ヒロの青春 五

      14

「あれ?先輩!マズいですよ!先客がいますよ!」

ヒロの左腕に両手を絡めて、完璧な美少女を演じているカオルが、木陰から、ベンチを覗いて、そういったのだ。

先週、ミキと丸山が座っていたベンチに、確かに、若いカップルが、身体を密着させて腰をおろしていたのだ。

「仕方ない!やり過ごして、向こう側の木陰から様子を伺おう……」

「まったく、邪魔なんだから……!」

カオルはそうぼやきながら、ベンチから離れた回り道をして、反対側の木陰にたどり着いた。

「先輩!あのふたり、一高の生徒ですよ!何か、見たことのある人のような気がするな……」

ヒロは恥ずかしくて、ふたりに視線を向けずに回り道をしたのだが、カオルは、ちらちら、と視線を向けながら、歩いて来たのだ。ただ、辺りはもう薄暗く、カオルはその生徒と、近い関係ではなかったのだ。

「一高の生徒?丸山じゃあないよね?なんで、ここで、いちゃつくんだ?」

と、遠目からベンチのふたりを眺めながら、ヒロは苛立っている。

一方、ベンチのふたりも苛立っていた。

「ちょっと、それじゃあ、キスしているとは見えないわよ!お芝居だといっても、唇をふれ合わせないと……。それに、右手は、胸を撫でるのよ!ほら!もっと大胆に!強く!本当の恋人に見えないと、あいつら、誘いに乗ってこないわよ!仲のいいカップルに嫉妬して、因縁をつけてくるのだから……。ミキたちは、もっと激しかったはずよ!」

と、女性のほうが、リードしている。

「で、でも、僕は、キスの経験も、ましてや、女性の胸にタッチなんて……」

男のほうは、肩に手を回すことさえ、ぎこちない。唇が震えている。

「経験がなくても、お芝居はできるでしょ?まったく、生徒会長になりたくないの?」

「生徒会長になるために、こんなカップルの芝居をしなくてはならないのか……?」

「そうよ!また、マサが不良たちを退治した、なんて噂が広まったら、わたしが頑張っても、女性票の大半はマサに入るわよ!だから、お芝居までして、あいつらの弱味を握っておくのよ!さあ、ディープな恋人同士を演じるのよ!パンティに手を入れてもいいわよ!」

大胆なことをいっているのは、ユリで、ユリに叱られているのは、ケンだ!三高の不良?四人組を罠にかける計画を──濃厚なラヴシーンを──今、まさに実行しているのだ!しかし、経験値の違いから、ケンの芝居?は、ぎこちなく、キスシーンでさえ、唇でなく、鼻をぶつけてしまう、体たらくなのだ!

(ユリ!無理だよ!パンティに手を……なんて、想像しただけで、出ちゃいそうだ……!)

「あら?いいわよ!凄い!大きくなってる……」

ユリの右手が、ケンのズボンのファスナー部分を撫でる。ケンの背中に電気のようなシビレが走った。

「おい!兄ちゃんたち!不純異性行為は、ご法度だよ!先生に言い付けるよ!」

と、急に木陰から、数人の学ラン姿が現れて、そのひとりが、ベンチのふたりに声をかけた。

(出た……!)


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「先輩!出ましたよ!予定では、あそこにいるのは、僕たちの筈ですけど……?」

「ああ!間違いない!例の四人組だ!まるで、デジャブを見ているようだよ……」

木陰から、ベンチの様子を見ながら、カオルとヒロは小声で会話をしている。

「ルミ先輩のシナリオだと、ヒロ先輩が格好よく、僕を庇いながら、あいつらに立ち向かう。タケシという中肉中背に、『ラヴ・レターを返せ!お前たちの正体はわかっているんだ!三高の二年4ホームの武井、神部、剣屋に新階!』って、名探偵の解明をするんでしたよね?」

