わたしメリーさん、強敵と戦う(2)

「食べ終わったしギルドに行きますかね」


会計がバロゴさん達が払ってくれてたらしい。ありがたやありがたや。

メガボアのステーキって結構高かったんだな、なんだか申し訳ないけど奢るって言われてたからあんまり気にしないでおこう。


「さて、入りますかね」


わ~お、なんだかみんなピリピリしてるねぇ。確実に何かあったね。


バロゴさん達はっと…。いたいた。


「バロゴさーん!」


「お、来たか嬢ちゃん」


「なんだかピリピリしてますけどやっぱり何かありました?」


「ああ、D級のダンジョンが変異したらしい」


「変異?」


ダンジョンが変異っていうくらいだからD級のダンジョンがCとかBに上がったってことかな?

中にいるモンスターが強化したり本来いないはずのモンスターがいたりするのかな?


「そうか、嬢ちゃんはまだ冒険者になったばっかりだったな。強すぎて忘れてたぜ。変異っていうのはダンジョン内の魔力が増えてモンスターが強くなったり本来いないはずのモンスターがいたりすることだな。変異が起きたらその場所にいる冒険者が対処するんだ。高ランク冒険者は強制参加、低ランク冒険者は支援だな。メリーさんなら戦えるかもな」


やっぱり私が予想した通りだね。でも高ランク冒険者は強制なのか…。もし想定より変異ダンジョンが強かったら結構厳しくない?

しかも、こういうときのテンプレってA級に匹敵する強さになるけど。私も行った方がいいかな。


「おいバロゴ。確かにメリーさんは強いがまだE級だぞ。もし戦うことになったら俺らが怒られるんだぞ」


「確かにそうだな。やっぱり忘れてくれ」


よし、こっそりついていこう。正直私はここにいる誰よりも強いと思う。まあ、まだ強い人がいないだけかもしれないけどね。

ん?なんか強い魔力反応が…。あの人か。


「お前たち!急な招集に来てくれて感謝する。何名か知っていると思うがD級ダンジョンが変異を起こした。おそらくだが今回の変異はA級に匹敵する可能性がある」


「なっ…!」


「A級だって!?俺たちじゃ対応できないぞ!」


「確かにA級に匹敵するダンジョンだと俺達でも対応しきれない。だが、今回は応援を要請している。それまで耐えることができれば俺たちの勝ちだ」


「応援って誰が来るんだ」


「"白亜の剣はくあのつるぎ″達だ」


「「「おおお!!」」」


白亜の剣?有名なパーティーっぽいけど当然のごとく私は知らないなぁ。

A級にも匹敵する強さなんだろうけどワンチャンS級とか?そしたらぜひとも手合わせ願いたいな。

私の強さを確認しておきたいからね。


「バロゴさん、白亜の剣ってそんなに強いんですか?」


「ああ、白亜の剣は国内に7パーティーしかいないS級パーティーだ」


「おお!やっぱりS級だったか。ぜひとも手合わせしたいなぁ」


「嬢ちゃんってもしかしなくとも戦闘狂か?」


「失礼な。ただ単に自分の強さを知りたいんですよ」


「確かに自分の強さを知りたいのは分かるけどよ、白亜の剣に挑むのは無謀としか言えないぞ」


そんなに強いのかな?確かにSランクは人類最強格と聞いていたがそれほどまでに強いのか?

でも、正直言って負ける気がしない。能力が制限されていても勝てる。絶対に。


「それは対決してからのお楽しみってことで」


「それは楽しみだ。だが今は変異ダンジョンに集中しよう」


「そうだね」


変異ダンジョン…。楽しみ!

こっそりついていって敵を倒したいなぁ。あわよくばボスモンスターをぼこぼこにして能力解放の糧としたい。

能力が解放されればもっと強くなるからね。


「ダンジョンに行くのは明日だ!急の招集で悪かった!各自明日へ備えてくれ。それでは解散!」


「じゃあ、ダンジョンに潜ろうかな」


「…メリーさんってやっぱり戦闘狂なの?」


「リアさんまで…。明日はダンジョンに行くのに私はまだダンジョンに行ったことないんですよ?下見ですよ下見。そこまで深くは潜りませんから」


「よかった。メリーさんが戦闘狂とかだったら平気で人を殺めそうだから怖かったのよ」


「あ、もちろん私の邪魔をしたら殺りますよ?」


「ひっ!!メリーさん恐ろしい子」


なんでリアさんが私に怯えてるのかな。そこまで変なこと言ったかな?だって私がやりたいことを邪魔されたら嫌じゃん。必要のある殺しだったらいつでもやるよ。

まあ、そんなことは置いといて。早速ダンジョンに行きましょうかね。


「あの~、ダンジョンに入りたいんですけど~」


「ん?ああ。今から入るのか?」


「はい」


「あんた知らないのか?明日からダンジョン攻略だぞ。わざわざダンジョンに行く必要ないだろ」


「知ってますよ。私はまだダンジョンに行ったことないのでその下見ですよ」


「ああ、なるほどな。でも気をつけろよ?明日はダンジョン攻略だ、あんまり深い所に行きすぎるなよ」


「分かりました。では行ってきます」


「はいよ、気いつけろよ」


うん、やっぱりこの町にいる人は優しい人ばかりだな。

さて、気を取り直してダンジョン攻略といきますか。深い所には行くなと言われたがその忠告をありがたく受けとって……ダンジョンの深い所行きますか!!


もちろんあんまり深い所にはいかないけど軽く20層までは行きたい。

ちなみにこのダンジョンは30層あるらしい。結構深いよね。


「お、スライムじゃん」


スライム。一般的には子供でも倒せる魔物だが厄介なところがある。それは異常な繁殖力だ。スライムは雄が存在せず、分裂を行って繁殖する。

そのためスライムが倒されずに放置されると大量のスライムが合体したキングスライムになってします。

その危険度はなんとB級だ。スライムの集まりだがそれだけ脅威ということなのだ。


「まあ、一匹一匹は弱いからいいけどね」


そう言いながらスライムのコアを踏みつけて破壊する。

あ~、靴がべちゃべちゃになっちゃった。まあいいか。


「さて、どんどん行こう!」

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