第6章

クレオパトラ「総監よ。この中で一番 ❮女王❯ に相応しいのは誰だ?」

総監「えっ女王?」

クレオパトラ「そうだ。」

総監「まだ皆の事よく知らないからな...でもそれらしいのはクレオパトラじゃない?」


その言葉にバートリーが反応した。


バートリー「待て。我を差し置いて女王らしいとは何事か?」

エカチェリーナ「余も賛同する。これは聞き捨てならん。」

エリザベス1世「私も。決闘でもする?」

クレオパトラ「決闘か...良いだろう。」

バートリー「ほう? 面白い。では一騎打ちだ。」


エリザベス1世「待って待って。女王らしい戦いにしよ。振る舞いと人望。この二部門のうち一つを選んで勝負。勝った人が女王でどう?」

エカチェリーナ「異存はない。」

クレオパトラ「良かろう。妾も賛同する。」


四人は去った。何やらとんでもない事が始まりそうだ。取り敢えず朝食も兼ねて食堂に向かう。


総監「お腹空いたな...。」


ビュッフェ形式のため 好きな物を取れる。奥では謙信と政宗さんが一緒に朝食を選んでいた。


政宗「謙信。...そんなに取らなくても誰も奪わないぞ?」

謙信「わっ..私の好きな様に食べさせろ..。私は私の食べたい様に食べるんだ!」

政宗「顔が赤いぞ。ふふっ..照れを隠さなくても良いんだからな?女同士..仲良くやろう。」


意外と仲の良さそうな二人。それを見ながら 金目鯛の煮付けと味噌汁,麦茶を取った。特に一緒に食べる相手もいないため ぼっちで朝食を取る。その時。


?「前良いか?」

総監「えっ あっ どうぞ。」


見知らぬ男性が前に座って来た。気まずい。


?「すまない。女性ばかりで気まずくてな。」

総監「...貴方は?」 


すると男性は答えた。


アレクサンドロス「俺はアレクサンドロス。...まさかお前が総監か?」

総監「うん..まぁ..。」

アレクサンドロス「すまん。無礼を働いた。話は変わるが...クレオパトラを見なかったか?」

総監「さっき訓練室に向かってたけど 知り合い?」

アレクサンドロス「知り合い...同期だ。いるならそれで良い。喧嘩を起こされたら困るがな。」

総監「今喧嘩中だよ。」

アレクサンドロス「なっ..」


アレクサンドロスが固まった。


アレクサンドロス「どうせあれか...女王が何たらみたいな..。」

総監「そうそれ。」

アレクサンドロス「あれに絡まれると面倒なんだ..。別にパトラが嫌いな訳では無くてな。性格は女王らしく 気遣いが出来るんだが...我儘なんだ。」

総監「我儘?」

アレクサンドロス「ああ。前には馬を貸してくれだの剣を貸してくれだの...はぁ。」


すると食堂へクレオパトラが入って来た。そして目が合うなり 歩いて向かって来る。


クレオパトラ「アレクサンドロス いたのか。一つ問おう。妾の良い所は何だ。」

アレクサンドロス「性格と容姿。」

クレオパトラ「そうか...ふむ...では妾の悪い所は何だ。」

アレクサンドロス「人の物を借りすぎる事。」

クレオパトラ「なっ...そうか...すまなかった..アレクサンドロス。だが参考になった。感謝する。」


彼女は去った。多分意見が欲しかったのだろう。


アレクサンドロス「あんな感じだ。さて。俺は戻る。ありがとう総監。随分充実した会話だった。」

総監「此方こそ。」


クレオパトラは割りと変な人かもしれない。

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