第6話 魔法少女に興味はあるかい?

仲間に勧誘するときどう勧誘するか。

前回の戦いから一週間が過ぎた。未だに一人だ。そもそも私はクラスに仲のいい奴などいない。部活は特訓続きで入部を考えていなかった。今からだと少し遅い。私はそれが何となく嫌だ。やはり最善はあの魔法少女の誤解を解くことだろう。だが話を聞いてくれない。


「あぁ、めんどくさい」


図書室に向かう途中で思わず声が漏れる。


「どうしたん?話聞こうか?」


声をかけてきたのはプロゲーマーを目指しているという万条勝太だ。


「あー、魔法少女に興味はあるかい?」


適当でいいや。そう思い声をかけてみる。ノワールと一緒だ。


「あるよ、ゲームだけど。R&RYって作品がかなり面白そうでね。ローグライクシューティングで自分でビルドを組んで戦うんだけど武器がつけるアタッチメントごとに攻撃方法が変わるの。今日発売で帰ったら速攻遊ぶんだ。ストーリーも面白そうでね……」


知らないゲームの話を延々とされる。あぁ間違ったかもしれない。適当に相槌を打ち会話を続ける。


「で君は?」

「ゲームとかマンガとかの話じゃなくってね。もし本当にいたらなりたいかってことだったんだけど。」

「町を守るヒーロー、あこがれる。でもあれは空想だ。なるなら警官、国防軍だな。現実を見なきゃ。」


この感じだと多分誘っても乗ってくれないだろうな。そう感じ彼とは別れた。


その日の夕方6時頃、侵略者が現れたらしく私は出撃した。

いつもと違い少し急かされた。

その理由は到着してから分かった。追われている子がいる。

あれは今日の昼話した万条と小学生くらいの子だ。小学生がコケるのが見えた。

私は急いで彼らと侵略者の間に入る。すんでのところで侵略者を吹き飛ばす。


「安心して、私が来た。」


また少し侵略者が強くなっていたらしい。岩に粉々に砕く程度の全力のパンチでも倒れない。アンサラーを取り出し戦う。特訓のおかげで敵の攻撃をうまく躱せる。躱したところに剣のカウンターをおいておく。まず一匹、少し離れていて気が付かなかったがもう一体いた。アンサラーを投擲して倒す。今回住宅などには被害はなかった。ちなみにだが前回の窓ガラスは魔法で修復してもらった。

助けた万条と子供は自分の後ろですくんでいた。ここで例の一言をかける。


「君たち魔法少女に興味はあるかい?」


彼らはコクリと頷いた。

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