第6話

「そんなら次はワシらの番か。見ての通り柏原組っちゅうトコのもんや。しかしまんまヤクザ『チーム』とか言われたらかなわんから、オッサン『チーム』くらいにしといてくれや。①数字のヒントを言わんでええならワシらもそうするわ②まあ最初から暴力で子供らに言う事を聞かすつもりはないからそこは安心せえや③それとサッカー『チーム』全員の生還やったか? もちろん請け負うたるで」


 オッサン『チーム』も数字は伏せたままだ。交渉を有利に運ぶには当然の判断だろう。これで『チーム』は3つに別れることになる。そしてサッカー『チーム』を自分の側に取り込むために彼らの生還保証を明言するのも忘れない。


 しかしここで濃紺のスーツの男が口を開く。

「ちょっと待てクリハラ。オレはお前らとは組まないぜ。一人でやらせてもらう。もともと仲間って訳じゃないんだからな」

「何やとコーセイ? そんなんでええわけあるか!」

「お前の『チーム』に入ったら真っ先にオレを切るんだろう? その手に乗るかよ。①オレの数字は小さい②だからこそのケンだ。『パス』も最大限使わせてもらう」

 コーセイの言葉にクリハラが顔を歪める。

「チッ! しゃあない、まあええわ……そんでも『パス』が無うなったら【天秤】行きを覚悟しとけや!」

「ああ……それとな、③誰か知らないがこの中にカードを2枚引いた・・・・・奴がいる。そいつには気をつけるんだな」

「は? そ、そりゃどういうこっちゃ!」

 コーセイの言葉に全員が彼を見る。

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