わたしメリーさん、冒険者と決闘するの

「決闘?別にいいよ?」


でも予想外なのがこんな見た目しといてちゃんとギルドの規則に則るんだな。テンプレだとここで剣を抜いて私に襲い掛かってくるのに。

さすがにそんなことしたら冒険者の資格剥奪とかになるのかな。


「おいガキついてこい」


しかも案内までしてくれる。この人って見た目に反して案外優しいのかな。


「ほら、ここが決闘場だ。武器は自分のでも支給品のでも使え。俺は自分のを使わせてもらうが別にいいよな?」


「もちろんいいよ。武器があろうがなかろうが私には関係ないことだしね」


「いちいち腹が立つガキだな」


なんだろう。この人はほんとに優しいのかもしれない。私が初めてだと知っているからかな?

まあ今はそんあこと置いておこう。まずは勝つことを考えなきゃ。

武器は正直いらない、が何か言われそうだし扱いやすくて手になじんでる短剣でも使おうかな。


「お待たせしました」


「ほう、武器は短剣なんだな」


「ええ、一番扱いやすいのでこれを選びました」


霊の時は包丁とかを主に使ってたから短剣がしっくりくるんだよね。この人の反応速度次第だけど後ろ行って短剣で首元抑えれば勝てるかな?


「それではバロゴとメリーの決闘を始める!!」


おお、ギルドの職員さんが審判してくれるのか。これは安心できる。

これで誤って殺しても無罪にしてもらえる…かな?殺さないように頑張ろう。


「両者!準備はいいか!」


「おう!」


「もちろん」


「それでは決闘開始!!!」


速攻突っ込む!!

よしよし反応できてないな。ならこのまま首を狙う!


「よしできた」


これでいいんだよね?なんだか会場が静かになったんだけど。

いつも通りにやったはずなんだけどなぁ。


「おめぇ、今魔法を使ったのか?」


「いや?使ってないよ?」


魔法か~、憧れるよねぇ。多分私も使えるんだろうけど魔法を使うより私自身が突っ込んだほうが早いんだよね。


「ははっ。お前バケモンだな」


「むっ。失礼な。今度はちゃんと人間だよ」


なんでそんなこと聞いてくるんだろう?どっからどう見ても人間でしょ!


「俺の負けだ…」


「しょ、勝者メリー!」


おお!観客の人がみんな盛り上がってる。ちらほら賭け事してる人がいたから私にかけた人はさぞ儲かっただろうな。いや~いいことをした。


「ていうかなんで負けを認めたの?」


「あんだけ殺気むけときながら何言ってんだ。少しでも動いた瞬間、喉元掻っ切るつもりだっただろ?」


「それはそうでしょ?これは勝負なんだから」


「ははっ。俺はなんてやつに首を突っ込んじまったんだろうな。お前さんには迷惑かけたな。その詫びだ、今日の飯代全部出してやるよ」


「いいの?あんな勝負無効でもよかったのに」


「それはできないな。俺から挑んだんだ。どんな結果であれ受け止めるのが筋ってもんだろ?」


「そういうものかな~」


やっぱりこのバロゴ?さんって見た目に反してやっぱり優しいね。

こういうテンプレは負けを認めたくないからもう一度!とか言って難癖付けてくるパターンだと思ったに。

まあ楽だからいいけどね。


「やっぱり戦うのはいいね~」


「俺との勝負を戦いというか?あんなの一方的な勝負だっただろ」


「いやいや。どんな小さな勝負でも戦いは戦いだよ。そんなことよりご飯おごってくれるんだよね?」


「もちろんだ。好きなだけくえ」


何食べようかな~。ウルフのステーキ以外が食べたいからギルド内のレストランで昼食でも済ませようかな。


「じゃあギルドのレストランに行きましょう」


「わかった。だがその前に俺の仲間を呼んできてもいいか?あいつらを置いてきちまったからな」


「別にいいよ~。食事は人数が多いほど楽しいものだからね」


「ありがとうな。じゃあ12時になったらギルドレストランに行くか。場所はわかるだろ?」


「そのくらいは知ってるよ。ギルドをでてすぐ右のところでしょ?」


「その通りだ。じゃあまた会おうな」


よし!お昼のお金が浮いたぞ!たくさんお金があるとしても使いすぎはよくないからね。

まだ9万円も余っているけど節約できるなら節約したほうがいいからね。

でも、お昼まで時間があるしなぁ。


「一回簡単な依頼受けてお昼まで時間をつぶそうかな」


そうなればクエストボードを見よう。あそこにはいろんな依頼があるだろうしね。

でも今は一番下のランクだから早く高いランクにいかないとな~。そうすればもっと強い奴と戦えるだろうし。


「っと、着いたね」


お、今日はラッキーだね。いつもは人だかりができるくらい人数がいるのに今日はあんまりいないね。

まあお昼まで時間をつぶすといっても1時間もないくらいだから本当に簡単ないらいしかできない。


「薬草採取あるじゃん」


せっかくの異世界最初yの依頼にはふさわしいものだ。これぞテンプレ!

ここで強い魔獣か大量の薬草を持って帰ればE級を飛ばせるかもしれない。そうなれば即断即決!


「これお願いします!」


「薬草採取ですね。わかりました、許可します」


「やった!」


「ですがいくつか注意事項があります」


「薬草採取なのに?」


「はい。最近この場所では現れない魔獣の目撃情報があります。バロゴさんに勝つ実力があるのは分かっていますが本来生息していない場所にいるので変異している可能性がありますので注意してください」


「わかりました!!じゃあ行ってきます!」


よ~し、全速力で向かうぞ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る