「ああ、それから先は、成り行き……。アドリブでお願い……、ってことだ……」

「あれ?あの女性、先輩の同級生の……、この前、校長室に怒鳴り込んできた人ですよ!アッ!男もその時の男だ!」

「アッ!本当だ!ユリとケンだ!」

「じゃあ、助ける必要はありませんね!しばらく、傍観しましょう……」

「何いってるんだ!ユリたちが恋人のわけがない!あいつらも三高の四人組に罠を仕掛けたんだよ!僕のラヴ・レターを手に入れるために……!」

「先輩のラヴ・レターを手に入れて、どうするんです?燃やして、モテない鬱憤(うっぷん)を晴らすのかな……?」

「まさか!公表して、僕を笑いものにするつもりなんだ!」

「ラヴ・レターを公表して、笑いもの?バカな!出したスズカは、ちょっとは恥ずかしいかもしれないけど、もらった先輩は、かえってみんなから、羨望の的ですよ!ほら、マサさんの従妹のオトちゃん!下駄箱から、ラヴ・レターがあふれ出していた、って、最早、伝説!先輩も伝説になりますよ!漫才師ヒロの伝説……!」

「誰が漫才師や!けど、そうか?カオルは、初めてもらったラヴ・レターはどうした?」

「破って、燃やしましたよ!嫌いなやつからでしたからね!自分を美少女だと思い込んだ、女王さま気取りの同級生でしたよ!だから、先輩は羨ましいです!スズカは、最高ですよ!まあ、オトちゃんはそれ以上かもしれないですけど……」

「そ、そうか?よ、よし!シナリオと少し違うけど、あいつらから、ラヴ・レターを取り返して、スズカちゃんに報告するぞ!」

「待って!先輩!何か変な展開ですよ!女性が笑っていますよ……!ケンという男は、ベンチでうつむいたままですけど……」

「そうだな?ここは、ケンがユリを庇いながら、啖呵(たんか)を切る場面だよな……」

と、ベンチの意外な展開に、ヒロとカオルは登場のタイミングを逸してしまった。

「ふふふ!見事に罠に掛かってくれたわね!三高の不良たち!」

と、ベンチの前に颯爽(さっそう)と立ち上がった、ヒロイン気取りが、目の前の四人組にいった。

「なんだって?俺たち、三高の生徒だけど、不良じゃないよ!」

と、チビ?の剣屋がいった。

「不良じゃない?何、バカをいってるのよ!デカ、チビ、ノッポに、普通サイズ……。思っていたほど、ノッポでも、チビでもなかったけど……まあ、あんたたちで間違いないわ!先週、うち(一高)の生徒に因縁をつけて、金をせびったよね?」

「か、金なんか取ってないよ!」

と、ノッポがいう。

「取りっぱぐれたんでしょ?我が校のイケメン剣士にやられて……?まあ、それはいいのよ!でもその時、ちょっと間抜けな男の懐から、封をしたままの手紙を盗って行ったらしいわね?タケシ君だっけ?本名じゃないみたいだけど、返してくれる?そしたら、そっちの『先コウ』に、チクるのは、辞めにしてあげるわ!」

「手紙?ああ、ラヴ・レターみたいなやつ?じゃあ、君があの差出人の『スズカ』ちゃんなのか?」

と、タケシこと、武井慎一が尋ねた。

「ま、まさか!な、何で、わ、わたしが、ヒロなんかに、ラヴ・レターを書かないといけないのよ!あんな『オクテ』は、お断りよ!全然、あっちはダメみたいだから……」

と、突然、ユリが動揺し始めた。

「先輩、もしかして、ユリさん、ヒロ先輩のことが好きなんじゃないですか?だから、スズカに嫉妬して、ラヴ・レターを取り返そうと、しているみたいですよ!」

「ま、まさか……」

「先輩!モテ期ですね……」


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「ゴメンよ!僕の勘違いか……。そうだよね……ヒロとかいう男が、君みたいな『スケバン』からもらったラヴ・レターをあんなに大事には、しないよね……」

