わたしメリーさん、街に行く

「ここは…」


私が気が付くと見知らぬ森の中にいた、ここが自称神が言っていた異世界か。確か周りにバッグを置いておくと言っていたな。


「これだな」


私は拾ったバッグの中身を見た。中にはお金、本、数日分の食料と水と手紙が入っていた。まず、一番気になった手紙を読んでみた。


『メリーさんへ。あなたが拾ったバッグの中に今後必要になるであろう物が入っています。バッグの中に入っているお金はの日本円にして約10万円入っています。銅貨が1円、大銅貨が10円、銀貨が100円、大銀貨が1000円、金貨が1万円、大金貨が10万円、白銀化が100万円となっています。

その袋の中には金貨五枚、大銀貨が40枚、銀貨が100枚入っています。普段使うのは銀貨にしてください、高い買い物なら大銀化を使ってください。金貨を見せたり、使ったりすると良からぬことを企む者たちがあなたを狙うでしょう。

次に本についてです。本はあなたが使える魔法の使い方を記してある魔導書です。その中には創魔法という魔法を作れる魔法があります。ですが作れる魔法は魔力ではなく呪力を使用します、なので魔力だけではなく磁力も上げることを意識してください。

そしてあなたには地図の魔法を与えています、この魔法はこの世界の世界地図を見ることができます。そしてリアルタイムに地図が更新されるのでどんなところにいても世界の地形を把握できます。


説明は終わりです。よき異世界ライフを

                                 神より』


やっぱりこの自称神様はとても優秀らしい。この世界については最初のほうに説明を受けていたので軽くは知っている。だがそのほかの説明を全く受けていなかったので助かった。特にお金。これは一歩間違えれば命を狙われるので説明してくれて助かった。


そして何より便利なのがこの地図の魔法。行ったことのない街まで頭の中で把握できるほど優秀な魔法だ。これがあれば迷うことなく目的地に行くことができて便利だ。何度でもいうがあの自称神は優秀だ。


さて、そろそろこの森を出ないとね、数日分の食料があるといっても不安だから早めに街に行こう。






「はあ、やっと出れた…」


いくら地図の魔法があるとはいえ森の奥に転移させすぎでしょ。この森デカすぎて出るだけで半日経ってるんですけど。けど、地図の魔法があって助かった、これがなかったら完全に迷ってる。

とにもかくにも、街道に出たし街に行きますかね。もうそろそろ日も沈むし走って向かおう。


「お~、早い早い!」


私は今走っている、それもものすごいスピードで。これが普通に走ってるだけで出るスピードなのか。

これなら思ったよりも早く街に着きそうだ。



そんなこんなで数分もして街に着いた、ほんとに早く着いたな~。


「次の者、前に」


私は門番に言われた通りに前に進んだ。

なんかこう見ると門番ってちゃんと強そうなんだな、まあ小柄な人間がしてたら舐められるしね。


「身分証はあるか?」


「身分証、身分証…。あった、はいこれ」


私はバッグの中に入っていたカードを手渡した。これが身分証なんて知らないがパッと見た感じ身分証ぽかったので出してみた。これで間違えていたらないことを正直に伝えればいいい。


「ふむ、通っていいぞ」


「ありがとうございま~す」


何とか無事に通れたみたいだ、やっぱりあの自称神様は優秀だ準備がいい。でもまずは宿に行かなきゃね。


「いらっしゃい」


お~、いかにも宿屋をやってそうなおばちゃんが出迎えてくれた。奥の方の食堂もにぎわっている。

この宿屋は信用できそうだね。


「部屋って今空いてる?」


「最後の一部屋空いてるよ、夜食朝食付きなら大銀貨3枚もらうよ」


ふむ、思ったよりも安いな、夜食と朝食付いて3000円は破格では?

でも、食事にもよるか。ま、泊まれるだけましでしょ。


「さてさて、どんな部屋かなぁ」


私はウキウキしながら自分の部屋に向かった。


「オープン・ザ・ドア!」


そんな掛け声とともに扉を開けた。中は机と椅子、ベッド、窓があった。

まあ、可もなく不可もない部屋だね。しばらくはここを拠点にしようかな、冒険者協会からもそんなに遠くないしね。

さて、明日の計画でも練ろうかな。


明日はまず冒険者協会に行ってその後に軽くクエストでも受けようかな。

その後は近くにある商会とか武器屋とか色々見て回ろうかな。

と、そんなことを考えていたらもうこんな時間か。さて、夜食でも食べに行こう。




おお、もう夜なのにまだ人がたくさんいる。やっぱるこの宿は人気だったのかな、そしたらいい所に泊まれたな。

ま、そんなことは置いといて料理でも注文しようかな。

これは直接言えばいいのかな?


「あの~…」


「ん?」


この子は…、確か受付にいた子供だよね。もしかしてお給仕でもしてるのかな。


「ご注文は何にされますか?」


お~、やっぱりお給仕してた。こんなに小さな子が立派に働いてるよ。やっぱり異世界って地球と全く違うんだね。

メニューなんてわからないからおすすめでも聞こうかな。


「何かおすすめのメニューとかある?」


「今日はウルフのステーキがおすすめです。さきほど冒険者の方々がお肉をくれたのですぐに焼いてお出しできます」


ほぉ、ウルフのステーキか。異世界のオオカミは果たしてどんな味がするのかな、気になる。


「じゃあそれをお願い」


「分かりました!」


おお、そんなに走ったら危ないよ。あ、つまずいた。

危ないねぇ、転びそうになってたよ。そんなに急がなくても待つことくらいはできるよ。

でも、ウルフのステーキか~。狼ってどんな味がするんだろう。


「お待たせしました!ウルフのステーキです!」


「ありがとうね」


さて、ナイフとフォークがあるのはありがたい、やはり異世界でもナイフフォークは存在しているのか。まあこれがなかったら食事どころではないからね。


「いただきます」


まずは一口。

うんおいしい。まあ、言ってしまえば焼いただけだからね。

けれど例えるなら牛肉に近い味がするね、おいしい。


だけど塩がないのがおしい、異世界なだけあって調味料は貴重なのだろうか。

これは早急に冒険者にならなくては。


まあ、そこは一度置いといて。

あっという間に完食してしまった、また食べよう。


「ごちそうさまでした」


夜ごはんも食べたことだし部屋に帰ろう。

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