第21話 ダサいです。
カフェを出た俺達は華恋ちゃんの家へとお邪魔していた。
「カフェでやるのも何だしどこか別の場所でやらない?」と俺が言ったら華恋ちゃんが「なら私の家でやりましょう!」ってドヤ顔で言ってもちろん最初は「いやいやいや、それなら俺の家でやろうね? ね?」って言ったけどスズが華恋ちゃんの家に興味深々で行きたいと申すので逆らえませんでした。
スズのうるうるっとした目で「ダメなの?」って言われるとどうしても断れないんだ許してくれ。
「それじゃあよろしくお願いします華恋師匠!」
「華恋ししょーよろしくなの!」
「華恋師匠よろしくです!」
「ふふん、どんと任せなさい! と言っても簡単な事だけしかありませんが。」
華恋ちゃんがふんすー。と鼻息を出しながら胸を張って言う。
やだこの子、すっごく頼もしい。
そんなこんなで華恋師匠によるチャンネル塾が始まった。
「まず正人さん達にはチャンネルのSNSアカウントを作ってもらいます!」
「「「チャンネルのSNSアカウント?」」」
チャンネルのSNSアカウントを作ると言う言葉に俺達3人揃って頭の上に?
マークを浮かべてしまった。
「俺のアカウントじゃダメなのか?」
「いいねとかリ◯イートの履歴を見られても平気ならそれでいいですけどね?」
「あ……そうか……そうだな、うん作ろうアカウント」
うん、確かに見られて困るものがあるから作った方がいいわ、うん。
「ちなみに正人さんのチャンネルのアカウントではリスナーの皆さんに配信日時の告知とか緊急で配信を休む時とかにお知らせをします」
「なるほど」
「とりあえず今作って」
「はい師匠!」
華恋師匠の教えの通りチャンネルのアカウントを作る。
もちろん皆さんお馴染みT◯itterです。
「師匠作りました! 次はどうすれば!」
アカウントを作り終わった俺がビシッと手を上げて言う。
「アカウントを作ったら今度はプロフィールとか色々書きます!」
「はい師匠!」
「はい正人さん!」
またもビシッと手を上げる。
「どんな事を書けばいいのか分かりません!」
「本当に正人さん何も知らないんですね……」
「す、すみません師匠……」
華恋師匠がすっごい呆れた顔してる……そんな顔されたら流石に傷ついちゃう……
「とりあえず私に貸して下さい!」
「いいの?」
「正人さんやらかしそうなので私が代わりに書きます!」
「え!?」
俺やらかしそうって思われてるの⁉︎
「確かにそう思う」
「え、シズまで!?」
「じゃあスズもなの!」
「じゃあって何!?」
シズだけでなくスズまで……ひどい、ひどいよ皆んな。3人揃って俺がやらかしそうとか言って……もう傷いたからね!
「出来ましたよ正人さん確認して下さい。」
「早っ!?」
「こんな事朝飯前ですよ!」
またも華恋師匠が胸を張って自慢げに言う。
「流石です華恋師匠!」
「華恋ちゃん凄いの!」
「華恋ちゃん凄いです!」
「えへ、えへへそうですか?」
華恋師匠が書いたものを確認してあまりの出来に俺達3人で褒めると華恋師匠がめちゃくちゃふにゃけた顔で嬉しそうにしている。
スズシズには負けるけど中々可愛いじゃん。
「さ、さて次は正人さん達の写真を撮りましょう!」
「写真?」
「そう写真です!」
どうやら次は俺達の写真を撮るらしい。
「写真撮るのはいいけどこのまま撮るのか?」
「う〜ん……」
「出来ればこの間の配信で着てた装備で撮りたいんですが流石に無いですよね?」
確かに私服で撮るより装備着てた方がそれっぽいしかっこいいしそれにあれもあるしな。
「別にあるけど?」
そう言って初配信の後購入して俺がさらに色々と改造した白色のペンダントを見せる。
「正人さん何ですかこのペンダントは?」
華恋師匠が俺が見せたペンダントを見てそう言う。
「よくぞ聞いてくれました師匠! これは昨日開発した自動装備機能を付与したアクセサリー型の魔道具、その名も『お着替え君』です!」
どうだ! 凄いだろ! と言わんばかりのドヤ顔と早口で自慢げに言う。
「お着替え君……正人さん、そのネーミングださくないですか?」
「ダ、ダサい!?」
「はい、ダサいです。」
ダ、ダサいですとぉ!? 最高のネーミングだと思ってたのにぃ……
悔しい、悔しいぞぉぉぉぉぉ!! そそうだ! スズとシズなら分かってくれるかも!