と、タケシが最後のほうは、独り言のように呟いた。

「ス、スケバン?誰がスケバンよ!わたしは、次期、生徒会の幹部になる生徒よ!」

と、ユリが烈火の如く怒りの言葉を発した。

「慎一、スケバンじゃあないよ!スカート、超ミニだよ!スケバンは、超ロングだから……」

と、デブのカンタこと、神部辰彦が、ユリのスカートを指差して、要らぬ助言をする。確かに、今のユリのスカート丈は、ひざ上20センチ、はっきりいって、目のやり場に困る。パンティのイチゴ模様が見え隠れしているのだ。ただし、それは、今回の罠のための衣装だ。普段は、優等生をユリは装っているから、スカート丈は、規定どおりだった。

「ど、どこ見てるのよ!さあ、わかったら、手紙を返しなさい!」

ユリは、スカート丈を、気にしながら──ウエスト位置を少し降ろして──タケシに右手を差し出した。

「ご、ゴメン!」

と、慎一は、再度謝った。

「手紙のことは、まったく忘れていたんだ!あのまま、ズボンのポケットに入れたことさえも、ね……。そしたら、お袋が、勝手に洗濯したんだよ!手紙をポケットに入れたままでね……」

(な、なんだって!)

と、その会話を聴いていたヒロが、心の中で叫んでいた。声にならなかったのは、たぶん、そのほんの一瞬前に、別の男性の声がしたからだ!(と、思う……)

「おまえら!こんなところで、何をしているんだ!」

それは、雷のように、公園内に響き渡った。

「誰?」

と、チビが尋ねる。

その言葉に、ユリは、背後を振り返った。

「アッ!ハゲタカ!」

「ユリ君!ケン!君たちは、ここで何をしていたんだ?君のそのスカート丈はなんだ?パンツが丸見えじゃあないか……!」

現れたのは、一高の生徒指導主任教師の『ハゲタカ』こと『近森照明』だった。

だから、ヒロは、咄嗟に声を飲み込んで、その一呼吸のちに、ユリとケンの行為を説明しようと、木陰から身を乗り出したのだが……

「あなたたちも、何をしているの?まさか、『デバ亀』行為をしていたの?」

と、ヒロとカオルの背後から、女性に声をかけられたのだ。

「アッ!梅沢先生!」

と、カオルがその声にいち早く反応して、振り返りながら、声にした。ヒロだったら、『砂かけババァ』と、ニックネームで呼んでいただろう。

「まあ!カオル君じゃない!何?その女子高生の格好は?とっても似合っているけど……。あなた、『美少女』から、卒業したんでしょう?」

と、砂かけババァは、お気に入りの生徒には、優しい言葉を投げかける。

「カット!」

その時、ベンチの背後の木陰から、異様な服装の人物が現れて、大声を張りあげた。

「誰だ?」

「あれは、何?」

と、ふたりの教師が面食らった表情で、声をあげた。

「はあい!全員集合!」

と、その人物は、黄色いメガホンを右手に持ち、それで、左掌を叩きながら、その場──ヒロたちも含めて──の人間に声をかけたのだ。

その人物は、ハンチング帽を被り、チェックのブレザー、ズボンは、ニッカポッカのグレーのもの。鼻の下には、チャップリンのようなチョビ髭をつけている。

その人物がベンチの前に進む。そのあとから、マサが何やら、縞模様の板のようなものを手にして現れた。続いて、ジャージ姿のみどりが、家庭用の8ミリカメラを持って登場してきたのだ。

「な、なんだ、君たちは……?」

と、ハゲタカは、驚いて、色を失っている。

「あら、みどりさん!どこに行ってたの?あなたとミキさんが、制服じゃなくて、体操服で校舎を出て行ったから、おかしい、と思って、近森先生とあとをつけてきたのよ!」

砂かけババァが、ここに現れたわけがわかった。

体育系のクラブに所属していない、みどりとミキが体操服で校舎を出るのに、違和感を覚えたのだ。丁度、近くにいたハゲタカも同調して、ふたりのあとを追いかけた。ただ、この公園内でふたりを見失い。教師ふたりは、ふた手に別れて、公園内を探索していたのだ。そこで、このベンチでの異変に気がついたのだった。

