第6話 バルーンちゃんは殺したい!(2)

 「もちろん!!仲良くしましょう!」

 

 テンはウッキウッキだ。自分に春が訪れたと思い込んでいるから。


 そして、セイとリンも物陰に隠れながら同じことを考えていた。


 「いや〜よかったね〜テン。」


 物陰に身を潜めていた、セイとリンが出てきた。


 「えっ?用事は?」


 「そんなことより、バルーンちゃんだっけ?」


 「はい、そうです」


 「これから仲良くしようね!色々教えてあげる!このテンがね!」


 リンは全てをテンに振る。


 「まぁ...わからないことがあったら聞いてね、多分教えてあげれるから」


 「テン君、ありがとぉ」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  バルーンと出会ってから一週間が経つ。


 彼女と話している内に色々なことをしれた気がする。


 地方出身のことや、自分世代のトレンドを知らなかったり、そこも可愛いところだと思う。


 いやいや、まだ好きとかじゃないから、知り合ってまだ一週間だよ!


 でもまぁ、彼女からまたグイグイ来てくれたら、話は別かな。


 「ふ〜ん。そうなんだ。じゃあ好きってことだね!」


 「いや、違うって!」


 「好きじゃん」


 テン、セイ、リンの三人は寮の部屋に集まり、会話を弾ませていた。


 マットの寮は二人一部屋で、テンとセイは特待生なので同じ部屋なのである。


 そこにリンがお邪魔してる形だ。


 「で、なんでバルーンちゃんいないの〜」


 「今日は一人で、出かけたいって言ってたよ。」


 リンの疑問にテンがさっと答える。


 「ちゃっかり、連絡取ってんじゃん。」


 「連絡は取るでしょ、普通。え?取らない?」


 「取るけどさ、そういうことじゃないでしょ。」


 セイはテンとの会話に呆れつつも笑みが溢れる。


 そして、楽しい時間はあっという間にすぎて行くのだ。



 スマホがなる。


 電話だ。


 「もしもし_____。」


 「パラボックスはどうした、遅いぞ。」


 「まぁまだ手がかりは掴めてないけど、奪った奴らとは仲良くなったよ。」


 「仲良くなる暇があるなら、探せ....」


 「はい、おじーちゃん」


 「もしもの時は...」


 「もしもって、私に一回も。じゃーね」


 電話を切る。


 「さすがに、このままじゃよくないよね。まぁ二週間後とかかな、早くて一週間後にやっちゃいますか」


 電話を切り、バルーンはマットにある池のほとりで思考していた。


 場所は変わり、謎の教会のような場所へ。


 「バルーンがパラボックスを取り返すか、わからなくなってきた。しかも、あいつは______。だから、お前らもいつでも行けるように準備しておけ、そしてそのために、保管されてるの使用を許可する。期待しているぞ、「ツキニュ」、「フィネス」。」


 

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