第11話 修行の始まり!え?説明回⁉①創世記編
「さ、稽古を付けてやるさね」
おぉ!
これからの悪役ムーブに必要な情報をここで集めきりたいな。
「その前に、あんたはどうやら生きていくために必要な最低限の情報も知らないみたいだし、まずは勉強の時間さね」
「いくら子供とはいえ、なんでこんなにも無知なのさ?全く……どんな教育をしていたのやら……」
村が壊滅した子供の前でいうことか?それ?
どうやら、マトラ姉ぇは俺の微妙な顔で何かを察したらしく、慌てて弁解してきた。
「いや……あんたの家族を悪く言うつもりは全くなくて……あのぉ」
「とにかく悪かったね」
「気を取り直して、授業開始さね」
どうやら、授業が始まるようだ。
一言一句聞き漏らさないようにしよう
「まずはこの世界の成り立ちについてさね。この世界は神が作ったもので―――」
マトラ姉ぇはあんなに自信満々といった風にしていたのに人に教えるのが下手だったため、自分の手でまとめておく。あくまでも獣人視点の創世神話らしいのだがな。
まず初めに神が世界を作り、そこに多種多様な動物を作ったらしい。しかし、この世界の進歩はそこで終わってしまったそうだ。そこで、このままではいけないと思った神が数体の動物に魔力を与えた。その魔力を使って他個体との共存による繫栄を目指した動物たちの子孫が獣人ら「人類種」。その代わりに個としての力の進化によって繫栄を目指した動物たちの子孫がスライムに代表される「魔物種」らしい。
獣人からすれば、人間は「人間を自称している猿の獣人」で天使は「天使を自称している鳥の獣人」らしい。もちろん相手側はそんなこと信じているわけではないので、お互いがお互いのことを「神話を捻じ曲げて都合よく解釈した冒涜者」と認識しているわけだ。
共存を目指した祖先は涙目だろうに。
「ところで、神に名前ってないの?」
「変なことを聞くね……そうさね、神様は一人しかいないのに、名前はいらないだろ?」
なるほど。そういう考え方か。
世界が変われば、そりゃ考え方も変わるか。
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