第4話 勇者の責任?

リリス・フィロであろうと、カロニア・ド・カリスであろうと、生まれながらにしてライアを後継者として育て、愛したことのないアンジー家であろうと、最初から、自分に敵対する者を好意的に見るつもりはなかった。


誰もが許せず、誰もが敵であり、外面は明るくとも内面は腐敗している帝国に慈悲はなく、あるとすれば罪のない市民であるはずだ。


知らぬが仏と言っても過言ではない。


彼女はいいアイデアが思い浮かばなかった。


気にせず、彼女は背筋を伸ばし、一歩ずつ歩いた。


「朝練の時間だ。」長い金髪を高い位置でまとめ、遼は満足げに鏡の前でくるりと回った。 剣に埋め込まれた魔石が彼女の目と同じように陽光を反射し、部屋の隅々に小さな光の点が落ちた。


「民衆のざわめきを無視すれば、王族が普通の貴族とは扱いが違うのは事実ですよな。」


ただ、物質的な面では決してないがしろにされることはない。

これが王族であることの唯一の良い点だろう。


冷たい残飯を食べることも、未知の毒や酸っぱい匂いのする水を飲むこともない。


少なくとも彼女はそのことに感謝していた。


「騎士団長はどこですか? 」彼女は衛兵に尋ねた。

「行け、行け、小間使い。」衛兵はライアの要求を気にせず言った。


「侍女?騎士団の衛兵が、いつから王族の一員をそんな無礼な扱いをするようになったのですか!」


「申し訳ありません!」 衛兵はあまりのショックに息も絶え絶えになり、そのまま片膝をついた。


「第五王女殿下とは知りませんでした!」


「もうわかっただろう、立て。」 剣を抜き、力が入りすぎて微かに震えている手の袖を引き、横に落ちていたマントを拾い上げた。"フェイス団長はどこだ?」


「第五王女殿下、遅刻です。」背の高い影が小柄な体躯を隠していた。


「衛兵にも不機嫌になるな、王族には大きな心が必要だ、それでも勇者であることは言うまでもない。」


最初のターゲット、フェイス・ラッター。


フェイス・ラッター侯爵。


国民が毎年行っている「女性が結婚したい男性」の世論調査で第1位に輝いた彼は、暗赤色の髪に灰色の瞳孔、ハンサムな外見をしている。


公正で公平に見えるが、私生活では極めて残酷な人物。

昔から犯罪者をリンチすることで知られている。

情報を得るために半田ごてを使うことさえある。


この残酷さは、少しでもミスをすれば鞭打ちになるというラッター家の血の通った教育からきており、年をとればそれに見合った毒を飲んで毒に強い体を作らなければならない。


ヒロインのリリスはどうやって彼を騙したのか・・・・・・?


「辛かったでしょう、フェイス。」リリスはフェイリスの手を取った。「今までずっと頑張ってきたんだから、辛かったでしょう。」


逆光に照らされても、その顔はとても優しく穏やかで、固く封印されたフェイス・ラッターの心に、太陽の光が初めて入り込んだようだった。


その瞬間から、彼はリリス・フィロのためだけに生きるようになった。


ああ...。

なんていやらしい、下品な企みなのかしら。


ライアは何度目かの目を丸くした。


「いいえ、遅れているのはフェイス卿です。」


彼女は時計をした。


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