第41話 経過報告

第41話 経過報告


だから何?

それがレクサムに、再会して私が出来るようになった事を伝えた。最初の回答だった

ニイさんは、褒めてくれる優しい笑顔で

なんて優しいんだろうか…

レクサム『姉貴は、甘やかし過ぎ』

ゼイル『やっと俺達と同じ土俵か』


シード『確かに当たり前ではありますがあのままでは、感知が出来ないのには変わりありません』

レクサム『さっきは、悪かったそれは、お前にとって大きな一歩だろう』

レクサム『これから…金稼ぎにシェアールの森に出没する魔の存在の討伐依頼に向かうんだが…お前らも来い』

と言い馬が居ることに気付く

本で見た動物だ

私は、馬に近づくと抱きついた

レクサム『おっ!馬も喜んでるみたいだぞ!』

オウガン『動物に懐かれるとても素晴らしいです』

レクサム『まあ…荷物を乗せる馬車が必要だから金稼ぎしてるんだがな』

シェルピー『保存魔法なら私、扱えますよ』

レクサム『!』

ゼイル『!』

レクサム『それなら馬必要ねぇじゃん』

シェルピー『少しだけですが…』

レクサム『やっぱ必要だったわ』

どうやら私の表情を見て、態度を変えたらしい


レクサム『よしそれじゃあ向かうか』

シェアールの森…その森は昔拠点として使われていたらしく所々に崩れた建物があった

レクサム『結構古くなってるから頭気を付けろよ』

シード『周りの魔の存在は、弱い奴ばっかだけど本当に居るのか?』

オウガン『出てきても私が3人を守りますからね』

レクサム『だが妙だな…弱い気配はするが依頼にあった変異した魔の存在の気配をまるで感じない』

ニイ『誰かが先に討伐したとか…』

シード『それは、ありませんよ将軍は一切ギルド関連の依頼は受けませんからね』

シード『協会の依頼ならですが…』

レクサム『おいっ広場にでたぞ』

すると何やら生臭い匂いが辺りを包む

レクサム『!』

レクサム『パメラとシェルピーは目を瞑れ!』

急にレクサムが叫ぶ

シード『すでに遅かったか…』

ゼイル『依頼を甘く見ていたな…』

レクサム『まだ奥まで…が続いている』

ニイ『目はくれぐれも開けないでくださいね』


オウガン『これは、かなりの個体のようですね』

レクサム『通常…変異個体は将軍クラスで無いと骨が折れる位手強い』

レクサム『さらにそれがもし…高個体なら話は別だ』

ゼイル『居るな…』

レクサム『ああ…2人を頼んだぞオウガン』

オウガン『分かりました』

オウガン『結界術プロテクトウォール』

大きな結界が辺りを覆う

レクサム(奴はまだ基本の覆うだけか…結界術は結界を纏うこともでき他にも拡大・縮小など様々な使い方が可能になる)

突然木が倒れ始める

地面が揺れ始め大きな音がだんだん近づいて来る

レクサム『来るぞ…警戒しろあれが、魔獣オルドラークだ!』

魔獣は、私達の気配に気付くと雄叫びを上げる

恐怖で腰を抜かしそうだった

ゼイル『魔獣か…変異個体だけがそう呼ばれる別名…近くに通常個体の魔の存在らも居るようだな』

レクサム『いやっ手取り早く終わらせる』

レクサム『久しぶりに3段階目まで上げられそうだ』

ゼイル『どうやらお前の…らしいな』

ゼイルの声が魔獣の足音でかき消される

何という音だ

砂埃が辺りを包み込む

ゼイル『一斉に、ジェラークが突っ込んで来やがった!』

ゼイル『シード!』

シード『ああ分かっている!ファーストリワード』

シード『そして追加だアンダーリワード』

他の魔の存在達が、重さで倒れて行く

シード『シルバースコール』

魔の存在は一斉に串刺しになって行った

レクサム『姉貴の手を使わずともこんなん倒せるな…』

レクサム『久しぶりに使ってやるよ…』

レクサム『剣法クロススレイバー』

魔獣は、自分の死を悟ったのか強烈な雄叫びを上げる

そして…一瞬で切り刻まれる

あれが剣法…

凄い力だ

レクサム『よしっ怪我は無いか?』

シード『全員無事だ』 

ゼイル『さっきの剣技の色は何だ?』

ゼイル『お前らも見えたか?』

レクサム『…』

ゼイル『こいつと初めて手合わせしてからずっと思ってたんだが…』

ゼイル『俺らには、お前が属性を持っていないように見える』

シード『…』

オウガン『…』

レクサム『ああ…それが…俺の属性だかな…』

レクサム『どんな属性耐性も、通用しないそれが俺の属性だ』

ゼイル『また…謎が芽生えたな』

シード『とても俺たちには、理解出来ないか…』

レクサム『さっさと、賞金貰って美味いもんでも食おうぜ』

レクサム『この任務の賞金なら、馬車も買えんだろ』


こうして私達は、シェアールの森を後にする

森を遠回りしたことによって魔導国に着く頃には、昼過ぎになっていた

レクサムは、賞金を得ると近くのレストランに向かう

レクサム『今日はうんと食え奢ってやる』

祝福してくれているのだろうか…

私は、夢中で食べる

レクサム『にしても、良い食べっぷりだな』

ゼイル『だが魔導国で、あのような依頼があるのが妙に引っかかる』

シード『あれは、どう考えてもそこいらの冒険者では、手に負えない内容だった』

レクサム『気づいたか?』

ゼイル『何をだ?』

レクサム『あの依頼簡単な項目に、混ざっていたんだぜ』

レクサム『近頃何故か、変異個体の数が増えつつある』

レクサム『環境の変動は、奴ら魔の存在には進化を齎すもの』

レクサム『それは、何か大きな力の誕生によって環境は一気に変わり果てる』

ゼイル『魔王の誕生か…』

レクサム『そうだ…』

シード『案外魔王に会い対する時は、近いだろうな』

シード『その時は、今のこの強さではいずれ…全滅するぞ』


レストランを出る頃には夕方に差し掛かる


私達は、レクサムと別れると真っ直ぐ学園に向かうのだった…

魔王とは果たして何者なのだろうか…

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