第2話

 なんだろうか。この感覚は。


 背徳感でも解放感でもない。

 

 それに似たような何かが、腹の底に根付いているような?


 不思議な感覚。


 ただ夜の暗がりを歩いているだけというのに。



「あぁ、いい気分んだ」



 そう──このなんとも言えない感覚を例えるなら、壁をすり抜けて楽しむあの少女のような心持ちだろう────か????


 えっ。

 待てよ。


 どういうことだ、それ。


 自分で例えておきながら、全く意味不明だ。


 

 

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