第20話 エピローグ
【松本ナツミの視点】
ナツミは大学卒業後、一般企業に就職。そこそこの大企業だ。彼女とは仕事の休みの関係で月に一回か二回程度しか会えないが良好な関係が続いている。
4股してきた元カレの事も忘れさせてくれるくらい寄り添ってくれた彼女だ。世間では女性同士の恋愛を認めない風潮がまだ根付いているがそんなこと気にならないくらいに充実していた。
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【中村カノンの視点】
カノンは大学三年生になった。今まで以上にバイトや就職活動、ゼミ等を頑張り、忙しい生活が続いている。あきらの事を完全に忘れたわけじゃないしまだ時々、思い出してしまうけどそれ以上に日々の生活を充実させ、少しずつ前に向かって歩いている。
もちろん恋人はいない。好意を寄せてくれる人はいたが、そんなに好きという気持ちがない状態で付き合うのは相手に失礼だと思ったし何より自分が同じことされて嫌だったからそのようなことはしたくなかった。
本気で好きになれる人。そんな人にいつかまた出会えるだろうと期待しながら日々の生活を送っていた。
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【山神あきらの視点】
あきらも大学卒業後はそのまま就職した。IT関連の仕事をしている。大学時代の友達とはほとんど縁が切れていた。むしろ自分から切っていた。
バイト先の人はカノンに酷いことしたという後ろめたさから、サークルの人はナツミを思い出してしまうからである。
少しずつナツミを忘れる努力をしている。いや、忘れなければならないのだ。だからもう会わないと決めていた。会ったらまたチンパンジーになってしまうからだ。これからどんな人と付き合ってもナツミが近くにいたら絶対に浮気してしまう。そんな予感がしていたからだ。
恋愛。それは脳に起こるシステムエラー的なもの。理性で抑えることはできないし、好きになったら言葉で言い表せなくなる。浮気は良くないことだが頭が追いつかなくなるのだ。
ならば、その原因を作る人とは関係を切ろう。次、もし自分を好きになってくれる人が現れたら。その人にはカノンのような思いをさせないためにも。傷付けないためにも。
でも心の中でナツミを忘れることはないだろう。俺は一生、心の中のナツミと浮気して生きていく。
本当に馬鹿だ。恋すると本当に馬鹿になる。
でもこれは全部ナツミのせいだよ。君が忘れられないから浮気しちゃうんだ。でも誰も傷付けたくない。だったらせめて心の中だけでも浮気させてよ。
こうなったのは全部君のせいなんだから。
浮気しちゃうのは君のせい yama @yamu1222
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