第26話

彼女と最後に話したのは、突然かかってきた、知らない番号からの電話だった。


日課になっていた、瞳との電話の時間になったので、通話をかけようとしたときに、鳴ったので、思わず画面をタップしたときに、電話に出てしまったのだった。


「光!ひかる!助けてぇ!」悲鳴に近い声が聞こえただ事でない事が分かり


一瞬、思考が止まる。がすぐに


「どうした!?綾華⁉」と言葉が出る


少し沈黙の時間が流れたあと


男性の声が聞こえてきた。


「君の親からお金が二月も送られて来ないからさぁ、君の大切な人であり、お金持ちでもある、この子を使って、お金儲け、させてもらうね」


「僕の両親からお金?どういうことですか?」


「知らないの?二人共、僕たちから、クスリ買ってたんだよ、」


「なのに、滞納ばっかで全然払ってくれないし、もう連絡も取れないから、代わりに君にと思ったんだけど、払えるわけないから社長令嬢を誘拐して身代金を手に入れようってこと」


「やめてください綾華を返して」


「無理」


努めて冷静に返答する。

「では何故、僕にわざわざ連絡したのですか?」


「それは、やって欲しい事があるから、達成できたら、綾華さんは、返してあげる。できなかったり、そもそもやろうとしなかった場合は、君と綾華さんの命はない」


「何をすればいいですか?」

もう、綾華のために、できる事をやるしかないそう思い言葉を繰り出す。


「この誘拐の犯人になって欲しいんだ。やり方は、君に任せる。」


そう言って電話は切れてしまった。

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