「マサ!お前は何をしているんだ?まさか、みどりと、いかがわしい……」

「まさか、近森先生!マサ君は、刑事さんの息子ですよ!しかも、『超』がつくほどの『オクテ』で、最近まで、女子生徒と口を訊いたことがないくらいなのですよ!わたしは、心配していましたのよ!このままじゃ、まともな恋愛はできない!しいては、幸せな結婚生活も……」

(ええっ!そこまで、マサは『オクテ』と思われていたのかよ……!)

と、側で聴いていた、ヒロは思った。

「でも、最近は『ミステリー同好会』に入って、淑女のみどりさんや、優等生のルミさんと仲良くなって、お話しできるようになって、安心していますのよ!ねえ、みどりさん!マサ君は変わったわよねぇ?あなたのおかげよ!あなたの明るい、飾らない接しかたが、マサ君の『女性恐怖症』を治したのよねぇ……?」

(ええっ!マサは『女性恐怖症』と思われていたのかよ……!)

砂かけババァの問いかけに、ジャージ姿のみどりは、ただうつむくだけだった。

「先生方!困りますよ!我が『ミステリー同好会』が考え出した。演劇部が『卒業生を送る会』で演じる舞台劇のリハーサルの邪魔をしないで欲しいのですけど……」

と、ニッカポッカの人物が女性の声で、ふたりの教師にいった。

「舞台劇のリハーサル?アッ!君は!ルミ君じゃないか……!」

「何なの?そのチャップリンの、出来損ないは……?」

「チャップリンではありませんよ!しいていうなれば、『なべ・おさみ』のコントの映画監督の衣装です。『安田伸』役がマサ君ですよ!ほら、『カチンコ』を持っているでしょ?みどりはカメラマン。木々の間からの撮影なので、ジャージ姿なんですよ!」

「ああ、映画監督役か……?ぴったりだ!ルミ君、よく似合っているよ!」

(嘘だろう?こんなシナリオじゃあ、なかったはずだぜ……!)


17

「いったい、どうなっているんだよ!まったく、最初のシナリオと違っているじゃないか!三高の四人組も、お咎めなし!ユリとケンも無傷だぜ!いや!それより、一番肝心な、スズカちゃんからのラヴ・レターはどうなっているんだよ……!」

そう叫んでいるのは、もちろん、ヒロだ。

「ヒロ、そんなに怒っていたら、スズカちゃんに嫌われるよ!ほら、スズカちゃんからの手紙だよ!」

と、ニッカポッカ衣装から、チョビ髭だけがなくなった、ルミが、チェックのブレザーの内ポケットから、ピンクの花柄の封筒を取り出して、ヒロに差し出した。

ルミが、映画監督の格好をして、一連の生徒たちの行動は、演劇部のために書き下ろした、舞台の台本を元にした、演技だと、先生をたぶらかした。確かに、教師があの場所に現れるなんて、偶然なのに、ルミの衣装や8ミリカメラは、急には準備できるわけがない!ただ、学校が違う、三高の四人について、教師は突っ込んだ。

「武井君と剣屋君は、ケンの中学校の友達です。三中の……、ユリさんもご存知なので、塾が終わったこの時間帯に、あとふたり、神部君と新階君にも協力して頂いたのです!ね!」

と、ルミは、慎一にウィンクの目配せを送る。慎一は、四人の本名と、自分とジロウが三中の卒業生であること──ただし、ケンともユリとも親しくはないが──を知っているばかりか、塾の帰りだということも知っている。つまり、ほかの三人のことも、調べがついているということだ!

