第16話 第一異世界人

 何で、能力が上手くならないんだ?


 簡単に出来るものもあるが、難しいものの方が多い。


 例えば、糸の操作とか匂いの嗅ぎ分け方何かは難しい。


 最初から能力が備わっていたら、感覚で分かるんだろうか。


 小説で糸使いが出ているが、あんなに出来るまで苦労したんだろうなと今更になって思った。


 はぁ~


 今、何処に向かっているんだろうね。


 何となく進んでいるが、ここは何処なんだ?


 まぁ、いいや。


 いつか何処かに着くだろう。


 そんなこんなで1ヶ月した頃。


 あれは馬車か?


 目の前には馬車と鎧を着た人達が歩いていた。


 おおー、あれが馬車か。


 初めて見たな。


 若干、興奮気味に人化をして話しかけに行った。


 「おおーい、迷子になったんだ。ここからどこに行けば街に行けるんだ」


 鎧の人達は驚いて武器を構えてきた。


 そういえば、俺って魔物の皮を腰に巻いた蛮族みたいな恰好だったなと、警戒されても仕方ないよなと思いその場に止まった。


 「着の身着のまま冒険者になりに村から出たんだが、街が分からなくて彷徨っていたとこなんだ。街の場所が分かればそっちに行くから教えてくれないか」


 「この道を真っ直ぐ行けば着く。早く行け」


 少し警戒を緩めそう言った。


 「ありがとうございます」


 こっちか。


 どんな街なんだろうね。


 鎧の人達が何か怖かったので、早めに歩き出した。


 3時間後に街に着いた。


 そういえば俺、お金とか身分証持ってないやん。


 街にどうやったら入れるかな。


 魔物なんだから、こそっと入るか。


 気配隠蔽をかけ、壁の上を飛んで入った。


 アニメで見た感じの街並みだな。


 少し見て回ったが、この街は図書館はなかった。


 小さな街にはないのか。


 残念に思いながらも、街の店で魔道具何かをパクらせてもらった。


 犯罪だけど魔物だからいいよね。


 俺を見たら、絶対に倒しに来そうだし。


 魔王がこんなみみっちい事をしているなんて思うまい。


 自分で言っててむなしくなったが、ダンジョンについてもいい事を聞けた。


 もう少し行った街にダンジョンがあるって冒険者が言っていた。


 そこに行って、能力の修行に行ってみるか。


 魔王になったからには、配下はいた方がいいかな?と思ったが今はいいだろ。


 まずは自分の強化が先だな。


 よし、今度は飛んでいこうか。


 羽を生やし、ダンジョンのある街に向かった。


 4日後に着き、前の街と同じように街に入った。


 ダンジョンはあれか。


 周りに冒険者がいてかなり賑わっている。


 ここは100階層あるダンジョンらしい。


 攻略されたことはなく、一番進んだところは57階層までらしい。


 楽しみだなぁ。


 どんなところだろう。


 

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