第6話

 その頃、結界を張っている場所では数人が気絶しており


【ストレンジ】 「‥こんな事は本当にしたくない。けどやらなければ大事な彼女が殺される。結界を壊す為の最後の工程だ。これが終われば彼女を解放してもらえる。それに‥何故かエルフの女の事を色々な人に話せとの指示が‥」


 と呟きながらに結界に魔法陣を組み込み始める。


 そんななかカッカッカッカッカッと言う足音と共に誰かがこちらに向かってきており


【ストレンジ】 「交代の時間か?それにしてははやい。それに今は不味いな‥なら気絶させるか?」


【???】 「その必要はない!作業が終わらないのか見に来ただけだ。それにはなび様が大層遅い事に苛立っておられる。はやくしないとはなび様は今すぐにでもアヤツを殺すであろうな。それだけお前の仕事が遅いのだ」


【ストレンジ】 「ひぃぇぇぇ、いつの間に背後に?って待って下さいよ、話が違う!!彼女には何もしないと」


【???】 「そうだな。そんなお前の為にほら」


 と指を鳴らす???。すると拘束され口枷をされた女性が???の隣に突然と現れ


【女性】 「ううううん!!」


【ストレンジ】 「サラ!!何のつもりだ?」


【???】 「怖いですね。私がここに連れて来なければ殺されていた。むしろ感謝して欲しいものだ。それとも連れて来ず死んだ方が良かったのかストレンジ君?」


【ストレンジ】 「くぅ‥」


【???】 「さぁ、ストレンジ君よ早く頼んだ仕事をこなせ。さもなくば、コヤツを私が殺してしまうぞ」


【ストレンジ】 「サラ‥君を助ける為に俺は罪を犯す。許してくれ‥それだけ君を愛してるんだ」


 女性は声を出せずそれを認めれず首を左右にふり辞めるよう訴えるも、ストレンジは結界の魔法陣に術式を書き足し始める。


【???】 (お馬鹿な奴。結界が壊れれば用済みだと言うのに)


 カッカッカッカッカッカッとまた足音が聞こえてきて


【???】 「誰です?性懲りもなくこ、こ、こ、こ、あっ、その、その、申し訳ありません」


【?】 「遅いから私自ら来ました。それよりもまだ終わらないのかしら?」


 ストレンジはその声を聞き振り向くと同時に


【ストレンジ】 「ヨネ?」


【?】 「それは私に言ってるのかしら?もしかして私そっくりな子を知ってるのですか?」


【???】 「はなび様、お待ち下さい。今はその様な事を聞いている場合ではありません。結界を破壊するのが優先かと」


【はなび】 「今なんて言ったのかしらタグライン?その様な事を聞いている場合ではないと?貴様はいつから私に指示が出来る立場となったの?」


 辺りに凄まじい殺気が空間を支配し始め、タグラインは体が震え、ストレンジは地面に座り込み、拘束されていた女も地面に座り込んだ。


【タグライン】 「ひぃ、申し訳ありま」


 と言うと同時に、タグラインの首が宙を舞い


【はなび】 「私、あった時に言いましたよ?私に指示すれば殺すと。って殺してしまいました。さて、それで私にそっくりな子を知ってるのですか?」


【?】 「はなび様、また同胞を殺されるとは‥。いい加減になされ。死体の処理が大変なのですよ?それとも仕置が必要ですかな?」


 はなびと呼ばれている人物の背後にいつの間にか来ていた男がそう言い放つ。


【はなび】 「悪かったわ‥だから仕置は無しよ。次は気をつけるわ」


【男】 「よろしい。ではストレンジ、彼女を殺されたくなければ話すのじゃ!」


 ストレンジは、男の言われる通りヨネの事を話し


【ストレンジ】  「これが俺の知ってる事です。話したんだから彼女を解放してくれ!!」


【はなび】 「ふふふ、やっぱりここにいるのね私の妹。そしてハクビお父様を裏切った者も。あぁ、今凄く気分がいいわ!!ストレンジ、彼女を解放してあげましょう。ここから立ち去りなさい!!」


 とはなびは言い放つと同時に、女の拘束と口枷を魔法で破壊し自由にしたのだった。そしてストレンジはサラを抱きしめ


【ストレンジ】「サラ、サラ、ごめんよ。俺のせいでこんな目に‥さぁ、ここから何処かに逃げよう。このままだと殺されるから」


 小声で


【サラ】 「ストレンジ‥ここから近くの街で冒険者に助けを求めましょう。出ないとこのままだとここが‥。このまま急いで求めましょう」


【ストレンジ】 「‥サラ分かった。君の言う通りにする」


 と言い放ち、2人はそのまま急いで後にするのであった。


【男】 「良いのですかはなび様?」


【はなび】 「別に良いわよ。本当に今の私は気分がいいの。それに、あの女はどのみち魔族の慣れの果て、醜い醜いモンスターに明日にでも変貌するでしょうから。さて、私はこれからこのままの姿で連れ去ったとされる者の場所に行くわ」


【男】 「なら、結界の破壊はこちらでするとしようかの。ではまた後ほどお会いしましょう」


 はなびはその場から離れ、男は魔法陣を展開したのであった。


 その頃、エルフの女性は長の家に前に到着しており


【エルフ女性】 「長様は今は中にいらっしゃるか?」


【衛兵】 「長様は、現在執務中であり誰とも合うことは出来ぬ!また時間をおき来なさい」


【エルフ女性】 「緊急事態なの!魔族達が結界を破壊し攻めて来ようとしてるの!!急いで皆を避難させなくては皆殺しにされる」


 衛兵達は顔を見合わせ1人が屋敷の中に慌てて入り


【衛兵】 「その話は本当なのか?」


【エルフ女性】 「間違いないかと思います」


 衛兵が長と戻ってきて


【長】 「アルガナよ、魔族がせめてくるとは本当の事か?結界が破壊されるなどあり得ぬ話だぞ?我々が作り上げた結界魔法を魔族が破壊出来ないのは実験を何度もして検証しただろ?それでも破壊して来るのか?」


【アルガナ】 「ストレンジが‥裏切り内部から結界を破壊する魔法を組み込んでるそうです。もしかするともう組み込み終わってるかもしれません」


【長】 「ストレンジめ、何て事を。直ちにここともう1箇所の緊急用の転送装置を起動し皆を避難させる。アルガナよ、ここはワシが起動させるからもう1箇所に行き起動させよ!!これがその装置の起動キーじゃ」


 長は懐から起動キーをアルガナに投げ


【長】 「衛兵達よ直ちに緊急事態だと言うことを皆に伝えここに優先して来るように伝えよ!!」


 衛兵はそれを聞き敬礼し急ぎ皆に伝えに行くのであった。そしてアルガナと呼ばれたエルフもまた急ぎ転送装置がある場所に魔法で浮遊し向かうのであった。



【アルガナ】 「‥ヨネが心配だけど、今はってアソコにいるのは」


 浮遊しながら、とある人物が目に入りその場におり


【アルガナ】 「ヨネ!こんなとこにいたの。急いで長の所に向かいなさい!!ここから避難できたら隠していた事を全て話すわ‥。だから今は私の事を信じて長の所に行きなさい」


【ヨネ】 「母様‥私は母様の行く所についていく。邪魔しないから連れてって」


【アルガナ】 (確かに私と共にいれば安全でこの子だけでも避難させれるかも。仕方ないわ)

「分かったわ。ならここからは私も走って行くから遅れずに付いてきなさい」


 とヨネと合流して目的の場所に向かうのであった。

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