鏡:あり得ない…。

 私にとっての「黒歴史」。

 さて、お読みいただく皆様へ、「序の口じゃん?」「大丈夫や」「あるあるじゃん」って…暖かい目で見守って頂けましたら幸いで…ありまする(ぉぃぉぃ…)。


 黒歴史度:★★★★★

 

※ ※ ※


 忘れもしないその日は、猛烈に雪が降っていました。


 あの日は、雪の影響で千歳空港で足止めをくらい、空港で一か八か羽田からの到着便を待つか、市街に戻り札幌で一泊するかの決断を迫られた浬さんは、市街に戻ることにしました。

 戻る電車の中で会社に連絡を入れ、ビジネスホテルを用意してもらい、やっと暖かい部屋を確保することができた、そんな日でした。


 部屋にはベッドが2つ。ビジネスホテルの簡素なイメージとは違って、家具も部屋の雰囲気もおしゃれな造りをしています。


 壁には全身を写す鏡が。これは女性にとっては嬉しいサービスですね。お化粧もスーツの着こなしもこれでチェックできるのです。


 ゆっくりとお風呂に入り、体を芯から温めて鏡でボディチェック! お部屋も暖かいしここは天国です。


 ぷにぷに、ぷにぷに。


「お腹にお肉がついたなぁ~。それにしても、今日のお客様の胸…でかかったなぁ~」


 な~んて…鏡の前で寄せて上げて、お客様の胸の谷間の再現を試みます。いやぁ~無理ですわね。


「えっ? 皺が…」


 今度は顔の皺が気になってしまって、目元、口元をチェックします。乾燥は肌には大敵。こんなこともあろうかとお泊まりセットを常備していたので、しっかり保湿します。


 翌朝。


 目が覚めると明るいのです。電気ではなく太陽の光が部屋に差し込んでいるのです。

 

 そう、そうなのです。


 鏡だと思っていたのは、窓だったのです。

 夜だったから、部屋の明かりで鏡のようになっていただけだったのです(汗)


 浬さん、その前でお風呂上がりのアノ状態で、顔、体、胸の谷間をチェックしていたのです。


 しかも窓の外はファッションホテルのエントランス。価格の看板が目に飛び込んできました。


 それだけならまだしも…ちょうど出てきたカップルと目が…。


 いやぁぁぁぁぁぁぁ!

 はっと気づく浬さん。まだスッポンポンだ…。

 ちーーーーん。


 鏡は鏡じゃないよ、というお話。

 そして…一人だったとしても、油断大敵だよ! というお話でした。

 人生何があるかわからないのです。解放感を堪能してはダメなのです!


 と…まぁ…、あははは、って笑っていただけましたら幸いです。


 きゃーーーー、言っちゃった(汗)


 あの時のカップルさん…、変なもの見せてごめんなさい。訴えないでね…。


 ちーーーーん。



 黒歴史度:★★★★★  END

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忘れたい黒歴史で何が悪い!?ってごめんなさいっっ。 桔梗 浬 @hareruya0126

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