第5話:愛って?

「愛のないハグやチューはいらないよ」


「愛ですか?」

「そうなんですね・・・私に圭介さんに対する愛情があればいいんですね」


「分かりました、私、頑張ります」

「今夜はさすがに心の準備が必要ですから、明日の朝までに完璧にして

愛情たっぷりで起こして差し上げますから・・・」


「そんなに早く気持ち切り替えられるもんなの?」

「一晩寝たからってすぐに人を好きになれるとは思えないけど?」


「う〜ん、どうでしょう〜・・・たぶん大丈夫って思いますけど・・・」


「なんだか不安だな」


「じゃ〜どうしろって言うんですか?」

「文句あるなら救済も彼女も解消しましょうか?」

「私はいいんですよ、最終的に救済できなくても無理にでもエボンリルに

帰ったっていいんですから・・・一級天使に昇格できないだけですから・・・」


(わ〜〜〜〜?開き直った?)


「いやいや、ごめん・・・文句言って・・・君はち〜とも悪くないからね

僕が全面的に悪うございました」

「リボンちゃんの思ったようにしてくれていいです」

「愛情がないなんて文句言って、甘えるなって言いたいよね」

「なに言ってんのって感じだよね・・・あはは」


「どんなことも準備って必要なんですからね・・・分かっていただけたら

それでいいんです」

「じゃ〜明日の朝からってことで、いいですね?」


「うん、いいんじゃないかな?」


「あのね、私をバカにしてるかもしれませんけど、愛については私だって

よく知ってますよ」

「一目会ったその日から恋の花咲くこともあるって」

「その人を見た瞬間に愛が芽生えることだってあるんです」


「あ〜それは分かるよ・・・俺自身、はじめてリボンちゃんを見た瞬間

金縛りにあったみたいに固まって、でもって魔法にかかったみたいに君を

好きになっちゃったもん・・・あの時、僕の瞳はハートマークだったんだよ」

「ハートマークになってたでしょ?・・・見えなかった?」

「ことあるごとに僕の目からラブラブ光線出てたでしょ?」


「ラブラブ光線?って、なんですか?」


「だから君のこと好きです〜って目から愛の光線出してたの?」


「見えませんでしたけど・・・」


「そういうのはフィーリング・・・感じるものなの!!」


「面倒くさいんですね・・・」

「そう言うのはちゃんと言葉にして言ってくれなくちゃ分かんないです」


「じゃ〜言うよ、君のこと好きだよ、僕はリボンちゃんのこと誰が何と言おうと

愛してる・・・」

「今更、告るってさ・・・ちょっと鈍くない?リボンちゃん」


「分かりました・・・それが圭介さんの気持ちですね・・・いきなりだから、

ちょっと戸惑ってますけど前向きに対処したいと思います」


「いやいやいきなりじゃないって・・・」

「対処って・・・僕の気持ち告白したんだから、全面的に受け入れてよ」

「それだって救済だよ」


「あ、そうですね・・・分かりました、圭介さんの気持ち全面的に受け入れます」

「じゃ〜私も愛と救済のために頑張って明日の朝までに愛に芽生えなくちゃ」


(ち〜とも分かってないじゃん・・・そういうのって頑張るとかそういうもん

じゃないんだよリボンちゃん)

〈形じゃないんだ、そういうのは心の奥から湧き上がってくる感情なんだよ)

(作ろうと思って作れるものじゃないんだ)


とぅ〜び〜こんて乳。



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