第4話 元カレとの再会
【松本ナツミの視点】
ナツミは就活の選考帰りに一人で夜道を歩いていた。すると目の前から見覚えのある男が歩いてきた。4股した挙げ句、話し合いもせず一方的に別れを切り出した元カレだった。向こうはナツミを見ると気まずそうに目をそらした。
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【山神あきらの視点】
あきらは友達と食堂でナツミのSNSを監視していた。
「ねえ!ナツミはお前がSNS見てること知ってるの?」
「知らないよ。」
「だったらやめた方がいいんじゃね?」
「もちろんダメな事だってのは分かってる。でも見ないと信用できないんだ。いつか振られるんじゃないかって不安で。だからどういうこと考えてるのかとか少しでも知って安心したいんだ」
あきらはそう言ってナツミのSNSを見ていると二日前の
゛4股して問い詰めたらそのまま話し合いもせず、一方的に別れを切り出した元カレと偶然会っちゃった、、話してないけど思い出したくないこと思い出しちゃって最悪…゛
という投稿を見つけてしまった。あきらはこれを見て元カレに気持ちが戻ってしまうのではないか、戻ってしまう前に自分が彼氏としてできることはあるのだろうか必死に考えた。
その後、ナツミと夜ご飯を一緒に食べたがナツミはいつもより少しソワソワしていた。平常心を装っていたが明らかに少しおかしい。元カレと再会したからだと知っていたが、相手を安心させるために聞いてみた。
「どうした?何かあった?」
「ううん。ちょっと就活関連のこと考えちゃってた。ごめんね。」
あきらは嘘つかれてることを知っていた。でもSNSの監視がバレるから問い詰めなかった。ナツミへの疑惑は心の奥にしまいつつ、自分の事を信用して話してくれない態度にショックを受けていた。
その日の夜、あきらは後輩のカノンとご飯行く場所を決めるためにラインでやり取りしていたが
「ごめん。文章でやり取りするの疲れるから電話してもいい?」
と聞いた。
(何故だかは自分でも分からない。ナツミの気持ちが分からないことや元カレと再会したことで捨てられるんじゃないかという不安を紛らわせたかったのかもしれない。電話して楽しい話すればナツミの事を考えずに済む時間が作れると思ったのかもしれない。)
そんな気持ちで普段、異性とは一切電話をしないあきらが自分から電話に誘った。
「いいですよ!」
ご飯行く場所を決める名目で行った電話は話が盛り上がり、2時間ほど続いた。
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