「スズとシズはもちろんダサいなんて思わないよね?」
「あるじ、あのねあのね」
俺が「ね?」を強調して言うとスズがもじもじしながら何かを言おうとしている。
「どうしたんだスズ?」
「実はスズも……おきがえくんダサいなって……」
「そんな……じゃ、じゃあシズは? シズはどう思う?」
藁にもすがる思いでシズに聞く。
「シズもダサいって思ってた。」
「そ、そんなバッサリと……」
俺に味方はいなかったようです。
悲しい! 悲しいよ!
「まぁそんな事はさておき、装備に着替えれるなら着替えて下さい!」
「う〜ん切り替えが早いなぁ……」
「はいなの!」
「はーい!」
今の女の子ってこんなのなの? それとも俺がおっさんなだけ? どうしよう、めっちゃ不安になってきた……
「うぅ。」
「ほら変な顔してないで早く着替えて下さい正人さん、スズちゃんとシズちゃんはもう着替えましたよ!」
「はい……」
本当最近こういう事ばっかだなぁ……
そう思いながらお着替え君に魔力を込めいつもの装備に着替える。
「よし着替えましたね!」
「ああ」
「じゃあ撮りましょう!」
「撮るか!」
※
「と、撮り終えましたか華恋師匠……」
「も、もうだめなの……」
「これ以上撮るのはもう……」
「バッチリです!」
「「「よ、よかったぁ〜」」」
写真撮影開始から1時間弱。やっと終わった。
地獄だった。
2、3枚撮ったら終わりかと思ったら華恋師匠が「う〜んなんか違うなぁ」か「もうちよっとなんかこう……」とか言い出して結局俺達3人はあれこれ華恋師匠に言われるがまま色んなポーズをさせられもう写真撮影なんか当分やりたくないと思った。
「ほらほらお三方も写真見てくださいよ!」
「お、おおう」
そう言って華恋師匠がさっき撮った写真が保存してあるカメラを見せた。
「「「おお」」」
表示されている写真を見て3人とも思わず声が出てしまった。
真ん中に白殺を構えた俺とその右に短剣2つを構えたシズ、そして左に
「プロフィールの写真も撮り終えた事だし次は……」
『ぐぅぅぅぅぅぅぅ』
「今の音は誰!?」
華恋師匠が次に行こうとした瞬間結構大きめな腹の音がした。
思わず華恋師匠もビックリした表情をしている。
「ス、スズなの……」
「何だスズか。」
「お腹空いたんですか?」
「そうなの……」
どうやらこの轟音の正体はスズだったようです。
お腹を抑えながら少し恥ずかしそうに言っているのがこれまた可愛い。
「華恋師匠、一旦休憩いたしませんか?」
「そうですね、私も少しお腹空きましたしそうしましょう!」
「いいの!?」
「私もお腹空いた。」
どうやらスズだけでなく皆んなお腹が空いていたらしい。
「じゃあご飯食べに行きましょう!」
「そうだな!」
「行くのー!」
「早く行こ!」
こうして第一回、華恋師匠によるチャンネル塾が一時休憩になった。
あとがき
読者の皆様方お久しぶりです。
まず一つ、中々更新出来なくてすみません。
これには理由があり私自身最近心が不安定でして執筆が出来る状態ではなかったのです。
今は安定しておりますのでご安心ください。
本日からまた更新の方を再開させていただきますので引き続きどうか私めの作品を拝読していただけたらなと思う所存です。
もしよろしければ作品フォロー、☆レビュー等して頂けるとスズとシズがとっても幸せになるのでよろしくお願いします。
〜異世界帰りの俺は猫耳少女2人を養う為に今日もダンジョンで配信します!〜 やまは @Polukayogami
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