第18話 仮面の剣
「という訳だが、どう思う、ミスター」
翌日、ビャクヤの発言をミスターに伝えた。
「うーん……勇者じゃないのに、なんで魔力がある
のかわからない事もそうだけど、謎ってしか言い
ようが無いね……」
「そうか……」
ビャクヤが勇者ではないと言っても、ビャクヤ自身に魔力を感じた。それに、あの合否結果もだ。アレの平均点など、本来は公開されない。
知るのはその年に受験した人間とその家族か、せいぜい試験監督くらいだ。
(澪が言っていた事が本当なら……どうやって澪に
悟られずに近づけた?)
澪はバカといえばバカだが、察知能力だけを言えば、犬などの動物より鋭い。
なのに全く気配に気づけないまま正面を取られれば臨戦態勢になるのも無理はない。
「……どうしたの?」
「いや、なんでもない。」
このことは伏せておこう。そう決めた。
その時、
『怪異警報発令、怪異警報発令。至急、勇者は怪異
生物と異境の討伐に急行して下さい。』
「!」
「思ってたより早いな……」
ミスターに別れを告げ、学校を離れた。
ビャクヤside
「…そろそろかな……」
ビャクヤは部屋のベッドから立ち上がり、仮面を顔にはめる。
『怪異警報発令、怪異警報発令。至急、勇者は怪異
生物と異境の討伐に急行して下さい。』
ほぼ同時にアラームが街に鳴り響く。
「……行こう」
鉄剣を取り出し、窓から飛び降りる。
この時、ビャクヤは思いもしない。
ビャクヤにとって、もう既にイレギュラーか起きている事を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます