第5話 バルーンちゃんは殺したい!

 (キタキタキタ!!!)


 バルーンは想像よりも簡単にテンを落とせたことに心でガッツポーズをした。


 「ちょっとぉ、お話しできますかぁ?」


 「もちろん、大丈夫ですy...」


 「テン!!!」


 言い切る前に、セイがテンの名前を呼びながらこちらに駆け寄って来る。


 (オトコォォォ!!!!でもちょっとタイプかも(トゥンク))


 「テン、こちらの人は?」


 「あっ、この人はね..」


 「初めまして!バルーンって言います!」


 (さっきとテンション違う...?)


 テンがそう思考するのも束の間、こんどは手を振りながら、リンが三人の元へやってくる。


 (あっ、あれはあのオンナァァァァァ。まぁテン君じゃなくても、こっちの青髪イケメン落としちゃうからねっ!まぁいいか)


 心でムフーとした後にセイの方を向くと、リンがセイの腕を取り、無意識にも自分の胸に当てている。


 (!!!!??????)


    ガーーーーーーーーーーーン


 (テン君とくっついてんじゃなくて、そっちかよ!死ね!)


 「あれー?さっきの人じゃないのー?」


 「そうですぅ、テン君と話したくてぇ」


 「あぁ」


 (テン、やったじゃん!)


 「じゃあ私たちは用事あるからバイバーイ」


 「あ、ちょっと」


 リンはセイの腕を強引に引っ張りどこかへ行ってしまった。 

  

 二人の間にわずかな沈黙が流れるがすぐに


 「話戻りますけど、お話しってなんですか?」


 「実はぁ、テン君と仲良くなりたいですぅ!」


 バルーンが少し赤面(嘘)しながら言う。


 物陰に隠れて、ハイタッチをするリンとセイの姿もあった。

 


 

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る