第4話 ダンジョン配信すれば?

「帰ったぞー」


 玄関のドアが開くと共に懐かしい父さんの声が聞こえた。


「あなたお帰りなさい。」

「靴が多いけどお客さんでも来てるのか?」

「まぁとりあえずリビングに来て!ご飯できてるから、ふふ。」

「分かったよ。」


 母さんに言われて父さんがリビングへ向かう。


「こらスズ、つまみ食いしないの!まだ全員揃ってないんだから我慢する!」

「だって〜」

「だってじゃありません!」

「ぶぅ」

「ったく、ほらこれで我慢できるな?」


 そう言ってフライを一切れ渡す。


「分かった!我慢する!あるじ大好き〜」


『ガチャッ』

 リビングのドアが開き、父さんが入ってきた。


「ま、正人、正人なのか?」

「うん……おかえり父さん…ってうぉっ⁉︎」

「正人!正人!よく無事に帰ってきた!よかった、よかった!」


 父さんが泣きながら俺に抱きつき、そう言った…まったく変わらないな、泣き虫な父さんは。


「心配かけたよ父さん、もう安心して、俺はもうどこにも消えない…約束する。」

「あぁ、約束だ、絶対に俺や母さんに何も言わずいなくなるな!」

「うん。」


 こうしてやっと家族全員揃ったのだった。


「とりあえず父さんご飯食べよ!」

「そうだな、父さんもお腹がすい……」


 突然父さんがフリーズした。


「と、父さん⁉︎何フリーズしてんの⁉︎」

「おい正人…あの猫耳少女2人はなんなんだ⁉︎あの可愛い猫耳少女は!まさか攫ってきたのか⁉︎それともなんだ?恋人か⁉︎」


 フリーズしたかと思いきやいきなり俺の肩を掴み激しく揺らす。


「ち、違うって父さん!この子達は異世界で拾って育てたんだ!」

「い、異世界⁉︎正人お前、異世界に行ってたのか⁉︎ずるいぞ正人!」

「ずるいって言われても……」

「あるじーご飯まだ食べちゃだめ?」


 今にも限界そうな顔でスズがこちらを見つめる。


「あぁごめんなスズもう食べて良いぞちゃんといただきますしたらな、ほらシズ起きて、ご飯だから」

「シズ起きて!じゃないとスズがシズのお魚食べるの!」

「それだけはダメ〜起きるからそれだけは許してあるじースズ〜。」


 スズの言葉で飛び起きたシズである。


「ちゃんと起きれば食べないから安心してシズ、ほらいただきますしよ!父さん達も」

「あ、あぁ」


 やっとだ。やっと帰ってきたんだ。

 父さんと母さんを見てそう思えた。


「それじゃあせーの!」

「「「「「いただきます!」」」」」



 ご飯を食べながら父さんと母さんに改めて5年前の失踪と、スズとシズについて話した。

 ちなみにスズとシズは食べた後俺の膝の上で寝てる。やっぱ可愛いうちの子。


「ほぉ、大変だったな正人、よく世界を救った、父親として誇らしいよ。」

「ありがとう父さん。」

「それで話は変わるんだが正人、お前これからどうするんだ?父親としては働いて欲しいんだが…」

「そうだよな、俺はスズとシズの親として育てる義務があるし…あ!ダンジョンに行ってもいいか?ダンジョンなら俺稼げるってか多分それしかない」

「そうだな、ダンジョン潜るならせっかくだしダンジョン配信者になれば?なぁ母さん」

「そうね!ダンジョンを攻略しながら配信すれば多分正人ならうんと稼げると思うわよ。」

「ダンジョン配信者?そんなのがあるのか?」


 ほへぇ〜まさかとは思ってたけどやっぱりあるんだ。


「えぇ、最近結構増えて来たわ、そういう会社もあるし。」

「そうか今そんな職業まであるのか。

 スズとシズもまだ鍛え足りないしちょうど良いかもな。2人を家に置きっぱするのも良くないし、うんそうするか。」


 まだまだシズもスズも未熟だしな、丁度いいな。


「よし、決まったとすれば父さんちょっと出かけてくる!正人の探索者カードを発行して来る!」

「え、父さんそんな事できるの⁉︎」

「そういえば言ってなかったわね、お父さん今ダンジョン協会で働いてるのよ、だからそういう事もできちゃうの、お父さん元々ああいうファンタジー系好きだったでしょ?ダンジョン協会を今の会長さんと一緒に作って今に至るわけよ。」


「へぇ〜父さんもりっぱになったなぁ〜。」


 いつもお母さんに怒られてばっかりの父さんがいつの間にかお偉いさんになってるとは…俺がいない間に随分と変わったようだ。


「そういう訳だ、さっそく行って来る!」

「ありがとう父さん!いってらっしゃい!」

「あぁ、待ってろ!」


 慌ただしく出て行ったがとても嬉しそうな顔をしていた。


「ふぅ、今日は疲れたな…もう20時か…母さん、スズとシズを風呂に入れてくる……スズ、シズ起きて、風呂入るぞ」

「ニャッ!あるじとお風呂⁉︎シズ起きるの!あるじとお風呂なの!」

「本当⁉︎やったぁ!久しぶりにあるじとお風呂ー!」 

「確かに久しぶりだなぁ、ほら早く入るからこっち来い。」

「「はーい!」」

「正人あんた……」

「ん?母さんどうしたの?」

「いいえ、なんでもないわ」


 なんか母さんにジト目で見られてる気がするけど気のせいか?


 魔王を倒した後何故かスズとシズと分けられてお風呂に入らされたり、色々復興とかあって全く一緒に入ってやれなかったな……


 まぁいいか、とりあえず2人を風呂に入れて少し調べ物でもして寝るか……

 そういえばあいつ元気してるかな……




 あとがき


 読者の皆様こんにちは!


 さっさとダンジョン配信に移ってくれとか思うかもしれませんがもう少し!もう少しだけ待って下さい!

 代わりにスズとシズの可愛いところをいっぱい書いていきたいのでそれで許して下さい……


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