第3話
魔王が先程までいた応接間に到着したサニーラスは中に入るも、そこには魔王の姿がなく
【サニーラス】「いない‥もう何処かに行かれてる。となると、自室か‥向かうしかないわよね」
と呟いていると、足元に何かを感じて咄嗟にその場から飛び退くと、先程までいた場所の足元から刃物と手が出現しており
【サニーラス】「この能力間違いないドロム!」
と叫ぶと同時に地面から笑顔で現れ
【ドロム】「ははは、流石はサニーラス。簡単に気付かれ避けられるなんて」
【サニーラス】「‥ドロム何故こんな事を?もしかして貴方はハクビに協力し魔王様を殺すの?」
【ドロム】「サニーラス、何故僕がここに現れたのかを考えればわかるよね?」
【サニーラス】「ドロム、考え直すならいまよ?こんな事をしてただでは済まないわよ?」
【ドロム】「確かにただでは済まないかもしれないね。けど、逆に言うとサニーラスを僕が始末し、ハクビが魔王様を殺せば関係ないよ。それに既にサニーラスは僕からにげれないよ」
【サニーラス】(‥ドロムが言う通り既に私はドロムの空間の中に誘導されていた。ここは応接間なんかではなかった。少し焦ったのが裏目にでた。さて‥どう対処しようかしら)
【ドロム】「サニーラス、考え事をする暇なんてあるの」
と言うと同時に、サニーラスの足元が緩くなりサニーラスは咄嗟に翼を展開し空中に飛び待機し
【サニーラス】「本当に厄介な能力。けど翼を持っている者にはその何でも緩くし抜け出せなくする能力は無駄でしかないわよドロム」
【ドロム】「ふははは!!サニーラス、君みたいな奴を僕がどれだけこの空間で殺して来たと思ってるの?対策がないとでも思ってるの?それに君はまだ気がついてないよ」
と言うと、サニーラスはドロムの足が無いことに気が付き咄嗟にその場から離れようとしたが、既に遅く翼からドロムの足が出現し、片翼を切り落とされサニーラスは宙にうまく留まれず地面に着地しながら
【サニーラス】「‥始めの攻撃の際に私の背中に既に空間魔法の印を寄与してた。流石は幹部の1人よね」
と言い放ち緩くなった地面に沈んで行き始める
【ドロム】「気付くのが遅いね。それでもカルタロスの次に最古参幹部なの?期待外れだよ。まぁ、ゆっくりと殺してあげるよサニーラス」
と言いサニーラスに近づいていくドロム。サニーラスは焦った様子はなく近づいてくるドロムに
【サニーラス】「新参の分際であまり調子をかかないことね。この程度の魔法なんてこうよ」
と沈んでいた右手の指を鳴らすと、地面が割れサニーラスは割れた底にゆっくりと着地しドロムを睨みつけ
【サニーラス】「私に本気を出させた事を後悔させてあげますわ!!今更、裏切り者には情はかけないわ。死んで後悔しなさいドロム」
と叫ぶと共にサニーラスから濃い殺気と魔力が溢れだしドロムが作り上げた空間が震え始める。その凄さに日汗が流れ
【ドロム】(なんだよこの魔力と殺気。こんなに凄いなんて知らないし、息が苦しい‥こんな所で死にたくない)
【サニーラス】「ドロム、どうしたのかしら?この程度の殺気と魔力でもう根をあげるの?私は本当に貴方には期待していたのだけどれども魔王様をも殺し得る貴方の能力に。その力があれば魔王様の後継になれる力を秘めていたのに残念だわドロム。貴方はここで死ぬのよ、さようなら」
と言い放つと同時にサニーラスは指から魔力の塊を作り出しそれを後ずさろうとしているドロムに放ち、ドロムは恐怖から立ち去れず今まさに当たろうとしたが何故かサニーラスの放った魔力の塊はドロムの横をかすめた。
【サニーラス】「どうしてあなたがここ、がふぅ」
と口から血を吐いた。そうサニーラスの背後にハクビが突然と現れておりサニーラスに手が貫通していたのだった。
【ハクビ】「どうしてだって?そりゃあ、ドロムでは無理だと思い密かに後を追跡してたわけよ!!そして隙を見せたからこうして背後から突き刺したまでだ」
と言い放ち手を引き抜くとサニーラスはふらふらしながら辛うじていきており
【サニーラス】「ありえ、ないわ。貴方から‥魔力を何も感じ‥なかった。なにを‥したの!」
それに自分の首を手で触り
【ハクビ】「これ何だ〜!!」
【サニーラス】「何故、そんなものを持って」
【ハクビ】「のんのんのん。死にゆく者にそれは教えれないんやで!!後は俺達が支配するんやで」
