第5話 必殺其れ即ち必ず殺す也
あれから一週間程たったが魔法少女どころか侵略者も現れない、平和な日々が続いていた。こういう時は何かが起こる、私の勘がそう言っている。だからこそ今は力をためる時期だ。魔法で物語の中のアイテムを召喚してストックを作ったり、そのアイテムに魔力を貯めたり。ちなみにだが魔力の充填量には限界がないらしい。ついでに召喚の魔力が尽きればノワールとの特訓が待っている。休みはない。
「久々に侵略者が出たようだ、しかも二体。」
やはりというべきか。出撃準備を整える。
ノワールの出したワープホールに入って出た先は自宅近くだった。自宅の窓ガラスを割って侵略者が飛び出してきた。親になんて説明しよう、そう考えながら攻撃を受け止め殴る。先週までのとは違い、攻撃を耐えた。少しは骨がありそうだ。
「召喚・アンサラー」
手ごろな強い剣を召喚する。
強化侵略者といえど、さすがに剣には耐えられなかった。一太刀入れるだけで倒せた。魔法少女が近寄って来るのを感じる。今日は準備万端だ。さすがに毎日戦えるほどではないが。
「魔法少女マジカルフェアリーず・炎の戦士ソラ参上!」
「友情の戦士・サクヤ参上」
「これ恥ずかしいからやめない?」
なんか増えている。この一週間で三倍になっている。勝てるだろうか。いや勝たなければならない。そして邪魔しないでもらうよう説得せねば。
「召喚・神威(カムイ)・変身」
とある魔法少女モノに登場する変身ステッキを取り出し、変身する。
「神威召喚グングニル、ペガサス」
一週間モノで召喚する超強力な槍と天馬だ。これで倒せないとなるとキツイ。
両方を化け物魔法少女ソラに向けて発射する。グングニールは躱された。しかし天馬が死角から攻撃する。これもうまくガードされる。二度もうまくいなされるとは。だが今は油断してるだろう。
「グングニールは外れない」
「知ってるさ、そんなこと」
帰ってきたグングニールをたたき割られる。マッハ3は出てるんだけどな。そう思いながら次の策を考える。
「召喚・マジカルロッド・変身」
また別の魔法少女モノステッキを召喚し変身する。あれでダメならチャージが必要な分必殺の一撃を繰り出すしかない。ソラ他一同を拘束し、念のためソラにだけ必殺技を向ける、そしてチャージが必殺にならないギリギリで放つ。これが次善の策だ。さすがにこの拘束はすぐには抜け出せないらしい。
必殺技が放たれる。文字通り必殺、必ず殺せる技だ、チャージが満タンなら。九割ほどで放つ。必殺技が当たったのを確認する。そしてまだ息があることを確認する。死んでなくてほっとした刹那、魔法少女の炎が強くなり、殴りかかってきた。
「マジかよ」
この魔法少女にはたびたび驚かされる。咄嗟に防御するもソラの一撃は重い。気絶しそうなのを気合で耐える。魔法少女を確認する。倒れている。今のでようやく力尽きたのだろう。
初勝利だ。だが互いにギリギリな状況。次は負ける、特訓を重ねなければ、めまいがしながらそう考える。そして、他に二人いたことを思い出す。だがすでにソラを抱えて逃亡していた。あぁ良かった、今後はこの二人の対策も立てねば。取り合えず拠点に帰ってティータイムとしよう。
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