謎解きの国のアリス

幕間一

「にゃんですってぇ！？」

　ヒントさんの報告にルミ様は叫んだ。ヒントさんが説明を繰り返す。

「ですから、彼女の名前は『みよう』なんです」

「おかしいわ。名前がアリスじゃないなんて。ウィザー！アナタ召喚対象間違えたんじゃないでしょうね！？」

　怒りの矛先がこっちに向いたので慌てて弁明する。

「まっ、間違えてなんかいませんよ！大王様のご命令です」

　そう、大王様がこの方を召喚するように僕に命令したのだ。それを聞いたルミ様はありえないといった様子で呟く。

「ご主人様が？どうして……まぁいいわ。誰が来ようとやることは一緒よ」

「あの、どちらへ？」

　行き先を尋ねる。

「あいさつに決まってるじゃない。その『みよう』って女がどんな人物かこの目で見てくるわ」

　ルミ様は大王様のことをかなり好いていらっしゃる様子。今回僕が召喚した『みよう』という女性が一体どのような方なのか確かめずにはいられないのだろう。

「い、行ってらっしゃいませ……」

　僕は彼女を見送った。