第7話 シキとニトリとそれから私

敵魔法少女が近づいてくるのを感じる。そのため二人を連れてすぐに拠点に戻った。


「ようこそ我らが拠点、セントラルアビスへ。聞きたいことが多いと思うけど、まずは私の名前から。魔法少女AQこと、本好典。以後よろしく頼む。」


自己紹介しながら変身を解く。思った通り勝太は目を丸くして驚いていた。あまりの衝撃に何か言おうとしてるが喋れていない。


「ホントはあの場でもよかったんだけどね。別の魔法少女が来てる気配を感じたから移動してもらったよ。」


ソラ達の前で、もし変身したら生身の時に襲い掛かってくるかもしれない。生身で受けたらと思うと想像したくない、避けたい。

いろいろと軽く説明した後、質問タイムをとる。無論、説明中の質問にも答える、あの蛇とは違って。

この時に小学生の名を尋ねる。どうやら川城進というらしい、いい名前だ。だが魔法少女の前で本名を使うわけにいかない。そのためコードネームもつけてもらう。勝太がシキ、進がニトリという名前にするらしい。

ちなみにだが勝太ことシキの見た目はふわふわの白い服に背中にゲーム機を背負う金髪ロング美少女に、進は赤色の作業着に身を包んだ青髪青年に変身した。シキはなんでという顔をしていたが、ニトリは気に入ったのかはしゃいでいる。

魔法はシキがゲームに登場する武器が使える、ニトリはロボットアームを自由に扱える。さっそく、シキは好きな武器を作り出し、ニトリはアームの先に何をつけるのがいいのか試行錯誤している。

取り敢えず自分と戦ってもらう。魔力の純粋集中で殴ってもらうがガードしてそこそこ痛い。今度は自分が殴ってみる、小石を割る程度の力で。受けてもらってそこまで痛くなさそうだ。全力で殴ってもみる。さすがにこれには耐えきれなかったようだ。回復魔法をかける。謝りながら魔法少女ソラはこのぐらい強いことを伝える。必殺技すらも必殺でなくすともいうと二人は震えていた。


「ホントに人間なんですか」


私もそう思う。だが今は仲間が増えたことに喜びたい。もう私は一人じゃない。しかも、今までできなかったことができるようになるはずだ。


あれから一週間後、出撃の時間だ。間隔が決まってきている。最初の頃の深夜に現れたのは何だったのだろう。だが水曜15時45分、ちょうど学校が終わるころに出撃するようになったから考えなくてもいいかと思う。ちなみにだが念のため出撃するときは三人でというルールを決めた。もし魔法少女ソラが来た時や最近の侵略者の強度を考えると妥当な判断だ。まずは結界を張る、特訓の最中に生み出した技だがこれで外からの気配察知はされにくくなるはずだ。中から人間だけは自由に出られるようにした。これで襲われる人間は減るはずだ。ちなみにだが最近五感を封じても魔力の流れを通じて気配察知する能力を身に付けた。そのため侵略者にも魔力が流れているのを感じる。使おうと思えば魔法は使えるのかもしれない。だからこそ油断ができなくなった。だがアンサラーを使用すればあっさり倒せることに変わりはなかった。シキとニトリも一人一体づつ倒していた。結界の外に魔法少女ソラがいるのを感じる。二人は疲れているようなので拠点へ戻る。結果は上々だ。

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