第25話

光は、二重人格で間違いないだろう、

彼の家からの帰り道、心のなかで私はそう確信する。


人を見る目があるわけではないが、あれが嘘をついているようには思えない。


それに、彼は彼を殺そうとしたのだ、それなのに

あっさりと私の前に姿を表して

何の動揺もしずに私と話して、口止めをすることもなく家に帰した。


覚えがないからに違いない。


二重人格になった理由は、恐らく綾華を殺してしまっだからだろう。

好きな人を殺してしまったから、それを認められず、出てきた人格だろう。

だから、綾華のような話し方になっていたのだろう。


そして、自分の保身の為に、私を綾華殺しに仕立て上げようとしているとのではないか。


というのが私の推測だった。


この考えを瀬戸さんに話そう

退院するときに、瀬戸さんに

「何か気付いた事があったら連絡してね、どんなことでもいいから」

と言われて渡された、連絡先が書いてあるこの付箋を使うなら今で間違いない。


瀬戸さんに、感謝の言葉を伝えるのにもちょうどいい。


付箋の番号を入力して、電話をかけるとすぐに

瀬戸さんはでできた「何か気が付いたことでもあった?」


「もしかしたら光は二重人格かもしれないです。」


「詳しく聞かせて、電話でもこんな話するのは何だから、B町の駅の近くのカフェで話そう。今日は少し忙しいから、明日9時ぐらいでいいかな?」


「大丈夫です。宜しくお願いします」




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