第12話 幕間『Who are you?』

ある夜、侵略者を駆除しながらふと私は本物かを考える。ここひと月ほど、魔法少女になってから夜中に現れてもいいように家に帰れていない。

複製体と感覚と記憶の共有はできているから問題はない。

だからこそ私が時々本物ではないのだろうか、そう考える。

私が本物だと証明するすべはない。あるとすればノワールしか知りえない。

あぁ駄目だ、今は侵略者の駆除を優先せねば。


そもそも私とはなんだ。

私はどんな人間だ。私は、時々こだわりが強い、とてつもない甘党、人と話すのが得意ではない、だけども人と話したい。そして、私は本が好きだ。勉強は嫌いだが感覚ですらすらと問題は解ける。がスポーツは感覚がつかめずとても苦手だ。あぁ自分が見えてくる。いまなら鏡に向かって「Who are you?」と問いても問題なさそうだ。

ついでに、仲間のこともどういう人間か思い出そう。万条ことシキはゲームがとても好きな人間で、拠点にゲーム部屋を作るほどだ。といっても自分も書庫を作ってしまったのだが。それでいて熱血なところもあるが、煽りに弱くキレやすい。部屋から雄叫びが聞こえてくるのが日常だ。将来はプロになりたいと言っていたが、彼の腕はそこまで強くない。勉強やスポーツはできる方ではある。

川城は小学四年生のロボットが大好きな男の子だ。どうやらロボコンに魅せられたらしい。私も見たことがある、とても熱い戦いだった。ロボットについて詳しくはないがロボコンに少しだけ興味がある。私と川城は高専を受けようとしている。そのために川城に勉強を教えている。運動神経はいい方で私と特訓するときはときどきやられそうになる。

いろいろと考えすぎた、いつの間にか侵略者を全部倒してしまっていた。


「久々に帰るか。」


そう心に決めた、実行できるかはさておき。

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