第4話

 その頃ヨハネスは赤子を連れ先程いた所からかなり遠くまで来ており


【ヨハネス】「だいぶ離れたわね。けどまだ安心出来ない‥離れた場所からあり得ない程の魔力が突然と出現した。間違いなくあの男の魔力だと思う‥。このままだとこの子を守れない」


 と呟いていると、少し離れた場所から何かの気配を感じたヨハネスはその場所に進路を変えその場所に向かうと根本に隙間が出来ており、1人の大人の女性が震え隠れていた。


【女性】「殺さないで下さい!!何でも、何でもしますからお願いです殺さないで!」



【ヨハネス】「待って、私は殺したりしないわ!それよりも他の人達は?それに貴方は人間の姿をしてるけどその耳はまさかエルフ?」


【女性】「‥本当に殺さないでくれます?私は逃げ遅れたの。目を覚ますと誰もいなかった‥。いいえ多分だけれども私は仲間達から見捨てられたのだと思う‥。私が人間とエルフのハーフだから‥。」


【ヨハネス】 (この人に赤子を託せば‥もしかするとこの状況を変えれるかもしれない。これは賭けだけどこの人にカルタロスの子を託そう)

「殺さないわ。それに私が、この状況を救ってあげる。この元凶を引き起こした奴をこの場所から引き離すわ。だから‥この赤子を貴方に託したい。この赤子は私達にとって希望なの殺させる訳にはいかないの。だから条件のめるかしら?」


【女性】「えっ?この赤子を?それに希望って何ですか?」


【ヨハネス】 「‥この魔界をいつか変えてくれる人物です。それにその子もまた勇者と魔族の子供。貴方と同じ境遇の子なの‥。だから貴方に託したい。それに私はヨハネス。魔王様の幹部の1人です‥」


 と言い指輪を外して正体を晒す。


【女性】「この赤子が勇者と魔族の子?わからない‥何、何、何、何が起こってるの?そんなの信じろなんて無理な話しよ」


【ヨハネス】「‥信じれないのは分かってる。私だって今日知ったのだから。それに今、この赤子が魔王を殺そうとしてる者たちに狙われてるの。多分今の騒ぎはこの子を狙っての事」


【女性】「私が‥この子を託されたら私が標的になるのでないのです?私を囮に貴方は逃げるのでは?」


【ヨハネス】「‥そう思われても仕方ないです。ならこれならどうです」


 と言い放つと同時に自身の左眼を魔法で潰し女を見て


【ヨハネス】「これが私の覚悟です。この子を貴方に託す覚悟です!!そして追ってくる者を私に引き付ける覚悟です」


 潰れた目から血が垂れながらに言い放つ。


【女性】「そこまでしてこの赤子を‥。分かりました、ならこの赤子は私が引き取ります。けれど‥必ず生きてこの子を迎えに来て下さい。私はそれまでこの子を育てて行きますから。約束です」


【ヨハネス】「‥分かったわ。その約束は守るわ」


 と言い指輪をエルフの女に渡し


【ヨハネス】「私の名前はヨハネス。魔王様の幹部の1人ヨハネスです。後はお願いします!!」


 と言い放つと同時に翼を展開して魔法で偽の赤子を作り出し、その場を離れるのであった。


 残されたエルフは赤子と共に再び木の根のあいたスペースに戻り


【女性】「ヨハネスって人がここに気がついたのは私が魔力を消さなかったから‥。なら魔力を消し、このスペースにも魔力遮断空間を作り上げる」


 と言うと同時にそのそのエルフの姿が見えなくなるのであった。


 ヨハネスは凄まじい魔力をした人物がこちらに来ているのを感じ、出来るだけエルフがいた所から離れるように飛ぶ速度と魔力をわざと放出しながら飛んで行く。


 それに気がついたのか、巨大な魔力をした人物がそちらに勢い良く向かってくる。


 しばらくし、開けた場所に出たヨハネスはゆっくりと地面に降り立ちその巨大な魔力の相手を待つとその人物は現れ


【男】「ヨハネス、その赤子をこちらに渡せ!先程の知らね女からその赤子を受け取ったのか。それにその目はどうした?」


【ヨハネス】「さてね‥。それよりもあんたのその姿はまさか‥何でハクビと手を組んでる?」


【男】「利害の一致ってやつか。それよりもお前もこの姿を見たんだこのままここで殺してやるよ」


 と言い2人の戦いは始まり2日の戦いの末に決着がつくのであった。


 2日後、魔界の至る場所の上空にスクリーンが出現しそのスクリーンにハクビが映し出され


【ハクビ】「魔界の全ての者よ、突然の事で何事かと思うかも知れへんがたった今、魔王の首をこの俺が討ち取った。これが証拠だ!!」


 と言うと同時に魔王の首がスクリーンに映しだされる。


【ハクビ】「この魔界は死した魔王が作り上げた生ぬるい魔界だ。だから、人間どもに侵略され沢山の魔族達が殺される事になった。俺は、こんな魔界ではいずれ滅びると思い魔王をこの手で殺したんや。そして、今宵からはこのハクビが魔王と君臨する。異論があれば魔王城に責めて来るがよい。圧倒的力でそれを跳ね除け俺が魔界を新たなる魔界に作り変えてやる。無理だろと思ってる魔族共よ、俺の圧倒的力を今から見せてやろう。名もなき地を跡形もなく消し去る。刮目し俺の力を見るがいい」


 と言い放ちハクビは立ち上がり魔法陣を展開し何かを発動すると、スクリーンの画像が名もなき地を映し出し次の瞬間に名もなき地が光に包まれその光が消えた瞬間、名もなき地にあった森、水、家などが全て消滅し何もない平地に変わったのであった。


【ハクビ】「どうだ魔界の者共よ俺の力は?賢い奴なら歯向かう事はしないだろう。これよりは俺が魔界を支配する。俺の命令は絶対である。お前たちの領地にそれぞれ俺の配下を向かわせてる。そいつ等の指示に従え。その配下もまた俺と堂々の力を持ってるから、足掻いても無駄やで。では魔界の者達よご機嫌よ」


 と言いスクリーンが消えさった。そして魔界が作り変わって行くのであった。

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