(ミステリー同好会?アッ!あの時の、マサという剣道初段のことを後で調べたら、剣道部には所属していなくて、『ミステリー同好会』って変な漫才をするクラブに入っているって、一高の知り合いが教えてくれたっけ……!こいつら、その変人クラブの連中かよ!マズいよ!ここは、おとなしく、黙って頷いておこう……)

四人の名前も知っていることから、前もっての打ち合わせがあった、お芝居だと、教師は認めるしかなかった。

「でも、ルミさん!ユリさんのスカート丈はダメよ!いくら、お芝居だからって、節度はきちんと守ってね……!卒業生を送る会が楽しみだわね!マサ君も出るの?ああ、演劇部じゃないのよね!残念……。この前の漫才、よかったわよ!先生、大好き!漫才もあれくらい、知的じゃないと、ね……」

砂かけババァは、まるで、淡谷のり子が、もの真似の審査員で『栗田貫一』をベタ褒めするように、マサにウィンクをして、その場を離れた。

続いて、三高の四人組も、お咎めないことに礼を言って、ヒロにラヴ・レターのことを謝り、その場を離れた。

「フン!なんて臭いお芝居なの!わたしなら、もっと知的なストーリーにするわ!何よ!『なべ・おさみ』?『安田伸』?あんたたちって、ミステリーじゃなくて、『お笑い同好会』なんじゃないの?まあ、お笑いでごまかしてくれて、面倒な説明は省略できたけど、わたしたちは、いかがわしい行為なんて、していないからね!礼は言わないわよ!」

と、ユリは強気でいった。

「いかがわしい行為はしていない?まさか、ケンのパンツの状態を見ても、そう言えるの?あんたは、その気がなくても、ケンは、その気だったようよ!ここまで、臭いがするよ!よく、先生にバレなかったね!」

と、ベンチの横に立っている、みどりが、ベンチに、うずくまったままのケンを視線で差して、ユリに言い返した。

「ご、ゴメン!出ちゃった……」

と、ケンは恥ずかしそうにいったのだ。

「スズカちゃんの手紙?嘘だろう?あの手紙は、武井って奴のズボンのポケットに入ったままで、母親が洗濯しちまったんだよ!こんなキレイなままで、あるかよ!」

と、話は元に戻る。公園をあとにした『ミステリー同好会』のメンバー五人と、みどりと一緒にジャージ姿で校舎を出たミキ──それは、みどりがジャージ姿が恥ずかしく、ミキに同じ格好で付き合ってもらったのだ──がファミレスに集合しているのだ。

「まあ、信じないならいいのよ!捨てちゃいなさい!実は、武井が持っていたのは、偽物よ!」

「偽物?そんなわけないよ!僕が受け取って、ずっと制服の内ポケットにしまっていたんだよ!」

「偽物といっても、スズカちゃんの字だけどね!あの娘も男子に手紙を渡すのは初めてだったから、まずは、下書きを書いたのよ!それを推敲して、正式な手紙にしたのね!で、慌てて、下書きのほうを封筒に入れて、ヒロに手渡した!あとで正式な手紙が、便箋から出てきたのよ!恥ずかしいから、わたしからヒロに渡して欲しいって頼まれたのよ!嘘だと思うなら、直接、スズカちゃんに訊いたらいいわ!わたしには、こんな手紙、どうでもいいんだから……。破って捨ててもいいのよ……!」

「いや!信じる!信じますとも!裏の文字は、間違いなく、スズカちゃんの自署だからね!ありがとう!ルミ!宝物にするよ!」

「中は見ないつもりなの?」

と、ミキが不思議そうに尋ねた。それはそうだろう!渡された手紙の封を切らずに、宝物として保管するなんて、考えられない!ラヴ・レターと思っているのは、ヒロ本人だけなのだ!

「当たり前さ!手垢がついたら、おしまいだもの!家宝にするんだから……」

(ああぁ……。そのほうが幸せかもね!中身は、間違いなく、演劇部の舞台劇の台本の、依頼だったのよ……)

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