第6章

朝食も食べ終わり 部屋に戻っている時。エリザベス1世が廊下のソファーに深く座っていた。


総監「あれエリザベス。どうしたの?」

エリザベス1世「どうしたも何も。私はもう一定の人達から信頼を得たからのんびりしてただけ。」

総監「誰から?」

エリザベス1世「何だっけ。秀吉とかその辺。イチコロだったよ。チョロいね。」


秀吉さん...あの人そんなにチョロかったんだな。呼び捨てにされてるし。


エリザベス1世「まぁ余裕だったよ。総監も私陣営に付く?」

総監「えっ俺も参加するの?」

エリザベス「もちろん。今や皆参加してるよ?ここにいる人。」

総監「まだ二人くらい話して無いから それからにしようかな。」

エリザベス1世「そっか。まぁ頑張ってね。」


エリザベス1世と別れ 残りの二人を探す。だが一向に会わない。すれ違いにしては会わなすぎる。


総監「信玄。エカチェリーナかバートリー見なかった?」

信玄「バートリーなら見たが...アイツは関わんない方が身のためだぞ。」

総監「そっか..。ありがとう。何処で見た?」

信玄「マジかよ。多分書斎にいるぞ。」

総監「総監って言う立場上 関わんなきゃいけないからさ。行ってくる。」

信玄「おう。」


書斎に向かう。何気に入るのは初めてかもしれない。扉を開けると 夥しい程の本棚があった。そしてその中に一際目立つ赤いドレスが輝いている。


総監「バートリー。何してるの?」

バートリー「総監。丁度良い。本を探せ。」

総監「は?」

バートリー「は?では無い。我の命令だ。」


少しキレそうになったが抑える。


バートリー「どうした。動きたまえ。」

総監「いやタイトル言ってよ。」

バートリー「護戮天戮だ。探せ。」

総監「はいはい。」


取り敢えず探すが この書斎から本を見つけるのは不可能に等しい。似たようなタイトルはあるが 肝心のそれが無い。すると


バートリー「あったぞ。」

総監「あっそう。良かったね。」

バートリー「下がれ。一応感謝はするぞ。」

総監「はいはい。」


足早に書斎から出る。信玄の言う通りだ。まさか初対面でいきなり命令されるとは思わなかった。


総監「懲り懲りだな...。」


そこへ偶然にもエカチェリーナが来た。


エカチェリーナ「どうした総監。顔が死んでいるぞ。」

総監「...バートリー。」

エカチェリーナ「...成る程な。納得だ。少しゆっくりしようではないか。昼食でも取ろう。」

総監「ありがとうエカチェリーナ。」


二人で食堂へ向かう。良かった。エカチェリーナが変な人じゃ無くて。食堂へ着くと ダヴィンチやニュートン達が雑談していた。


ダヴィンチ「あっ総監!...総監..。」

エカチェリーナ「知り合いか?」

総監「う..うん..。」


ダヴィンチから物悲しそうな雰囲気を感じる。


エカチェリーナ「そうだ総監。余に一度指令をさせてはくれぬか?余も以前総監を務めていた事があってな。」

総監「エカチェリーナも総監してたの?分かった。でもさダヴィンチ達と話して来て良い?先に訓練室行ってて?」

エカチェリーナ「了解した。」


一度エカチェリーナと別れ ダヴィンチ達の方へ向かう。


ヴァスコ「総監。決めた?」

総監「何を?」

ダヴィンチ「誰を女王に選ぶかって。私とミケランジェロはもちろんパトラかな~!」

ミケランジェロ「昔からの友人ですからね。」


雰囲気からして クレオパトラを女王に選ぶ人が多いらしい。確かにあの煌びやかなオーラは圧倒された。


ヴァスコ「てかさ。女王に選ばれたからって何するんだろうね。」

クロムウェル「称号か何かだろう。」

ニュートン「なるほど。」

ダヴィンチ「総監は誰にする?」

総監「選ぶならバートリー以外かな...。」

ジャンヌ「同感です...。」


少し雑談した後。コロンブスを連れて行く。


コロンブス「ねぇ。アタシ何されんの?」

総監「エカチェリーナが指令したいらしいから 指令されて貰う。」

コロンブス「そゆ事?エカチェリーナなら...まぁ良いけどさ..。...え待って私実験台?」


コロンブスも納得してくれた様だ。絶対に納得してくれてる。そうに違いない。しばらく歩き 訓練室に入る。


エカチェリーナ「ほう。余はコロンブスを指令すれば良いのか?」

総監「そう言う事。」


イヤホンを外し 消毒綿で念入りに拭いてからエカチェリーナに渡す。


エカチェリーナ「使わせて貰うぞ。」

コロンブス「じゃあエカチェリーナ。頼んだよ。」


エカチェリーナは慣れた手付きでイヤホンを付ける。訓練室のスイッチを押すと 仮想世界が広がり 仮想の敵が現れる。


エカチェリーナ「コロンブス。突き進みたまえ!」

コロンブス「了解!」


コロンブスは水魔法の使い手の様だ。敵を一掃して行く。そしてエカチェリーナも飛んでくる矢を的確に避けさせる。もう総監の立場を任せたい程だ。


エカチェリーナ「最後の一体だ!全力を尽くせ!」

コロンブス「了解だよエカチェリーナ!」


コロンブスが最後の一体を倒した所で 仮想トレーニングが終了した。


総監「お~..。」


思わず拍手してしまう。心根しかコロンブスも楽しそうだった。


エカチェリーナ「さて。余の指令はこんな物だ。やはり総監には敵わぬな。」

総監「いやいやいや。エカチェリーナに総監やって欲しい位だよ。」

コロンブス「久々にこんな動いた。ねぇ 帰って良い?」

総監「良いよ。ありがとうコロンブス。」


コロンブスを見送った所で 総務から連絡が来た。


総務『施設の7階にG.Pが大量に侵入した。大至急7階へ上がれ。』

総監「っ!?エカチェリーナ!7階へ!」

エカチェリーナ「えっなっ待っ 待て!余を置いて行くな!」


いそいで7階へ駆け上がる。扉を開けると そこにはやはり施設内へ侵入したG.Pが大量にいた。そして皆も来た様だ。


総務「物はいくら壊しても構わん!G.Pを倒せ!」

バートリー「総監。我を指令しろ!」

総監「あ~...分かった。バートリー。突撃しろ。」

バートリー「何だそのやる気の無い指令は!」


だがバートリーは持ち前の魔法でG.Pを一掃する。その攻撃力は皆と比べても桁外れだ。それを見てちゃんと指令しようと思った。


総監「バートリー!正面の五体をやれ!」

バートリー「良いだろう!」


そしてバートリーは無数の鋼鉄の棘と血を固めた刃をG.Pに向けて放つ。するとG.Pは身体中に穴が開き 消滅していった。


秀吉「どうなってんだ...。侵入出来ない筈だぞ..。」

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