第6話:片想いって?・・・。

次の朝・・・リボンちゃんに愛が目覚めてることを期待して僕は目覚めた。

実は期待してなかったけどね。


「おっはよう圭介さ〜ん」


「おはようリボンんちゃん」


リボンちゃんは朝が来るのが待ち遠しかったようやたらテンションアゲアゲで

僕を起こした。

愛に目覚めてくれたのかな?・・・でもそんなに急には無理だと思うんだけど・・・。


もしかして?って期待するよね、実は期待してないけど・・・。

で、ハグされてチューされた・・・ほっぺに・・・クチビルじゃなくて。


だから僕は自分のクチビルを指差した。


「え?・・・そこ?・・・そこにして欲しいんですか?」


「だって昨夜、頑張るって言ったじゃん」


「だって〜まだ愛に芽生えてないですもん」


「え〜じゃ〜今朝のテンションの高さはなんなの?目覚めたからじゃないの?」

「めちゃ期待しちゃうじゃん」


「無理です・・・頑張っても閃かないんです」

「そんなに早く気持ち切り替えられるもんなの?言ったの圭介さんですよ?」


「だから、無理だって思ったんだよ」

「そもそもの考えが間違ってるんだからさ」

「芽生えなくていいから、とりあえずここにチューして、ここ」


「まだダメです」


「いいじゃん・・・ほっぺたからクチビルまで数センチ移動したらいいだけ

でしょ?」


そのわずか数センチが遠いものなんだってその時、僕は知った。


「クチビルにチューはもう少しおあずけです」


「つまんないの・・・ 」


「なんですって?」


「なんでもないです・・・」


(なんか日増しにだんだん強くなってないか? 最初っから尻にしかれてるじゃん

なんで愛情もない女の尻に敷かれなきゃいけないんだよ)


「誰が誰を尻に敷くですって?」


「え?何も言ってない・・・言ってないよ」


「ちゃんと聞こえてますよ」


「なんで愛情もない女の尻に敷かれなきゃいけないんだよ、って言いましたよね」


「それは心の中で・・・え?・・・うそお」


「私に悪口や隠し事やはできないんですからね」


「僕の心の中が読めるの?」


「誰の心でも読めるわけじゃありません」

「読めるのは私が好意を持った人の心だけです」

「私の圭介さんに対する愛情が芽生えつつあるからなんだと思います」

「好きでもない人の心までは読めませんからね」


「そうなの、頑張ってくれてるんだ」


「そうですよ・・・圭介さんへの想いが完璧になるまで時間が必要なんです」


「それがよく分かんないんだよな・・・」


「でもいいですか?圭介さんが文句ばかり言ったり私に対して冷たい態度を取ったり浮気したりしたらその時は救済も彼女も愛情も解消しますからね 」


「浮気って・・・なに言ってんの?」

「僕たちまだ恋人どうしでもないのに矛盾してるよ?」

「まるで僕の彼女か嫁さんみたいなこと言ってるよ」

「君と僕ってはっきり言ってまだ他人同士だからね」

「そもそも人を好きになるのに、これからとか頑張るとかそういうもんじゃ

ないだろ?」


「・・・ですけど・・・努力してるんですよ、これでも」

「私が圭介さんのこと嫌いだったら、とっくにエボンリルに帰ってます」

まあたしかにエボンリルに帰りたいから圭介さんに優しくしてるところあるのは

たしかですけど・・・」

「それっていけないんですか?」


「人に優しくするのはいいことだと思うけど」

「君が愛に芽生えてくれないままだと僕は全面的に片想いのままだからね」


「片想い?・・・片想いって?・・・・ああ・・・そうなん・・・」


「リボンちゃんに会った時から僕の恋ははじまってるんだ」

「君を想ってるよ・・・愛しいって想ってる、だから余計切ないんだ」

「ずっと想ったまま、一歩通行なんて辛すぎるよ・・・」


「・・・・一方通行?」


「圭介さん・・・圭介・・・来て・・・」


リボンはそう言うと自分から圭介に近寄って優しくハグした。


「リボンちゃん・・・ど、どうしたの?・・・え?」


「私、今キュンで来ちゃった」

「目覚めました・・・たった今、芽生えたの私の愛が・・・」


「え?・・・そんないきなり?」

「ってか、何で泣いてるの?リボンちゃん」


「いいの・・・今の圭介さんの言葉で私一気に圭介さんにハマっちゃった」

「私、嬉しい・・・そんなに想われて・・・圭介さんのことだいだい大好きに

なっちゃった」


「絶対、片想いなんてそんな悲しい想いさせない」


「うそ〜・・・まじで?・・・極端な天使」


とぅ〜び〜こんて乳。




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