詩 お題「肌」

お姫さまと王子さま


 幼いころ

 君はお姫さまになりたいと言ったんだ


 だからわたしは

 君のその白く透き通った肌を守るために

 女の子であることをやめて

 王子さまになろうと決めたんだよ


 君のために強くなろうとしただけなのに

 強さを求めるわたしの背中には

 いつもまにか影ができてしまった


 気がつけば

 多くの人に慕われるわたしのそばに

 お姫様はいなくなっていた


 君はお姫さまをやめてしまった

 わたしが一番大切にしたい人だったのに

 わたしの顔を見て悲しそうな顔をする


 その柔肌を濡らしながら

 自分がお姫様であったことすら忘れた君に

 わたしはどうすることもできずに

 胸に秘めた想いを告げてしまう


 わたしはただ君を守りたくて

 強くなろうとしただけなのに

 その肌に触れることを夢見て

 強くなろうとしただけなのに


 王子さまを目指したのは

 間違いだったのだろうか


 あの輝かしかった白い肌のお姫さまを

 愛したかっただけなのに

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俳句・短歌・詩 犀川 よう @eowpihrfoiw

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