と言うと同時にハクビは魔力を手に纏いそれを横に振り抜くとサニーラスの首が飛び、地面を転がったのであった。
そしてハクビはドロムにゆっくりと近づき肩に手をやり
【ハクビ】「ドロム、あんたのお陰でサニーラスも排除に成功した。感謝やで!」
【ドロム】「‥もしかして僕ではサニーラスに勝てないこと始めから知ってたの?」
【ハクビ】「さて、どうやろうな。それよりもドロム、何をしてでも強くなるんや。魔王が死んでからは俺等が引っ張るんやからな。ほなな」
と言うとハクビの姿が消え、残されたドロムは唇を噛み締め
【ドロム】「くぅ‥‥何て弱さなんだ僕は。絶対にこれからは負けないから」
と言い空間を戻しその場から離れるのであった。
そんな中、ヨハネスは名もなき地の上空近くに到着しており辺りを見渡しながら
【ヨハネス】「ようやく名もなき地に到着‥。カルタロス様の子供はいったい何処に?」
と呟いていると凄まじい爆発音と共に火が自分のいる場所から近い場所でおこりあたりが燃え始め
【ヨハネス】「何?誰か戦ってるの?魔力の反応は全く感じなかった‥何が起こってるの」
と言いその場所に急ぎ行く事にした。
爆発が起こった場所では1人の人物が赤子を抱え足を引きずりながら何かから逃げながら
【足を引きずる人物】「はぁはぁ、はぁはぁ、何でここの場所がバレてる。それにあの男が現れたのに全く気が付かなかった‥。あり得ない‥」
【男】「おいおい、どこまで逃げるんだよ!!はやくその赤子を大人しく置いていけばお前だけは生かしておいてもいいぞ?」
【足を引きずる男】「黙れ!!この方は赤子はカルタロス様の大事な子」
【男】「あっそうかよ」
と言い放つと同時に赤子を抱えていた人物の足が片足何かに斬られ宙を浮きその人物は体制を崩してしまい
【足を引きずる男】「この子だけは」
と咄嗟に赤子を魔法で包み込みその場に滑りこけてしまう。
【男】「もう逃げれねぞ?そのままもう一人の赤子と共にこの世から消え去れよ」
と言い放ち何かしらの攻撃を抱えていた人物に放つもガキんと言う音に阻まれ
【男】「誰だ?お前はヨハネスじゃねな?誰だ!!」
と言い放つと
【ヨハネス】「あんたこそ何者よ!!」
(‥今の攻撃で片腕折れたわ。あり得ない馬鹿力に刀を高速で振るい振ったのが見えなかった。辛うじて防げたけど‥次は防げないかもしれない)
と思う。
【足を引きずる男】「だれです?けど助かったこの子を頼む。俺はアイツと道連れになり時間をかせぐ」
その男の人物を見て
【ヨハネス】(この傷では助からないと悟ってこう言ってるのね‥ならお願いするしかないわ)
「分かったわ。確かにこの子をお預かりいたします。ご武運を」
と言い赤子を受け取りその場から飛び立ち離れようとする。
【男】「逃がすわけねだろが!!」
と言い何かしようとするも、
【足を引きずる男】「させるものか!我が魂を持ってこの者を呪え。禁忌、
と言い放つと男の足元から黒い鉄が出現し男を囲った。男は
【男】「これが何だと言う?こんな物壊してくれる」
男はそういうと囲った物に何かをしたがそれが壊れる事なく
【男】「がふぅ」
と言い口から血を吐血する。また禁忌を発動した
【足を引きずる男】「ぶふぅ」
と口から血を吐血した。
口を拭きながら
【男】(何だこの鉄は?何故俺は血を吐血しなければならない‥この禁忌魔法はいったい何だと言うのだ!)
「この禁忌魔法は何だ?誰からこんな魔法を教わった?」
【足を引きずる男】「はぁ、はぁ、はぁ、誰が、はぁ、はぁ、喋るかよ。お前はここで俺と死ぬんだよ」
と言い男は魔法でその鉄を攻撃すると
【男】「何の真似、ぐふぇぇ」
と再び口から大量の血を吐血する男。禁忌を発動した男もまた口から血を吐血し、その場に倒れ込みながら
【足を引きずる男】「まだ、まだ、はぁ、はぁ、死ねない。あの方の赤子を逃がすまでは死ねない、頼む、もう少しだけ保ってくれ」
【男】(糞が!!何なんだよこの禁忌は!!あの赤子を逃がすわけにはいかね。はぁ、仕方ね解放するか)
と何かを決め
【男】「ζξ⊆⊇ζξζ⊆⊇ζξ」
と何かを呟き始めそれを聞いた
【足を引きずる男】「その言葉はまさか」
と言い放つと同時に辺りを白く包こんだのであった。
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