立派な剣をそっと振り、彼女は顔を傾けて微笑みながら言った。


「......」フェイス・ラッターは明らかにライアの挑発に怒ることなく、ただ冷静に彼女を観察していた。


ライアは構えをとり、数ミリ秒で秘銀でできた剣を彼に突きつけたが、フェイス・ラッターはそれを軽々とかわし、彼女に一撃を振り下ろした。


ライアは頭をひねってその斬撃をかわし、手入れの行き届いた髪が少し切り落とされた。瞬時に身を低くして彼の足を払おうとしたが、彼はすでに何をされるか見ていたかのように、数歩下がってそれを避けた。


「今度は俺が攻撃する番です、第五王女殿下。」


フェイス・ラッターの攻撃が風刃のように襲いかかったが、ライアは軽々とかわした。


「王女殿下、かわし続けるつもりですか? そんなの勇者とは呼べませんよ。」


「それ、私には効きませんよ、フェイス卿。」彼女は飛び退き、二人の間に距離を置いた。


突然、ライアは立ち止まり、手にした剣が奇妙な光を放ちながら微笑んだ。


「私たちの決闘はほんの少し物足りなかったようね、フェイス卿。」 彼女の声は自信と神秘に満ちていた。


フェイリス・ラッターは顔をしかめ、不安そうに彼女を見た。


「何のことで?」


ライアはレイピアを決闘場の床に突き立て、魔法を使って精霊術を助けようとすると、口と鼻から同時に血が噴き出した。


「どうしたんだろう......」彼女は真っ赤に染まった自分の手を見て、少し驚いた。


「まさか…月草の毒なの?!」


月草の毒は無色無臭で、人の体内の魔力を暴走させ、その結果、反動を引き起こすことがある。


彼女は突然、決闘服に着替えた後に飲んだお茶のことを思い出した。


彼女は数歩よろめくと、立派な剣の柄をつかんで片膝をついた。


「素晴らしい戦術だ、フェイス卿。」彼女はゆっくりと立ち上がり、微笑を浮かべながらフェイス・ラッターを見た。

「王室に毒を盛る勇気があるんでしょうが?」


フェイス・ラッターは信じられないと首を振った。


「あなたがやったかどうかは別として、今最も疑われているのはあなたよ、フェイス・ラッター。」


決闘場は驚きの声に包まれ、ライアは脳が月草の毒でざわめくのを感じた。


月草の毒を使えば永久的なダメージは避けられるとはいえ、毒に侵されるのはとても不快なことだった。


「一人ずつ、無理矢理やられてるわね?」ライアが地面から剣を引き上げると、地面から奇妙なルーンが浮かび上がり、決闘場全体を包み込んだ。


「これは...魔法?」 フェイス・ラッターが驚いて声を上げた。


「違うよ、フェイス卿。」 風の圧力と自然のエレメントの力に、フェイス・ラーターは膝をついた。


「これは精霊術だ。」彼女は不敵に笑い、最後の力を振り絞ってフェイス・ラッターを地面に押し倒した。


鋭い剣先がフェイス・ラッターの首に降りかかり、血がにじみ始めた。


ライアが殺気を放とうとした瞬間、めまいが戻り、彼女は地面に倒れ込み、無限の闇の中に飛び込んだ。


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