第7話

 目的地に到着したアルガナ達は、入口から中に入る。


【ヨネ】 「母様、私って他に姉妹はいないの?」


【アルガナ】 「ヨネ?それはどいう意味かしら?」


【ヨネ】 「ただ聞いてみただけ」


【アルガナ】 「?」


【ヨネ】 「それよりも母様、あれが目的の場所ではなくて?」


 と少し広い場所の真ん中に装置が置いてある。それに近づきアルガナは懐から起動キーを取り出し装置に差し込み起動させようとした時、後方から


「母様!!危ない、そこから離れて!」


 と言う声が聞こえ咄嗟にその場から真横に飛び退き


【アルガナ】 「お前がはなびと言う奴か?何故ヨネと同じ容姿をしている?」


 先程いた場所に魔力を込めた手で殴りひびが入っており


【はなび】 「妹よ、貴様が邪魔しなければこの裏切り者を殺せたのに。何故この裏切り者を助けた?」


【ヨネ】 「‥‥」


【はなび】 「やはりそこの裏切り者に洗脳されてるのね。妹よ大丈夫、その裏切り者を殺して、ハクビお父様の場所に帰りましょう!!だから今は私の邪魔をしないで」


【ヨネ】 「私って本当に貴方の妹?それに母様が裏切り者ってどいう事です?私、洗脳されてるの?」


【はなび】 「ふん、何もこの裏切り者から聞かされてないんだね?可哀想な妹。教えてあげるわ貴方は産まれた時、裏切りの魔族とそこの者がハクビお父様をハメて連れ去ったのよ。私はどうにかハクビお父様が守ってくれたそうで助かった。夢とかで逃げてる様な景色をみたりしないの?」


【ヨネ】 「‥」


【アルガナ】 「それは違う!ヨネ貴方はハクビの娘ではない。貴方は勇者とある魔族の子なの。貴方は殺されそうな所を何人もの人が貴方を逃がすために行動したてたとある人から聞いてる。本当の事を貴方に話さなかった私を信じろなんて無理かもしれない‥」


【はなび】 「そんな嘘まで考えてるなんて姑息でしかない裏切り者。まぁいいわ、裏切り者はここで死ぬのよ。そしてこんな場所に隠れ住んでいた者達も」


 それを聞いたヨネはゆっくりと歩みだし


【はなび】 「それでいいの。さぁ私と共にハクビお父様の所に」


 と手を差し出すはなびだが、ヨネはそれを無視しアルガナの所に行き


【ヨネ】 「‥母様、さっきは嘘つきって言ってごめんなさい。話せない事情があったんだよね?なのに私は、嘘つき呼ばわりしてごめんなさい‥」


【はなび】 「ふん〜、私の事なんてどうでもいいんだ。頭にきたわ、2人揃って死ね」


 と手を突き出すと魔法陣が現れそこから燃えさかる火が放たれ、2人を包み込もうとするも


【アルガナ】 「冷たき風よ、渦巻け、冷風れいふう!!」 


 と言うなりアルガナとヨネを守る様に風が吹き荒れ2人を包み込み燃えさかる火を相殺する。


【ヨネ】(母様‥凄い。私も母様みたいに魔法使えるようになるかな?)


【アルガナ】(町はどうなってる、皆避難してるの?サーチアイ)


 アルガナの目が緑色に変化し辺りの様子が映しだされ、その目には辺り火の海になっており家は壊されており、住民達は逃げ惑っている。長は衛兵達と住民達を転送装置にて逃がしているも、長くは持たなさそうな様子。そしてこの場所近くにも強力な魔力を持った魔族が近づいて来るのがみえ


【アルガナ】 (‥このままだと不味い。長、長聞こえますか?)


【長】 (アルガナか?そちらはどうだ?)


【アルガナ】 (こちらには誰もたどり着けておりません。それに‥私はもしかするとここまでかもしれません。強力な魔力を持った魔族がこちらに向かってきており、今は別の人物と交戦中です‥。そこでお願いがあるのですが、ヨネをそちらに転移させますからどうかヨネを逃がして下さい。そして彼の所に転移させて下さい。彼なら幼い私を拾って育ててくれた彼ならヨネを匿ってくれるはず。そしてヨネに色々と教えてくれるはず)


【長】 (‥分かった。なら急ぎ転移させよ。ここも長くは持たん)


 アルガナはヨネを抱きしめる


【ヨネ】 「母様?突然とどうしたのです?」


【アルガナ】 「ヨネ‥本当の事を話さなくてごめんなさい。そして貴方のこれからの成長を見ることも出来なくごめん。貴方は生きて!!さようなら」


【ヨネ】 「母様?えっ?体が消え始めた?母様?ヤダ!!!!!いやぁぁぁ、母様、母様ぁぁ!!!」


 とその場から消えたヨネ。


【はなび】 「ふざけるな裏切り者が!!妹を何処に逃がした!!!」


【ヨネ】 「言うわけないでしょう?」


【はなび】 「殺してやる。殺してやる!」


【ヨネ】 「出来るものならやってご覧なさい!!」


 と戦いは始まる。


 一方、ヨネは気がつくと長の屋敷の一部屋に転移させられており窓からアルガナのいる場所を見るととてつもない爆発と様々な魔法が飛び交ってるのがみえ


【ヨネ】 「母様の所に戻らないと。母様が、母様が」


 と部屋から出ようとするも傷だらけの長が姿を見せ


【長】 「ヨネよ、何処に行こうと言うのじゃ!」


【ヨネ】 「長様、母様の所に戻るの」


【長】 「ならん。アソコに戻ることは死を意味しておる。それにアルガナからここからお主を転移させるように言われておる」


【ヨネ】 「いやだ!!そんなの知らない!!!!私は母様の所に戻るの。じゃないと、じゃないと母様が、母様がじんじゃう、ぞんなのいやば」


【長】 「ヨネ!! アルガナがどんな気持ちでお主をここに転移させたのか考えるんじゃ!!それにヨネ‥これが今の魔界の現状だ。ハクビ魔王に従わない者達は殺されるのだ。こんなのは間違っておる‥だが今はどうすることも出来んのじゃ‥力がないから」


【ヨネ】 「ぞんなのじらない。じらないよ、イヤだよ、はばざまがしんじゃうよ。そんなのいやだ」


【長】 「ヨネ‥許せ」


 と言いヨネに触れ


【長】 「安らかなる眠りを、スリープ」


【ヨネ】「いや‥だ‥はは‥さ‥まの‥‥所に」


 と喋りながら意識を失い倒れ込み長はヨネを受け止めその場に横にし魔法陣を展開し


【長】 「すまんな転移」


 ヨネはその場から姿を消したのだった。


 そして残された長は大量の血が流れておりその場に倒れ込み


【長】 「ヨネ、この魔界を変えるのじゃ‥」


 と息を引き取り少ししてその部屋に来た人物は


【??】 「アイツが悪いんだよ!!僕は生きてやる。泥水をすすったりなんだってして生きてやる。そしてヨネ、お前は僕がころしてやる」


 こうして、名もなき地の地下の住民達は生き延びた者もいればそこで死んだ者達も沢山いたのであった。

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