24話 楽しい楽しい学園生活の終了のお知らせ
ミステリウム魔法学園の生徒になった私は、魔法学や生前と同じように数学や体育等の授業を受けた。その中でも個人的に苦手な科目を発見することができた。それは……。
「全然理解できん!!」
放課後、私は教室で一人頭を抱えこんでいた。理由は一つ。苦手な科目である魔法史についてだった。魔法史の授業を受けたが、全く理解できなかった。大体、私この世界の人物じゃないから魔法の歴史なんて知りもしない。恐らくそのせいなのであろう。ちなみにマリアンヌたちは、委員会や部活を見に行ってしまったからこの教室には私しかいないのだ。部活や委員会よりも、授業の予習や復習が大事だから。アランさんやルイさんからも、まずみんなに追いつけるようにしなさいと口うるさく言われていたからだ。
「だとしても、難しくない!? 魔法史以外はできるのに、なんでこれだけわからんのよー!」
沈黙している教室内に私の疑問視する声が響き渡った。すると、いきなりガラガラと教室のドアが開く音がしたのと同じタイミングで『やっぱりな』と聞き覚えのある低い声が聞こえた。身体を後ろに回して振り向くと、そこにはルイさんの執事兼弟子であるアノールがいた。
「アノール!?」
彼が教室に入ってきたことに対し驚いていると、『先輩をつけろ』と頭にノートをポンと置かれた。
「ごめんごめん。って何しに来たの?」
「言い方……まぁいい。ルイ様に頼まれてな。お前に色々教えてやってくれって。だから毎日とはいかないが、部活や委員会がない放課後ならいくらでも授業で分からなかったところ教えてやる」
「神か?」
真顔でご本人に呟くと『阿保か』と馬鹿にされてしまった。いや阿保だけど……。
「何もないときは俺がここに来るから、来ないときは部活か委員会だと思ってくれ。それで今日は何を教えれば」
「魔法史!!」
私はアノールの言葉を遮り、食い気味で魔法史と答えた。真面目に魔法史が苦手だと悟ったアノールは深くため息をつきながらも、私に魔法史を教えてくれた。
*
三十分後、アノールの教え方が上手く内容がすらすらと頭に入ってきたが、少し疲れた私とアノールは休憩を取ることにした。
「少し休むか」
「そうだね。ところアノールは部活と委員会何やっているの?」
「先輩をつけろと言ったよな? まぁいいか。俺とお前は親戚になっている設定だから……。特別に許そう」
「上から目線なんか嫌~」
アノールの顔面をジトーッと見て言うと、フッと笑われてしまった。なんかムカつく。
「悪い悪い。ちなみに俺の部活は魔法薬学部だ。委員会は図書委員会。ライは部活はやっていない。委員会は強制だから俺と一緒だ」
「魔法薬学部に図書委員会!? めっちゃいいやん!」
「部活は魔法薬学部、魔法占い部、裁縫部。そして、【ウィザード・セクト】候補者が集まる
「
そんな部活があるならまずその部活に入らないといけないのでは? とふと思った私。だとすれば、候補者として認められないと。
「あぁ。
……ん?
「今茶会って言った?」
「言ったが?」
私とアノールは互いに顔を見合わせ、首を傾げた。何故茶会なのだろうか? と。
「今までの緊張感を返して!? 【ウィザード・セクト】って言ったから緊張してたのに!! 候補試験を受ける私からとしてそこから始めないと意味ないって思ってたのに!!」
「俺は候補者じゃないが、【ウィザード・セクト】には候補者以外の生徒も出れるから、魔法薬学部にいる。【ウィザード・セクト】の候補試験を受けれる対象としては、候補者か全学年で成績十位以内に入っている状態。それらが当てはまっていれば試験を受けれる。だから、お前には一年生の中で成績十位内に入ってもらう! それが嫌なら候補者となって
アノールのこの反応は……絶対そうだ! 私は彼の圧に椅子から立ち、その場から去ろうと知ると、右肩を強く掴まれ、眼鏡の位置を直した。
「これからルイ様に代わり、この俺がお前を教育してやる。安心しろ○しはしない」
「このスパルタ鬼畜野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アノールの宣言によって、私の楽しい楽しい学園生活が一日で終了したのであった。
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