第7話 バルーンちゃんは殺したい!(3)

 「うわ〜!!なにこれ!?美味しそうです〜!」


 翌日、テン、セイ、リン、バルーンの四人は休日なことを期に、バルーンが食べたことなさそうな食べ物をご馳走しに、カグラの街へ出かけていたのである。


 「これはピザっていうんだよ。リン好きだったよね」


 「うん!好き!セイと二人でピザパーティしてから好きになった〜」


 「なんか、懐かしいな。」


 「まぁ、それはさておき、どう?美味しい?」


 バルーンは一口かじりつくとチーズを伸ばしながら目を輝かせる。


 「おいしい!おいしい!!!すごい!!ごほっ...!ごほっ...!」


 「大丈夫〜」


 「はい、美味しすぎてむせちゃいました。えへへ」


 (かわいいな)


 どうやらバルーンはピザを気に入ったようだ。


 その後はみんなで取り分け、楽しく食べ、会計を済ませて店をでた。


 「バルーンちゃんまだ食べれる〜?」


 「はい!まだ少し食べれます!」


 「じゃあ甘いの食べに行こうか。」


 こうして、四人が向かった先は、


 「着いたよ、バルーン。」


 「ここは?」


 「わたあめ屋さんです!」


 バルーンは手を店の方へ向けて、笑顔でジャジャーンと言うジェスチャーを取る。


 「買ってきたよ、四つ」


 「はやくない!?」


 セイは三人が話してる間に、人数分のわたあめを買ってきて三人に渡す。


 「なにこれ?」


 「とりあえず食べてみなって、バルーン」


 「わかったよ、テンくん」


 バルーンが一口頬張るとまたもや、目を輝かせ


 「軽くて、甘くて、美味しい!これだったら何個も食べれそうだよ!ありがとう教えてくれて!あっ、タメ口になっちゃった。」


 「いいよ〜、私たち同級生だし、友達でしょ〜」


 「そうだよ、仲良くしようね。バルーンさん。」


 「これからも色々なところ行こう。」


 「みんな、ありがとう!!」


 この瞬間だけ、バルーンは自分自身の本来の役目を忘れ、本気で幸せだと感じてしまった。


 (これが、青春っていうやつなのかな、楽しいな)


 しかし、この幸せは当然ながら一生は続かない。


 

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