第49話 デート 群馬栞part

【栞side】


 ヨムカクコンテストやオメガポリスの大賞など、頑張ってエントリーしたけど、ことごとく落選した。

 まだまだ初心者の私達、ハムサラダペンネーム

 少しだけどフォロワー読者が増えただけでも成果が有ったと思う。

 大きなイベントが終わり、ホッとしていた私。

 恭介くんとのデート。 何処に行こうかと迷っていたら、


「まだまだ、イベントは有るよ、栞ちゃん。

 ヨムカクでは『第二回 短歌·俳句コンテスト』があるし、オメガポリスでは『第十回 歴史·時代小説大賞』が来月にあるよ。

 まあ、流石にオメガポリスの大賞には間に合わないと思うけど、短歌や俳句に挑戦するのも勉強に成ると思う。

 そして、大本命。 オメガポリスの『ファンタジー小説大賞』を叩き台にして、今度こそ ヨムカクコンテストの長編小説部門に挑戦しようよ ! 」


「ちょ……長編小説……私達が……」


 長編小説、10万字以上の物語なんて、私達に書けるのかな……

 今までは短編ばかり書いていた。

 時たま、お話がはずんで中編に成ったこともあるけど、本当にタマタマだったりする。


「とりあえず、オメガポリスの第十回 歴史·時代小説大賞に参加してみようよ !

 別に10万字に達していなくてもに成らないところが、オメガポリスの良いところだよね。

 それで、もし10万字を越えたら、ヨムカクのコンテストに参加しよう 」


 歴史物といって直ぐに頭に浮かんだのは、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などの戦国武将だった。

 大河ドラマもあるから想像しやすい。

 しかし、恭介くんは私とは違うことを考えていたようで、


「三国志や戦国時代は、ライバルが多そうだから避けよう。

 あっ、幕末も人気だから避けようか 」


 ……残念、沖田総司とか好きだから歴史改ざんして、沖田総司を生かすことを考えていたのに……


「あ~。 後は、オメガポリスの歴史·時代小説大賞は、歴史改ざんは認めているみたいだけど、はカテゴリーエラー扱いに成るらしいから、栞ちゃんの言う『沖田総司の生存物語』は難しいと思うよ 」


 えっ ! 私の考えていることが解るなんて !

 もしかしたら、恭介くんはエスパーなの ?


「いやいや、僕はエスパーじゃ無いよ。

 栞ちゃんは気がついていないようだけど……口に出ているよ、小声だけど 」


 ボン ! 恥ずかしさで私自身の顔が真っ赤に成るのが判る。

 もう、私のバカ、バカ !

 もしかしたら、普段から小声で考えていることをしゃべっていた !?

 そうだ、自分の部屋に引きこもろう !

 天の岩戸に引きこもった天照大神みたいに !


 私が逃げ出そうとすると恭介くんに手を捕まれた。


「大丈夫だから ! 普段はしゃべって無いよ !

 僕と二人きりだから油断したのかな ?

 誰にも話さないから安心してね。

 僕と栞ちゃんだけの秘密にするから 」


 恭介くんの言葉にホッとするやら、恥ずかしさに穴が有ったら入りたいやら、複雑な気分に成った。


 そうだ、恭介くんには責任を取ってもらおう !

 なにがなんでも、私をお嫁さんにして貰わなければ !


「……あの~、また考えていることを話しているよ、栞ちゃん 」


 とりあえず、この独り言の口癖を治そうと誓った私だった。


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