わたしメリーさん、強敵と戦う(3)

お次はゴブリンか。

弱いからサクッと首を切って殺した。二回目の遭遇、ゴブリンは10匹で固まっていた。これも弱いのでサクッと殺した。


「あ、階段あった」


これで次の層に行くのか。一層は簡単だったから5層まで簡単そうだな。

だけど冒険者には心構えがいくつかある。その一つに油断大敵がある。いくら私でも油断していると足元をすくわれるかもしれないから常に周囲に気を配っておこう。


「またゴブリン?」


なんだかさっきより数が少ないんだけど。だって4匹しかいないよ?普通ダンジョンって下に行けば行くほど難しくなるのが定番でしょ。

な~んか嫌な予感がするなぁ。ワンチャン、ダンジョンスタンピードだったりしてね。

そんなのあったら私でもぎり勝てるか勝てないかだよ。


「ま、私の邪魔するなら全員殺すまでだけど」


さて、これまたサクッと屠って次行こう。




4層まで敵が変わらなかった。なんなら敵の数が減っていってる。これは本格的にやばい気がするぞ。

ダンジョンスタンピードって思ったのは冗談じゃん。起こるのはいいけど…いや良くないけど、せめて私が地上に戻るときであってくれ。


「5層からはオークがでるのか」


まあ4層まで変わらなかったら普通は5層で変わるよね。それにしても一匹も見当たらないんだけど。

普通はさ、お出迎えに一匹はいるはずじゃん。なんでいないんだよ!


「ここまでいないとダンジョンスタンピードは確定かな~。私一人でどこまで行けるか」


そうと決まったら早く最下層らへんにいかないとね。ダンジョンスタンピードの特徴として1層のモンスター達が最下層付近にいて、魔力を体に取り込み強くなって一気に地上に行こうとするのだ。

そのため通常のダンジョンモンスターよりも強くなっている。


「じゃあ、各層を最速で駆け抜けよう。モンスターは狩らない方針で。じゃあ、レッツゴー!」


おっと、もう階段を見つけちゃった。やっぱり走ると攻略速度が全然違うね。

この調子でどんどん行こう!






「はあ、さすがに疲れたな。ずっと走ってやっと25層だよ。まあ、これからが本番なんだ。気合い入れなきゃね」


さてさて、どんなのがでてくるのかなぁ。スライムにゴブリン、オーク、トロール等々。

有名なモンスターばかりだなぁ。ダンジョンでもモンスターのネタ切れってあるんだね。


「ま、ぱぱっと片付けちゃいますか」


さてと……。普通に切っちゃいますかね。

こいつら私の成長の糧になってもらおう。レベルが上がれば上がるほど私は強くなるからね。


「っと、全部片付いたかな」


結構いたんでけど意外と早く終わったね。次の層に行こう。






26層~29層まではずっと同じモンスターだった。やっぱりネタ切れなの?

それとも30層にめちゃくちゃ強いモンスターがいるのかな。そうじゃなきゃ困る。


「じゃ、30層に挑みますかね」


なんかめっちゃ大きい門があるんだけど。え、門なんてあるの?ダンジョンって自然の生成物だよね、それなのに門があるとかありえる?

あったらごめんだけど。

気にしてたらダメか。早速だけどお邪魔しよう。


「おお、これってドラゴンってやつでは!」


こんなところでドラゴンに会えるなんて!やっぱりかっこいいね、憧れるよね。

しかも黒いからブラックドラゴンって言えるじゃん!中二病の塊だよ!!


「でも倒さなきゃな、もったいないけど」


倒さなきゃこのスタンピード終わんなそうだし。ていうかなんでこんなダンジョンにドラゴンがいるわけ?

そんな話一回も聞いたことないけど。やっぱり異常だよね。


「あぶなっ!」


何だよこいつ!出会い頭にいきなり魔法打ってきやがった!

嫌われるぞ!


「ったく、なんなんだよ。そっちがその気ならこっちも行かせてもらうよ!」


まずは鱗の固さを確認しなきゃ。切れるならジリ貧になるけど確実に勝てる。

短刀がはじき返されたら諦めて強行策に出るしかないな。


「っは!!」


短刀折れたんだけど!!!

そんなことある!?はじかれるのは想定してたけど折れるのは聞いてないって!

てかそんなこと考えてる場合じゃない、避けなきゃ!


あっぶなー!なんだよこいつ。でかい体しときながらきびきび動けるやん。

羽ばたいてからの尻尾攻撃とかリオ〇ウスかよ!


「これ強行策通じるかな。さすがに生物だから通じると思うけど…」


私の考えた強行策はドラゴンの体の中を攻撃する作戦だ。よくある外からの攻撃が通じないなら中から攻撃すればいいじゃん作戦。

けどこれって結構危ない。一歩間違えれば余裕で死ぬ。魔法と物理攻撃よけながら口に接近って難易度高すぎる。しかも口からブレスとか吐かれたら確実に死ぬ。だって避けようがないもん。


「でもやるしかないよね~」


だって短剣折れちゃったもん。これしか戦える武器なかったんだけどな。

しょうがない。だってドラゴンの鱗って固いのが定番だもんね。それでも武器が折れるとは聞いていない。


「よっしゃー!どんとこいや!!」

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あたしメリーさん。異世界に転移したので冒険者として生きるの! つゆばな @tuyubana

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