第15話 どうしたんだ!え?魔物の襲撃!?

 最近なんだか街が騒がしい。みんなどこかそわそわしていて、何かにおびえているようだ。


「ねえマトラ姉ぇ、最近皆変な感じだけどどうしたの?」


「あぁ、あんたには言ってなかったっけ。スライムの進行方向にあたいたちの街が入ってるのさね」


「ん?スライムって最弱の魔物じゃないの?」


「あんた、そんなことも知らなかったのかい……」


「まあいい、前に話したと思うけど、あたい達は神から与えられた魔力で知性と理性、そして神に近い形のこの体を手に入れたさね」


「でも魔物はこれらすべてを『いらないモノ』と断じて『力』それだけを求めたさね」


「その結果、『最弱の魔物スライム』でさえも、あたい達の手に余るようになってしまったというわけさね。」


 なるほど……選択の結果、この世界の覇権を握ったのは人類種だったが、それは力で勝ったいたのではなく、技術の進歩と数の暴力によるもので、魔物がこの世界の最強種だということに変わりはないのか。


 なら主人公の陣営に初めて姿を見せるときは、何でもいいから魔物を瞬殺しながらにしようかね。


 当分の目標は「魔物を一人で倒すこと」だな。


 よし!稽古をつけてもらおう。


「だから悪いけど、稽古をつけてやることはこの問題をどうにかできるまで、できないさね」

            

 そうか………マトラ姉ぇはここの顔役みたいなものだし、俺にかまっていられないのか………


「そうしょぼくれた顔すんなって。スライムの進行速度から考えると、あと3日程で討伐部隊を差し向けなきゃいけないさね」


「あんたには調理を任せようと思ってるさね。うちの戦士団、まともに料理できる奴が一人もいないさね」


「かといって料理できる奴らは行軍なんてできないへなちょこばかりさね」


 なるほど、おあつらえ向きの人材というわけか。

 この街を守るためにも、頑張ろうかね。



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